光のみちしるべ ~愛だけが現実~

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でぇ、どうするん?(胸騒ぎの認知症ケア)送迎編⑩

2018年01月31日 22時34分33秒 | でぇ、どうするん?~胸騒ぎの認知症ケア~

 

時代劇がコマーシャルになりました。


食事もちょうど終わっています。


今が最大のチャンスです。


私はそっと他のチャンネルに移すと、


すぐに立ち上がりやっぺいちゃんを誘いました。


「やっぺいちゃん、そろそろみんなのところへ行こうか」


と声をかけました。


しかし、「いいよ。今日は行かないよ」


とつれない返事。


私はやっぺいちゃんの片手をとって、


「さあ、行こう!」


と引っ張りましたが、まったく動きません。


まるで岩のようです。


焦った私はますます力をこめて腕を引っ張りますが、


やっぺいちゃんも根が張ったかのように動きません。


「行こう!」「行かない!」

「行こう!」「行かない!」


とまるで押問答のようになってきました。


ここで私ははっとしました。


「押してもダメならひいてみな」


という言葉を思い出したのです。


すぐに私はリビングを出ていったん離れました。


そして、台所のお盆を取り出すと、


「はなのやまが~たあ~」と


花笠踊りを歌いながら踊り始めました。


しかも派手に踊りました。


するといとも簡単に(というか単純に)、


やっぺいちゃんも立ち上がって踊り始めました。


そして踊りながら私のところへやってきました。


2人で踊りながら玄関へ向かいました。


「あら、車が止まっている」


何度も説明したのに、初めて見たかのように言いました。


「んだらば、乗って行くべ!」


と靴を履き出しました。


そして、すうっと開いていたドアから乗り込みました。


あっという間の出来事でした。


この日から食事中は私はリビングに入らず、


入口に立って歌ったり踊ったりして誘い出すようにしました。


こちらの作戦にまんまと引っかかって、


やっぺいちゃんは自ら立ち上がり楽しそうに踊りながら


送迎車に乗ってくれるのでした。


一瞬の機転が功を奏したのでした。


 

やっぺいちゃんのお話はまたいたします。


 



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