送迎編 最後の最後の登場は 野島さん(女性 80歳代 要介護3)です。
この方のことを忘れるところでした。
申し訳ございません。
団地に一人暮らしの野島さんは、
いつもひとりで買い物やお散歩に出かけます。
夜9時頃でも駅前のスーパーに買い物に行かれます。
雨がふってもこわれた折りたたみ傘をさしながら出かけられます。
その姿はまるで一匹狼の侍のようでもあります。
みちしるべオープン前、
お散歩の途中、熱中症で倒れて救急車搬送された方です。
道路でほとんど意識消失状態だったところを
通行人の方が見つけてくださり、
命びろいされた方です。
それなのに、まったく懲りることなく
病院から無断外出されて、
捜索願いを出され、
見つかったときは両腕をしっかりと押さえられながら病院に戻られた方です。
それはまるで脱走に失敗した囚人のようであったとか、なかったとか。
みちしるべのオープン前からそのような相談の電話があり、
まだお会いしたことのない方なのに、
地域を捜索したことがありました。
ですから、お会いする前から
すでに顔なじみの関係のように感じていました。
書道教室の先生をされていた野島さんに、
みちしるべで書道教室を開いていただきたいという思いで
お会いしに行きました。
「野島さんに教えていただきたい生徒がすでに3~4名集まっています」
「ああ、そうなの。じゃあ、行ってみようかな」
ということでご利用が決まりました。
ご家族もこれで一安心といったところでした。
でも野島さんもご多分に漏れず、
みちしるべに行くことなんか忘れてしまい、
朝の送迎時はいつもベッドで寝ているのでした。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます