毎日新聞社の記者が書いた「鉱毒に消えた谷中村ー田中正造と足尾鉱毒事件の100年ー」という本があります。谷中村は渡良瀬川流域にあった村で明治時代に足尾鉱山から出た鉱毒で川が汚染され甚大な鉱毒被害を受けたところです。田中正造は国会議員になってから足尾鉱毒事件の解決に力を入れ問題の原因である足尾鉱山の鉱業停止を訴えますが、国は渡良瀬川流域の治水事業に問題をすり替えて処理をします。田中正造は天皇直訴までして足尾鉱毒問題の解決を訴えます。田中正造は常に被害民の立場に立って最後は谷中村に移り住み闘いますが、治水事業によって谷中村は廃村になります。足尾鉱山は当時、国策の産業で古河市兵衛が起こした企業には政府に関係する人々の人事交流がありました。根本原因の足尾鉱山には目を向けず流域の治水事業で問題解決を図ろうとした明治政府のやり方は、その後の公害問題、薬害問題を見るとき重なる部分があるような気がします。歴史は繰り返されるのか・・・公害や薬害を繰り返させないためには、国民一人一人の公害・薬害への関心が大切です。
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