緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

CV自己抜去(3)

2009年04月02日 | 医療

まだ、やれることがあります。

そう、伝えました。

ステロイドなども併用しながら
大変繊細な調整をしていきました。



受け持って一週間たちました。
ある朝、病棟師長が回ってくれたとき
血圧が低下し始めていました。



ご家族に連絡しました。
到着されたとき
まだ、声をかければうなずくことも出来ていました。
亡くなる前のぜい鳴が出始めていました。
「痰で苦しくならないように点滴を止めましょうね。」

このようなとき
出すに出せない痰が喉の奥でゴロゴロするのですが
痰を引くための吸引をすることは
更に苦しさをましてしまいます。
新たな苦痛を増すこと避けるため
症状コントロールの一環としての
輸液量の調整は大変重要になります。

治療の中止や差し控えではなく
症状緩和のための選択です。

事前に、このようになったときの
点滴の調整の仕方について
患者さん、ご家族と話し合っていたものでした。


点滴を止め、幸い、ぜい鳴は消失していきました。
再び、苦痛は何もないような状況になりました。

静かなゆっくりとした最期の時が流れていました。
(つづきます)

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2 コメント

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Unknown (ERIY)
2007-04-17 22:58:57
ご無沙汰しています(でもブログは拝見していました)。今私が受け持っている患者さん、その方は以前より「苦しいとかつらいのは嫌だから、お願いだから分からないように寝かせてほしい」とおっしゃっていました。現在PCAを使っていてモルヒネは持続、オクトレオチドも使っていますが吐き気はおさまらずコントミンを使って対応しています。そのためか今はほとんど傾眠状態ですが、時々目が覚めると痛みや嘔気嘔吐を訴えられます。こちらとしても考えられる対応は行なっているつもりですが、昨日はご本人から先生に「ありがとうございました」といわれたそうです。吐血も少しずつあります。残された時間も週単位から日単位になっていると考え、ご本人のからの希望、今の状況からすると鎮静をかけて眠らせてあげてもよいタイミングなのではないかと判断しました。
 鎮静のタイミング・鎮静後の対応など、先生が配慮されていることなどありましたら教えてください。
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そうそう。 (ぴょん)
2007-04-18 11:12:44
再び、そうそう・・・。と考えながら、拝読させていただきました。
「会わせたい方、いらっしゃったら、早くお呼びください。」と主治医から、お話があってから、1週間・・・。
格闘をしていた1年3ヶ月の最期の一週間を思い出します。
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