まだ、やれることがあります。
そう、伝えました。
ステロイドなども併用しながら
大変繊細な調整をしていきました。
受け持って一週間たちました。
ある朝、病棟師長が回ってくれたとき
血圧が低下し始めていました。
ご家族に連絡しました。
到着されたとき
まだ、声をかければうなずくことも出来ていました。
亡くなる前のぜい鳴が出始めていました。
「痰で苦しくならないように点滴を止めましょうね。」
このようなとき
出すに出せない痰が喉の奥でゴロゴロするのですが
痰を引くための吸引をすることは
更に苦しさをましてしまいます。
新たな苦痛を増すこと避けるため
症状コントロールの一環としての
輸液量の調整は大変重要になります。
治療の中止や差し控えではなく
症状緩和のための選択です。
事前に、このようになったときの
点滴の調整の仕方について
患者さん、ご家族と話し合っていたものでした。
点滴を止め、幸い、ぜい鳴は消失していきました。
再び、苦痛は何もないような状況になりました。
静かなゆっくりとした最期の時が流れていました。
(つづきます)
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