団地の2階に住む野島さんはおひとり暮らし。
お迎えに行くといつもベッドの中でした。
昨夜は何時まで出かけていたのでしょう?
それに朝ごはんは食べたのでしょうか?
「おはようございます。お迎えにまいりました」
「う~ん、今日は行かないで寝ているわ」
「今日は書道の生徒さんが5~6人集まって来ます。野島先生が来られないと困ります」
「本当に5~6人も来るの?」
「本当です」
「どういう人たち?」
「この近所に住む方々です」
「そう、じゃあ仕方ないわね」
ということで野島さんは
ゆっくりと起き上がりました。
朝、娘さんから電話が入っているので、
一度は起きて着替えはすんでいます。
でもまた寝てしまうので
みちしるべに行くことを忘れてしまいます。
野島さんはデイサービスに行くという意識は
まったくありません。
みちしるべという寄合所に集まって来る人たちに
書道を教えにいくという感覚なのです。
だから私もスタッフも利用者さんたちも
その野島書道教室の生徒なのです。
ときにはスタッフのお子さん(小学生)が来て、
小さい子にも教えてくれます。
やさしく、真剣に教えてくださいます。
その姿は凛としたりっぱな先生です。
その詳しい様子はまたのちほどお伝えすることにして、
野島さんはお茶を入れたり、昼食準備、お掃除、洗濯干しといつも大活躍です。
さて、この送迎編で登場した方々、
これから登場する方々、
それぞれにたくさんの名場面が生まれました。
認知症ケア なんて大げさなものではありません。
人と人とのふれあいのドラマです。
では、次をお楽しみに。
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