緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

もう余裕はない中で。緊張が解けたときに目撃したリスク・・

2020年12月20日 | 医療
(緩和ケア研修会で。
 会場はソーシャルディスタンスを保って設営しています。)

東京は日曜日としては最多の556人とか・・
生まれ故郷の岡山も、過去最多111人・・

でも・・先週書いた通り、
数以上に
質的に深刻な事態が、今なお進行しています。

先日、保健所の所長としている友人が
夜中の1時頃、身内に呟いたこと。

こんな夜中に・・
勘弁してほしいと言われても・・・
今から悪化しても入院できるところは探せない。

もう、その地域の病床は満床の様子です。


関西の急激にコロナ陽性患者さんが
増えている地域を管理している様子。
本当に、大変そう・・




がん診療拠点病院は、
緩和ケア研修会をすべての医師に対し
開催することが必須なのですが、
今年は、4月はキャンセルとなり、
先週土曜日になんとか開催しました。

都内は、この2か月で18施設が開催しているらしく、
その事務作業で厚労省も都も大変な様子。
コロナだけではなく、その周辺の事務的なことも
負荷になっているようです。
ありがとうございます。

その緩和ケア研修会。
健康管理統括者として、感染予防対策を徹底しました。
2週間前から接触者アプリを使用していることの確認、
症状や自己行動の記録を付けてもらうよう依頼し、
当日の朝は、健康チェックシートの提出を求めました。



会場内には、
アルコールワイプや手指擦式消毒の準備はもちろん、
一つの机と椅子は一人に固定し、
昼食は会話無し、
ペットボトル飲水でマスクを外すのも
人が居ない廊下に出て飲むこと、
会場は写真(冒頭)のように
椅子の間隔は2m以上として設営しました。



そんな中、目撃したリスク・・

会場内は、もちろん、しっかりルールを全員が守ってくれていました。
60分の講義が終わって、最初に休憩時間・・ 
やった~とばかり外の廊下に出て・・
お腹がすいたでしょう、
研修医君、パンをかじりながら数人とお喋り・・(!!)
ワオ! 
それ、だめよ。
もちろん、お喋りグループのマスクをした人には
1m程度距離を取ってもらい、
パンを食べていた研修生にはまずは、一人で食べた後、
マスクをして会話に入ることを促しました。
無意識だったようで、その周りもうっかりしていたようです。

パンを食べるのは、会食でも、飲水でもないですが、
マスクを外すことには変わりません。

感染リスクが高まる5つの場面
 懇親会
 飲食
 会話
 共同生活
 そして、居場所の切り替わり

この居場所の切り替わり・・
仕事中は守れているのに、
 タバコを吸いに行ったとき、
 給湯器の所にお茶を入れに行ったり、
 コピー取りに行ったとき、
 トイレに行ったとき、
 昼食後の歯磨き

こんな時に感染しやすいと言われており、
まさに、研修会の休憩時間にそれを目撃したのでした。

こうした、ふっと、緊張が解けた時、
実は、リスクを抱えているだろうと思います。

満床の病床を少しでも空床を作っていくためにも
社会の中で、押さえどころを守っていきたいものです。

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