緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

ランディ パウシュ教授の最後の授業

2013年01月27日 | 医療

47歳で膵がんで亡くなった
カーネギーメロン大学でコンピューターサイエンスを教えていた教授。
最後の授業が今もyou tube に掲載されています。


以前、次男から、知ってる?って聞かれて、
もちろん!!エヘン とばかりに
ブログの記事を出そうとしたら、

ない・・・・・・

2008年の記事を
どうやら、再掲しようと思って、
いったん保留にしていた記事のようでした。
それも2010年ごろ・・

時が経つのは早いものです。

改めて再掲したいと思います。


昨年、小さな”変だ・・”が、
後に大きな問題となったことがありました。
中々、ランディさんのようにはいきません・・

動画は1~9まであります。

(以下、再掲です)



7月27日(日)の朝日新聞は3箇所の切抜きをファイルしました。

・自分のがんを子供に伝える親を支援するマーサさんの記事。
・専門医資格に関する記事。
  そして・・
・47歳膵臓がんで亡くなったランディ パウシュさんの最後の授業の記事。




カーネギーメロン大学でコンピューターサイエンスの教授。

2年前、膵臓がんと診断。
予後3~6ヶ月と説明を受け、昨年9月18日に大学の講堂で行った特別授業。
人生から学んだことを、最後の授業として壇上に上がられました。
You Tube に その1時間を越える授業が日本語字幕付きのノーカットで見ることが出来ます。

「私の肝臓には、10個ほどの(転移した)がんがあります。
 後、3~6ヶ月。この現実は変えようがありません。
 ですから、現実の受け止め方を変えるのです。
 配られたカードで手を考えるしかありません。」

こうして始まった授業。

●自分の夢と実現できたこととできなかったこと
    壁があっても、そこからさらに学んだこと

例えば・・
卒業時にディズニーにCVを送ってけれど叶わなかった。しかし、後にアラジンのCGを通してディズニーと共同事業をなしていくこととなる。さらに大学内にセンターをつくり、アリス・プロジェクトを立ち上げ、夢は叶い、広がっていった。
フットボール選手になりたかったけれど、なれないという壁があった。こうした壁は、自分がどれほど望んでいるか試すチャンスを与えてくれた。

夢が、どんな道筋を通ったか、まだまだ続きます。

●他の人の夢を叶えるために手伝ったこと
    大学教授として、教育者でしたが、
    指導ではなく夢を叶える手伝いとして話されました。

●大学教授らしく、人生から学んだこと
   : how you can achieve your dreams or enable the dreams of others

幾つもの教訓を述べられました。

最後に特にこれは3人の息子達へ。
と締めくくります。
ご自身のサイト上には、
多くの方に価値を見出してもらえたら嬉しいとも加えられていました。





この You Tube を一気にみてしまいました。

これは、まさしく緩和医療学会の特別WSで学んだ
dignity therapyそのものでした。
自分の生きてきた軌跡を語り、
そこから、伝えたいことを述べ、
生き続ける人々にバトンを渡していきます。

与えられた手札の中において、
自分の人生を誇りに思い、
情熱と愛に満ちた日々を生き抜かれた様子が
大学のサイトやご自身のHPからも読み取れました。

この一連のことは、Hopeではなく、
Dreamとして語られていたことに、
心から安堵を覚えました。

そして、2008年7月25日亡くなったとの記事
ランディ パウシュさん自身のサイト






「最後の授業」のまとめの言葉・・・



 気づいたかな? 

 夢をいかにかなえるかが問題ではないんだ。

 いかに人生を進めていくかなんだ。

 正しい方向に進めば、運命が導いてくれる。

 そして夢の方から、あなたに向かってやってくる。


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10 コメント

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人生の総決算って?? (toyuko)
2008-07-28 21:36:34

自分の生きてきた軌跡を振り返り、生き続ける人にバトンを渡せるのってすばらしいことです。感動しました。

胸腺がんの、私と同じくらいの女性の患者さんがおられます。緩和ケアチームのメンバーと病棟のスタッフが、疼痛の分野だけではなく、ご家族のサポートなどにも心を配っています。しかしお母さんと娘さんの心の絆が乏しいのですよ。大学生と中3の娘さん、お母さんがだんだん状態が悪くなっていくことが受け入れられないのです。

「夏休みだろ??いくらテストがあっても受験でも、たとえ10分でもお母さんの手をさすってあげてよ」私は思うんです。

もし私が患者なら、泣いてすがって、「会いにきて。付き添って!!」と言いたいけど。ほんとに言えるかな?

自分が育ててきた思い入れのある、息子たち、娘たちですよ。ずっとそばにいてほしいですよね。いろんな思いを伝えたいですよね。

家族の形態っていろいろあるんでしょうね。ドライな子供たち、病気だから母親らしいことをしてあげていないと自分を責めるお母さん、
家族関係まで踏み込めないけれど、もう少し早く橋渡しをしてあげたかった。

今日、モルヒネ持続皮下注が入っていました。

愛に満ちた、家族との日々を思い返すことはできるのでしょうか?
薬剤師としては何の力にもなれなかったけれど、同じ母親として、いつも控えめな「母」としての気持ちを家族にぶつけていく手立てを引き出してあげることができなかったのだろうか・・・と思いました。

まだ時間はありますよね。明日足を運んでみます。
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toyukoさん (aruga)
2008-07-28 23:14:42
患者さんに尋ねてみたらどうでしょう。
「どんな娘さん、息子さん達でしたか?」
赤ちゃんの時は泣き虫だったのか、運動会の時はどんなお弁当を作ってあげたのか、中学校での思い出は?
何もしてあげられていなかったわけではないことに気がつくかもしれません。

もし、これから先、何もしてあげられないと仰ったら、5年後の娘さんや息子さんにどんな言葉をかけてあげたいですか?って聞いてみてはどうでしょう。

思いを話してくれたら、それを手紙にしてみませんかって言ってみてはどうでしょう。
こうして、過去を振り返り、未来の家族に残すことで、自分に気づき、心を太くしてくれます。

これが、私風にアレンジしたディグニティ・セラピー簡易版です。
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Unknown (atusato)
2008-07-29 04:09:38
先生の簡易版いいですね~ 私達は2年前からディグニティセラピーを取り入れてますが、できるかたにはとってもいいのですが、できるに至らない方がたくさんいます。やると言われても、いざやり始めるとできない方が多いです。文化の違いを感じます。ディグニティセラピーをしたらいいなと思った患者さんが結局選んだのは、Nsが用意したカードに一言、「いつもありがとう」 とかいたメッセージだったということもあります。夫から妻絵の言葉です。でも、先生の簡易版ならできる患者さんが多くなるのではないかしらと思います。
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すごいですね。 (aruga)
2008-07-29 20:38:55
atusatoさんのところでは、2年前から実践なさっていたのですね。素晴らしいですね。いざ、自分でカードを書くとなるメッセージとして感謝の言葉になるのですね。なるほどなあって思いながらコメント読ませていただきました。
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今年もよろしくお願い申しあげます (KAYAU)
2013-02-02 01:01:45
先生があまりブログをUPされないので、お辞めになるのかな…と心配していました。

素敵な記事の再掲をありがとうございます。

世の中があまりにも「絆」や「頑張る」ことを強調している昨今。語弊を恐れずに言うならば、すぐサボるダラダラする者としては、正直、辟易していました。

しかし、さりげなく人間の気持ちに寄り添う言葉は、気持ちよく入ってきました。

人生を深いところで全うされた方の言葉は凄い、と、改めて思いました。

先生、本当にありがとうございますm(__)m。
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Unknown (リョウ)
2013-02-03 23:03:04
先生こんばんは。
父もランディさんと同じ膵臓癌だったので記事を読み込み上げるものが、ありました。
余命わずかと知って残された時間を家族やみんなの為に…と思えたランディさんも父も凄いです。
私だったら無理かもしれません。。。



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KAYAUさん (aruga)
2013-02-03 23:04:37
お休みした週の週末は、連日で休日に仕事が入り、そのうえ、大雪でぐったりしてしまいました。そんなときにもブログを覗いてくださって本当にありがとうございます。

パウシュさんの言葉は、淡々とご自分の軌跡を話されるだけで、私達にこうした方が良いとか、こうすべき・・などということは何もおっしゃっていないのです。

そして、その言葉に、気持ちよく入ってきたと書いてくださったことに、また、その読み手をして心が温かになるのを感じました。

こちらこそ、ありがとうございました。
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リョウさん (aruga)
2013-02-03 23:47:44
コメントありがとうございます。
お父様は、一人では、ご自分らしい最期に辿り着くことはできなかったかもしれません。
凄いなと思うお父様に伴走されたのはリョウさんで、リョウさんがいらっしゃったからこそ、よい人生をまっとうされたということかもしれません。
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ラストレクチャー (みき)
2013-02-22 03:38:51
初めまして。

私は米国在住ですが何年か前に YouTube をみていた
く感動したのを覚えてます。本も買って読みました。

母が胃がんステージ4で闘病してますが抗がん剤が効かなくなってきたようで緩和ケアーの検討を始めました。いろいろ考えること、迷うことばかりです。これから先生のブログを読んで参考にさせて頂きたいと思います。
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みきさん (aruga)
2013-02-23 15:21:57
アメリカから、メッセージありがとうございます。
お母様胃がんでいらっしゃるのですね。
日米と、離れていらっしゃるのでしょうか。抗がん剤を投与されいても、緩和ケアチームやがん相談などが、サポートしてくれると思います。お尋ねくださるとよいのではないかと思います。
そのようなときに、ブログにお訪ねくださりありがとうございました。
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