緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

在宅で注射薬→入院?!

2007年03月21日 | 医療

7年ほど前
在宅医療を非常勤で少し行っていました。

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嘔気が強い方へ、いざというときに
セレネースかノバミンを投与することができるか
そこの事務長さんに、尋ねたら
「そんなことは止めてください。
クリニックの持ち出しになります。
そんなことをする位なら
直ぐに入院させてください」
と言われてしまいました。

セレネース 1A は103円ですが
それでも持ち出しになるからと・・
サンドスタチンの一日量300μg、約12000円を
使いたいと言っているわけではないのです。

余談ですが、そのクリニックには
今も重症度が高い患者さんは
お願いしないようにしています。


最後が近くなると大半の方が飲めなくなります。
不必要な薬剤は、もともと内服していません。
必要な薬剤を中止せざる終えないわけですから
症状が出てしまう可能性が高くなります。

つまり、
必要な注射薬が投与できなくなり
症状が出現し
看取りまで在宅で
と、いうことができなくなるわけです。

厚生労働省はがんの在宅死亡率を
現在の5%から 40%に引き上げると
目標値を掲げました。

栄養関連の学会が
この薬剤投与を在宅患者に認めるように
働きかけ続けていますが中々変わりません。

明日に続きます。 
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コメント (3)    この記事についてブログを書く
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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
そうなのですか・・ (脳外科見習い)
2007-03-21 22:27:50
セレネースは外傷などの術後管理で使用経験があるのでとっつきやすいと思っていたのですが。
ますます自分の家の床で過ごせないですね。サイレースじゃなくてセレネースですよね。使えないのかなぁ・・・。
返信する
素人ですが・・・。 (ぴょん)
2007-03-22 08:19:04
素人ですが、素人なりに、解る様な気がします。
変に病院慣れ、してきています。私。
返信する
Unknown (aruga)
2007-03-22 22:13:34
脳外科見習いさん
サイレースではなく、セレネースで間違いはありません。実は使えないわけではありませんが・・在宅の事務の方からは嫌がられます。保険適応も、嘔気・嘔吐にはありませんし・・

ぴょんさん
オーストラリアのhanaさんは詳しいと思いますが、日本の緩和ケア病棟の入院日数は長いことで知られています。大体3日、長くて1週間でしょうか。もっとも、カナダなどの療養的なホスピスはこの限りではありませんが。
返信する

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