今年は3月11日の大震災は誰にとっても大変なことであったと思います。今もまだまだ復興に向けて途上の段階です。大災害が起きて一番被害に苦しむのは障害者や病気を抱える人々です。難病を抱える人々は被災地の病院が機能停止になり治療が大変だったと思います。
今年は薬害イレッサ訴訟の地裁判決、高裁判決とB型肝炎訴訟の和解もありました。私は前年の暮れから街頭宣伝活動などに参加して国会内での院内集会にも数多く参加しましたが、薬害イレッサ問題については上告中でまだまだ解決まで時間がかかりそうです。被害者の支援活動に関わる中で長い時間のかかる裁判を起こさなければ問題は解決しないのかとつくづく感じます。
また、世の中に訴えることも出来ない人もいます。薬害エイズ被害者の支援活動を16年関わってきてHIVエイズやHCV肝炎などの陽性者は病気に対する社会の理解不足から差別・偏見を受け苦しんでいる人もいます。今年もその一人一人とお会いしていろいろとお話をお聞きしました。裁判が終わっても新たにお話をお聞きします。裁判が終わって解決したのではなく、裁判が終わっても和解した事柄を実行していかなければなりません。そして何より裁判では病気は治らないのです。病気を抱えて難問を解決していかなければならないのです。
今年一年は、小さな小さな一人一人の存在を考えさせられた年でした。性的マイノリティなどもその一つです。社会問題を議論する前に、まずその人の存在を受け入れ分かち合うことから始めなければ問題の糸口は見つかりません。世の中の風潮は国会も含め、最初に議論ありきで大きなレールの上に乗っかって、そのレールに乗れない小さな人を弾き飛ばしているように感じています。
来年も一人一人の小さな生の声を大切に活動を続けたいと思います。