緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

NHK公開講座「早期からの緩和ケア」(2)

2008年02月11日 | 医療
フロアからの最後の方が
「治療後の症状が辛かったけれど
 看護師らが訴えを聞いてくれた。
 実は、それは緩和ケアを受けていたのだと気がついた・・」
そうお話くださいました。

今回の会は、早い時期から緩和ケアを取り入れることを
少しでも認知していただくことが目的でした。
緩和ケアは終末期医療ではありませんよ・・と。

この最後のフロアからの感想を聞いたとき
私達が伝えたかった以上のものが伝わっていると感じました。
緩和ケアの導入時期のことだけではなく
緩和ケアの質的なことまで伝わっていたのだと・・

緩和ケアは、緩和ケア病棟・ホスピスに限定されたものではありません。
緩和ケア医、認定看護師など、名前がついたものだけが行うものでもありません。
治療医や病棟・外来看護師が、基本的な緩和(身体的にも心理的にも)を行います。
それでも解決しない部分を緩和ケアチーム等が支援していきます。
チームが介入しても、解決できないことが沢山あります。
でも、耳を傾け、できることを模索していきます。

多くの方が緩和ケアを受けたと感じられるのは
症状が軽快した、ケアに満足感があったときだろうと思います。

症状が満足に取れなかった・・
でも、傍らのスタッフが、症状はどうですかと聞いてくれたことそのものを
緩和ケアとしての関わりだったと気づいてくださったことは
大変大きな意味がありました。
(つづきます)

コメント (4)    この記事についてブログを書く
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4 コメント

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うれしいです (atusato)
2008-02-11 21:23:58
その会話が、ちょっとした会話が、日々の生活を支えることが、緩和だと実感してくださってとってもうれしいです。
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本当に。 (aruga)
2008-02-11 21:53:23
緩和ケアに携わっている者にとって、心意気が届いた~って感じです。atusatoさんにうれしいと言ってもらえた事が、また、嬉しい!
返信する
そうですね (himawari)
2008-02-12 17:03:31
些細な事ですが、夫が初発の胃全亜摘出時手術の翌日、腸閉塞や癒着を防ぐ為に運動が必要だと説明され歩いて病室まで行くように言われ痛みで冷や汗をかきながら涙目で必死に歩いた時、一人の看護師さんが「辛いわよね・・先生も自分がそうなったら本当に歩けるんだろうか?どの位の痛みか想像ついて指示しているんだろうか?と、たまに疑問に思うときがあるのよね」とこっそり言ってくれました。その時不思議と気持ちが軽くなった事を15年たっても覚えています。
そう考えると医療スタッフの方だけでなく家族や友人としてもできる事もたくさんあるような気がしてきます!

それとプロメークの先生のお姿、是非拝見したいなぁ・・全国放送ではないのですか?

全く私事で申し訳ありませんが、二男の受験AOの結果が今日出まして、学部は違いますが長女と同じ大学に合格できました!
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himawariさん (aruga)
2008-02-12 22:53:20
看護師さん、ご主人が感じていたかもしれない痛みを感じようとしてくれたのですね。
仰るとおり、痛みを緩和しようとすることは、医療スタッフ以外にもできることが沢山あって、医療者以上に大きな役割なんです。

二男さんおめでとう!!ほっと一安心ですね!!!
TVは忘れてください・・
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