緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

(1)痛い思い出

2011年08月28日 | 医療

10年以上前のある年の春、
緩和ケア病棟に勤務していたころ
乳がんの患者さんを受けもちました。



どんな症状に対して使ったか
あまりにも以前のことで
覚えていないのですが

入院してすぐに高カルシウム血症がわかったので、
それによる嘔気か軽度のせん妄ではなかったかなあと思います。
当時、ビスホスフォネートもなく、非定型抗精神病薬もまだ発売にいたっていませんでした。




ハロペリドールを1/2アンプル(2.5mg)
静注で投与しました。




投与して、まもなく
患者さんは落ち着かなくなりました。

いても、たってもいられないような

大きな声を出したいような気分のようでした。




えっ、

まさか・・


アカシジア・・?



繰り返し投与しているとアカシジアは出現しやすくなりますが、
そのときは、

初回・・・

しかも、半アンプル・・・



でも、病態は明らかにアカシジアでした。
(続きます)

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2 コメント

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Unknown (CE)
2008-08-18 01:06:43
緩和ケアが気になってよませていただきました。わたしは医師ではありませんがわたしにも緩和ケアで痛い思いをすることがあります。先生でも痛いと感じてくれるひとがいることが嬉しいです。わたしの周りには気持ちのない医療があふれています。
返信する
コメントありがとうございました。 (aruga)
2008-08-18 21:29:51
まだまだ勉強、一生勉強という未熟者です。
痛い思いを無駄にしないで次にいかすことが、一緒に分かち合ってくれた患者さんへの恩返しと思っています。
最後の一文に言葉にならない悲しみを感じます。
CEさんにとって、心地よい日々を送ることができますように。
返信する

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