社会保険診療報酬支払い基金からのグッド・ニュースです!
カルバマゼピン(テグレトール)が
がん性疼痛に
保険適応拡大はされていませんが
保険適応がないという理由で
保険をきることはしない薬剤リストに
9月21日付けであがっています。
つまり、がん性疼痛にカルバマゼピンを使っても
原則、保険は切らないから
必要な方には、どうぞ、使っていいよということ。
カルバマゼピン(PDF)
おお~、って思いました。
がん性疼痛には、非ステロイド性抗炎症薬
オピオイド(医療用麻薬)に
鎮痛補助薬を組み合わせ
除痛を行っていきます。
この鎮痛補助薬
もともと、抗痙攣薬、抗うつ薬、抗不整脈薬
NMDA受容体ブロッカー(麻酔薬のケタミン)
など、鎮痛薬ではないのですが
神経障害性疼痛に効果があるということで
沢山の科学的論文が発表されています。
日本では、この中の薬剤は
どれ一つ「がん性疼痛」で
保険は適応されていません。
症状詳記を書き、保険がきられないように
日々努力しています。
このあたりが緩和ケアの普及の
阻害因子の一つであるという
確信があります。
ですから、このカルバマゼピンの
保険適応はないけれど
保険はきりませんよという
支払い基金の姿勢は
とてもありがたいです。
・・・・・・・
でもね。でもね。
カルバマゼピンなんて
ふる~い薬剤。
副作用が多く、もう遅れていますよ。
同じ抗痙攣薬でも
今は、ガバペンチンです。
海外では、鎮痛補助薬の
第一選択薬の一つです。
どーせ、実績が必要(=古い薬剤・・)
とかいうんでしょうが
新しい薬剤は、副作用が少ない等の
開発理由があるわけで
私は、カルバマゼピンはほとんど使いません。
肝臓の薬剤代謝酵素に
大きく関係するために
飲み合わせの調整もしなければならないし。
ありがたいんですけど
何かな~、ズレてる・・・
先生の啓蒙活動を尊敬しています。
精神科病院の薬剤師です。
質問なんですが、ガバペンチンを使用する際は、
やはりてんかんの病名をつけるのですか?
精神科ではムードスタビライザーとして
抗てんかん薬が繁用されていますが、
てんかんの病名をつけなければ保険で使用できず、
簡単につけてしまいます。
なんか、よろしくない気がする!
と思いながら、
本当にてんかんなのか、ムードスタビライザーとして
使用しているのか、確認する日々です。
適応外投与の取り扱いは、特に緩和ケアは避けて通れない所なので、事前に病院内での取り決めが各施設で行われていると思います。
医師の立場としては、患者さんに、薬の性質や投与する意味、リスク(副作用)とベネフィット、副作用が起こったときの対応方法、代替薬の有無等をご家族も含めてICをとること、症状詳記をきちんと書くこと、根拠となる科学的な論文などをすぐに出せるよう準備をしておくこと、この3点だと思っています。
基本的には、実病名で、症状詳記を書き続けると、今回のカルバマゼピンのように軟化姿勢をとってもらえるようになるのではないかと思っています。保険病名を付けるかどうかは、病院ごとの姿勢だと思います。
ガバペンの添付文書をみると
「用法」の項目で
「他の抗てんかん薬と併用して使用すること」とあります。
いつだったか、身近なかたからの情報で、
「ガバペンを使うときは、リボトリールとかと一緒に処方し、ガバペンだけ飲ませるんだよ」と教えてもらったことがあるのですが、
そういった手順をたどるものなのでしょうか。
基本原則は、その通りだと思います。