新しい職場で

新しい病院にうつると
それぞれの病院の個性にハッとさせられます。

素敵だなあと思うこと
あれれ・・・と思うこと
がんばってるなって思うこと

よしあしではなく
個性だなあと思います。




まだ、あまり患者さんとの接点はないのですが
それでも、何人かの先生が呼んでくださいます。

「痛み10点中2点ですか！
　いいじゃないですか～」
と言うと
「いいえ〝＝＝＝」
と患者さん。
ああ・・、辛いことわかってほしいという主張されてるんだ・・

お腹を拝見すると
便秘がち・・

「お腹すっきりさせると
　栄養も吸収がよくなりますからね。
　体も、しっかりしてきますよ。
　ハイ、今週の目標は、お通じね！」





こんな会話をしながら
ふと1年前のことを思い出していました。

食道がんの患者さんでした。
便秘のコントロールが、はじめとても大変でした。
でも、ご本人も、奥さまも本当に熱心に取り組んでくださり
最後まで口から食べることができた方でした。

奥様が言ってくださいました。
「外来に行くと、毎回小さな課題を出してくださって
　それができると、沢山褒めてくださって
　本当に、励みになりました」
と・・

その言葉に私は励まされていました。

無意識にそうしていたのですが、
それからは、どんなにがんが進行していても
小さな目標をちょっとずつ、
患者さんと乗り越えていくことを意識するようになりました。

1年前も、あの方にこんな言葉をかけさせていただいたなあ・・





目の前の患者さんのお顔が
ぱあっと明るくなりました。

やれることがあるんだ
まだ、がんばれるんだ・・
そんな表情でした。




新しい職場にいて、
いつものように空を見上げます。
見送った方々が沢山応援してくれているなあって。