光のみちしるべ ~愛だけが現実~

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でぇ、どうするん?(胸騒ぎの認知症ケア)送迎編⑭

2018年02月04日 10時04分01秒 | でぇ、どうするん?~胸騒ぎの認知症ケア~

 

初めてお会いした日、

私は神谷さんに気に入られたようで、

何度も

「りっぱな先生じゃ!」

と言われました。


まずは最初のコンタクト成功です。




私はこの日(つまり初回アセスメントの日)、


なぜ前のデイサービスでは玄関から中に入らなかったのか?


という質問をしませんでした。

私は過去の神谷とお会いしたかったのではなく、

現在の神谷さんとお会いしたかったからです。


前のデイサービスでの神谷さんを知ることは重要なことでしょうから、

きっと他のデイの方ならきっと尋ねたはずです。

そして、自分のデイではどう対応し受け容れるのかを検討するはずです。

でもそんなことは私の流儀ではないので、

知ったところで過去の繰り返しになる可能性が高いので、

知らないままでいたほうがよい場合もあります。


無事、お話がすんで、神谷さんは最後まで上機嫌でした。

そして、いよいよみちしるべの利用が始まりました。


送迎の朝、相談員と介護スタッフがお迎えに行きました。

神谷さんの着替えは終わっていたものの

ベッドの中で過ごされていました。


この場面に遭遇したら

(どうしよう?)と思いますが、

介護スタッフが唱歌などの歌をうたい、

相談員はご家族と神谷さんにお話をしながら

上手にベッドから起こして玄関に行きました。


(スタッフたちはとても歌がうまい!)


無事に送迎車に乗車したところで、

娘さんがポロポロとあふれる涙をおさえることができずに泣き出しました。



「なんだか情けなくなって・・・」



その言葉と涙の中に

これまでのご苦労が凝縮されていました。

娘さんたちの思いが詰まっていました。


相談員(つまり私の妻)は、


「私たちがいます! 

 だから大丈夫です!」



毅然と娘さんたちに言いました。


娘さんたちはその言葉をどのように受けとめてくれたでしょうか。

私たちには淀みなく、迷いなく、

言い切ることの力強さを必要とされます。


根拠のない自信でも

自信がなければ言い切れません。



さあ、無事に送迎車に乗ったからといって

まだ安心はできません。


はたして、神谷さんは

みちしるべの玄関の中に入ってくれるでしょうか?


送迎車はどんどんみちしるべに近づいていきます。

私は高鳴る心臓のドキドキをワクワクに変えながら、

その到着を待ちました。



つづく




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