クリスマスイブ・・皆様にとって、今日が平穏なよい一日でありますように。写真は、ivabalkによるPixabayからの画像 先週の記事の続きを書こうと思ったのですが。その前に、臨時の記事を。先週、当院セミナーで学んだことを備忘録としてここに残したいと思います。講師の先生方、本当にありがとうございました。沢山院内外の医療者がWebで参加して下さり、とてもよい学びでした。以下は、講演の順不同 . . . 本文を読む
2年位抗がん治療しながら、緩和ケア外来で症状の治療を行ってきた患者さん。最初は、抗がん治療は行いたくないと緩和ケア外来を受診された方でした。お母さまが肺癌だったそうで、もし、自分ががんになったら抗がん剤の治療は行わないと決めていたとお話くださいました。ただ、その患者さんのがんは、お母さまのがんとは異なる性質のものでした。膵癌でした。そのがんに効く抗がん剤。相当前になりますが、ちょうど私が国立がん( . . . 本文を読む
先週の社会モデルの続き・・今、がん研究に患者・市民が参画することを研究課題にしています。そのつながりで、行政会議に患者・市民が参画することを促進していくための会議にアドバイザリーボードとして参加しています。がん研究と行政会議前回の記事医学モデルと社会モデルで考えるとわかりやすいのです。がん研究は個体内の疾病を対象にします。つまり、医学モデルとしてマクロ、ミクロで探求していくわけです。一方、行政会議 . . . 本文を読む
昨日のFD(ファカルティデベロップメント:教員の質向上の勉強会のようなもの)で、リモートでダイバシティとインクルーシブに関するレクチャーを聴いていて、めちゃくちゃ面白くて、刺激をもらいました。面白いとは・・知らないことを学び、その前の自分より一歩踏み出したような感覚を得られた時にそう感じます。障害のとらえ方について「医学モデル」では、内なる障害(impairments:機能障害)として捉えています . . . 本文を読む
最近、医療連携の会でAYA世代の患者さんについて話し合う機会がありました。AYA世代とは15~39歳をさします。介護保険の対象外のため、社会支援が不十分になる可能性があり、私たちは特に情報交換など密にしていく患者さん方でもあります。私には、若い頃の忘れられない出来事があります。緩和ケア病棟に転院してきた、16歳の肉腫の患者さんでした。病棟の性質上、事前にご家族、がん治療医等から病気の深刻さや死の可 . . . 本文を読む
先週末は高野山。そして、1週間はバタバタ・・そんな中・・市民の皆さんに研究を知ってもらえるような面白い論文がないかなあと探していました。ん・・この研究者、どこかで見た名前・・偶々見たちょっと変わった論文でした。犬と猫、どっちが認知症予防によいか・・ええ。。どっち?!大学時代全学のダンス部で頑張る一方、レポートや過去問題欲しさに引き受けた医学部の準硬式野球部のマネージャー。その野球部の先輩の名前を、 . . . 本文を読む
会議の水曜日から土曜日16時まで、長い学会でした。途中、急遽のことで、大学まで往復した日もあり、とにかく忙しい日程でした。盛りだくさんの中、心に沁みこんだ言葉・・「感覚と感情を分ける」対話の中で人は往々にして、自分が期待していた回答が得られれば満足し、そうでない場合は、残念だし、怒りを覚えることもあるものです。しかしながら、怒りは人の感覚を鈍らせます。正しい情報を得る力をリテラシーと言います。一見 . . . 本文を読む
今週は日本癌治療学会学術集会が横浜でアジア腫瘍学会(AOS)の併設で始まります。海外からの参加者も少なくなく、久しぶりに活発な対面国際学会になりそうです。この国際学会の中でも、やはりがんとコロナの掛け合わせの演題が少なくなく、この3年間アジアの事情を学んできたいと思います。また、私が関係している委員会のセッションは社会とがん医療をつなぐセッションで、厚労省 . . . 本文を読む
何度も、何度も、頷き。本当にその通りだ・・と心に染み入った言葉がんを克服するとは、治癒することではない。死ぬまできちんと生きること。がんだけのことではないなあと思うのです。私自身、励まされた言葉です。(AKA23によるPixabayからの画像)疾病を抱えて治療を行っているときであっても、最終的な目標は、治癒ではなく、Well-being(心が満たされて生きている状況で、疾病や障害の有無で健康が決め . . . 本文を読む
これは、2008年の記事に、2014年頃、加筆したものに今回、加筆したものになります。ですから、以前いただいたコメントはそのまま残っています。今から25年以上前のことです。ある患者さんは放射線治療のため、都内の大学病院に入院されていました。緩和ケアの立場で治療中から私はサポートに入っていました。(今でこそ、早期からの緩和ケアと社会の中でも言われるようになりましたが、その当時から、私は、その大学病院 . . . 本文を読む
一人なんです。がんに薬が効かなくなるかどうかって、もういいって思えるけれど、これから先に、お金のこと、家のこと、どうやって生活するかってこと、心配で心配で不安なんです。ご高齢のがんの患者さんでこんな風におっしゃる方は少なくないものです。80歳を超える位の方で、何とかご自身のことはまだできているけれど、先が見通せなく漠然と不安が高まっているような方です。不安な訴え → 適応障害・うつ &r . . . 本文を読む
30年近く前に緩和ケア病棟に勤務していたころのこと。苦痛が和らぐと、透明になっていく患者さんがいらっしゃいました。それまで、長く、辛く、痛みと戦い続けてきたのでしょう。痛みが取れると急に、抜け落ちたようにもう、いいの・・と。痛みと戦い続けて、痛みが取れると、戦う相手がいなくなった・・空虚な時間になってしまった・・と説明してくれました。どれほど、戦ってきたのでしょう・・このころ・・苦痛を取りきること . . . 本文を読む
研究の一環として、よく医療者にはアンケート調査が届きます。匿名の調査であり、情報の取り扱い、倫理審査の承認を得ていること、返信をもって条件に同意したこととなることなどが最初につらつらと記載されています。次に、アンケートの質問がはじまります。その冒頭ではたいがい回答者の特性(背景)の質問が並びます。年齢または年代性別職種医療者の経験年数専門領域での経験年数などなど・・これらに続き、調査したい内容につ . . . 本文を読む
新型コロナ感染症が5類になる前は全数把握対象疾患でした。すべての医療機関が報告しなければいけなかったので、全数が把握できていました。5類になってからは定点把握対象疾患となりました。医療機関の中から可能な限り無作為(意図しないで、抜き打ち的)に選定されること、都道府県全体を反映できるようには考慮されること、こうした条件で選定された医療機関が協力して患者数を報告しています。新型コロナウイルス感染症 & . . . 本文を読む
昨日まで、緩和医療学会学術大会で神戸でした。初日は5000人が現地に参加し、全2日間の(現地とリモートの)参加者は7500名位だったようです。この学会の特徴は、参加者は熱心に学会に参加することです。他の学会では、参加もするけれど学会の外に抜け出したり、早めに帰ることも少なくありません。それはさぼっているわけではなく、ライブ(実施している時に、映像でも流すこ . . . 本文を読む