今、フランス各地で暴動が起こっている。発端は、アフリカ系住民の若者が警察官による暴行で死亡した事件だ。そして、人種差別が大きくクローズアップされている。私が抱いているフランス人のイメージは、気位が高く、他国よりも優れていると信じて、妥協や協調をしない人たちだというもの。それにしては、スポーツなどで活躍する黒人の多いのにはビックリしていた。安価な労働力が不足し、かつて植民地だったアフリカ諸国から大量に黒人を輸入したためだ。元々フランスに住んでいたフランス人労働者は職を失うか、低賃金化のしわ寄せを受け、新たに加わったアフリカ系住民と従来からの住民との軋轢が大きくなる。これは、フランスに限ったことではない。こうした問題はアメリカでもあり、人種差別を煽っているように思う。
その点、日本ではまだまだ大きく顕在化するには至っていない。しかし、安い労働力を求める企業の圧力は、ブラジルの日系人を大量に受け入れる動きとなっているし、中国残留孤児の受け入れとなっている。しかし、目的が目的だけに、きちんと日本人として受け入れる姿勢は見られない。後は、技能修習生という曖昧な形で、労働力を得ようとして、問題となっているなど、日本もこの世界的問題と無縁ではない。