にれっちのつれづれ日記

本州最北端の小児科医にれっちの独り言(^^)

B型肝炎ワクチンの初回接種は定期化を待たずに打ちましょう

2016-07-02 22:20:09 | 病気のはなし
4月以降に生まれたお子さんを持つ方で、B型肝炎ワクチンの接種を遅らせて待っている方がいるかもしれませんが、できれば自費での接種を開始しておくことをお勧めします。

理由の一つは、B型肝炎ワクチンの定期接種化について未だ法律上の追加がなされておらず、本当に10月開始になるかどうかが未確定だからです。
(官報で公布されないと自治体は接種体制を組むことができません)
また実際開始された場合に急激な接種数増加で一時的に供給が不安定になる可能性があることも予想されます。
たとえ予定通りに実施がなされ、供給も滞りなかったとしても、風邪をひいたりなどのちょっとしたスケジュールのずれで3回目の接種が1歳の誕生日以降にずれてしまうこともあり得ます。

理由の一つ目は、急激な接種数増加で一時的にワクチン供給が不安定になったり、あるいは接種予定日に風邪をひいたりなどでスケジュールがずれることで、3回目の接種が1歳の誕生日前に終了できなくなる可能性があることです。

理由の二つ目は、以前は感染ルートが血液だけ(ほとんどが出生時の母子感染)と思われていたものが、汗や唾液、尿なども重要な感染ルートで、母親以外の家族や友人からでも感染する(水平感染)ことが分かってきたことです。
日常生活での感染リスクが高いとまでは言わずとも、ワクチン接種でほぼ確実に感染を予防できるのですから、特に保育園等の集団への参加を考えている場合には入園前に接種を開始しておく方が安全でしょう。

むつ市では現在0歳児のB型肝炎ワクチン接種に1回2,000円の補助を出しています。
是非それを活用して早めの接種をしてあげてくださいね。

ちなみにB型肝炎ワクチンには接種年齢の制限がありませんから、希望される方はいつでもご相談ください。

 ※記事アップ後に、6月22日付で官報に掲載されて10月からの定期接種化が決定していることが判明したため、一部を訂正しました。