Haste not, Rest not

二度と返ってこない今の自分の気持ちを積み重ねる部屋。

最後だとわかっていたなら

2017-06-30 16:55:59 | 詩備忘録

『最後だとわかっていたなら』

Norma Cornett Marek (1940 - 2004) (訳:佐川 睦 )

あなたが眠りにつくのを見るのが
最後だとわかっていたら
わたしは もっとちゃんとカバーをかけて
神様にその魂を守ってくださるように祈っただろう

あなたがドアを出て行くのを見るのが
最後だとわかっていたら
わたしは あなたを抱きしめて キスをして
そしてまたもう一度呼び寄せて 抱きしめただろう

あなたが喜びに満ちた声をあげるのを聞くのが
最後だとわかっていたら
わたしは その一部始終をビデオにとって
毎日繰り返し見ただろう

あなたは言わなくても わかってくれていたかもしれないけれど
最後だとわかっていたなら
一言だけでもいい・・・「あなたを愛してる」と
わたしは 伝えただろう

たしかにいつも明日はやってくる
でももしそれがわたしの勘違いで
今日で全てが終わるのだとしたら、
わたしは 今日
どんなにあなたを愛しているか 伝えたい

そして わたしたちは 忘れないようにしたい

若い人にも 年老いた人にも
明日は誰にも約束されていないのだということを
愛する人を抱きしめられるのは
今日が最後になるかもしれないことを

明日が来るのを待っているなら
今日でもいいはず
もし明日が来ないとしたら
あなたは今日を後悔するだろうから

微笑みや 抱擁や キスをするための
ほんのちょっとの時間を どうして惜しんだのかと
忙しさを理由に
その人の最後の願いとなってしまったことを
どうして してあげられなかったのかと

だから 今日
あなたの大切な人たちを しっかりと抱きしめよう
そして その人を愛していること
いつでも いつまでも大切な存在だということを
そっと伝えよう

「ごめんね」や「許してね」や「ありがとう」や「気にしないで」を
伝える時を持とう
そうすれば もし明日が来ないとしても
あなたは今日を後悔しないだろうから

◆ノーマ・コーネット・マレックは、アメリカ・ケンタッキー州出身の詩人。
1989年に10歳で亡くなった息子サムエルに捧げた詩「最後だとわかっていたなら(Tomorrow Never Comes)」を発表。
9.11同時テロの後に、彼女の詩がアメリカでチェーンメールなどによって広まり、広く知られるようになる。2001年頃からはインターネットによる作品発表を続け、64歳(2004年)のときに末期がんにより永眠。



Tomorrow Never Comes

Norma Cornett Marek(1940 - 2004)

If I knew it would be the last time that I'd see you fall asleep,
I would tuck you in more tightly, and pray the Lord your soul to keep.
If I knew it would be the last time that I'd see you walk out the door,
I would give you a hug and kiss, and call you back for just one more.

If I knew it would be the last time I'd hear your voice lifted up in praise,
I would tape each word and action, and play them back throughout my days.
If I knew it would be the last time, I would spare an extra minute or two,
To stop and say “I love you,”instead of assuming you know I do.

So just in case tomorrow never comes, and today is all I get,
I'd like to say how much I love you, and I hope we never will forget.
Tomorrow is not promised to anyone, young or old alike,
And today may be the last chance you get to hold your loved one tight.

So if you're waiting for tomorrow, why not do it today?
For if tomorrow never comes, you'll surely regret the day
That you didn't take that extra time for a smile, a hug, or a kiss,
And you were too busy to grant someone, what turned out to be their one last wish.

So hold your loved ones close today and whisper in their ear
That you love them very much, and you'll always hold them dear.
Take time to say "I'm sorry,"... "Please forgive me,"... "thank you" or "it's okay".
And if tomorrow never comes, you'll have no regrets about today.

今日 / 詠み人知らず

2016-10-08 00:00:16 | 詩備忘録
『今日』 (伊藤比呂美訳)

今日、わたしはお皿を洗わなかった
ベッドはぐちゃぐちゃ
浸けといたおむつは
だんだんくさくなってきた
きのうこぼした食べかすが
床の上からわたしを見ている
窓ガラスはよごれすぎてアートみたい
雨が降るまでこのままだとおもう

人に見られたら
なんていわれるか
ひどいねえとか、だらしないとか
今日一日、何をしてたの?とか

わたしは、この子が眠るまで、おっぱいをやっていた
わたしは、この子が泣きやむまで、ずっとだっこしていた
わたしは、この子とかくれんぼした
わたしは、この子のためにおもちゃを鳴らした、それはきゅうっと鳴った
わたしは、ぶらんこをゆすり、歌をうたった
わたしは、この子に、していいこととわるいことを、教えた

ほんとにいったい一日何をしていたのかな

たいしたことはしなかったね、たぶん、それはほんと
でもこう考えれば、いいんじゃない?

今日一日、わたしは
澄んだ目をした、髪のふわふわな、この子のために
すごく大切なことをしていたんだって

そしてもし、そっちのほうがほんとなら、
わたしはちゃーんとやったわけだ

(以下原文)
Today

Today I left some dishes dirty.
The bed got made about two-thirty.
The nappies soaked a little longer.
The odour got a little stronger.
The crumbs I spilt the day before
Were staring at me from the floor.
The art streaks on those window panes
Will still be there next time it rains.
For shame,oh lazy one you say
And "just what did you do today?".

I nursed a baby while she slept.
I held a toddler while he wept.
I played a game of hide'n'seek.
I squeezed a toy so it would squeak,
I pushed a swing,I sang a song,
I taught a child what's right and wrong.

What did I do this whole day though?
Not much that shows,I guess it's true.
Unless you think that what I've done
Might be important to someone
With bright blue eyes-soft blond hair,
If that is true,I've done my share.

✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎

子育てサロンに貼ってあった詩。
ぐずる娘を抱っこしていたら目に留まり、
読んだその場で涙ぐんでしまった。

「最後のとき」

2016-09-17 10:06:17 | 詩備忘録


『最後のとき』
“あなたの赤ちゃんをその手に抱いた瞬間から、あなたはもうこれまでの自分ではなくなる。
元に戻りたいと思うかもしれない。自由だったあの頃に。特別心配事のなかったあの頃に。
今まで感じたことのない疲労感を知ることになるだろう。
同じことの繰り返しのようにただただ過ぎていく毎日…
ミルクを与えて、ゲップをさせて
オムツを替えて、また赤ちゃんが泣く
不満そして闘い
寝かせたり、寝足りないのかと考えたり…
まるで終わりなく永遠に続いていくものと思えてしまう。

でも忘れないで…
全てのことには終わりがあるということを。
子どもに食べさせてあげるのはこれで最後という日が来る
疲れてあなたの膝で眠る日があるでしょう。眠った子を抱きしめることの出来る最後の日が訪れる

ある日子どもを抱き上げ、降ろす。
そしてもう2度と同じように抱き上げる日は来ない
ある夜あなたはお風呂で子どもの頭を洗う
その日から子どもはもう1人でお風呂に入りたいと言い出すだろう
道を渡る時、あなたの手をにぎるだろう
でももう2度とその手に届かない日が来る


ある日の夜中、子どもたちが一緒に寝たいとあなたの布団に入ってくる
それがあなたの横で眠る最後の夜になる
ある日の午後、子どもたちと歌を歌って踊る
そしてもう2度とその歌を子どもたちに歌うことはなくなる
学校に送っていくと「行ってきます」とキスをしてくれる
次の日、もう1人で大丈夫だと言われる
寝る前に絵本を読んであげるのも、汚れた顔を拭いてあげるのにも最後のときがくる。
子どもたちが走ってあなたの腕に飛び込んでくるのも、必ず最後のときがくる。


その「最後のとき」がいつ来るのかはわからない。
そして例えその最後のときが訪れたとしても、あなたはそれに気付くまでにしばらく時間がかかるかもしれない。


だからもし、今あなたがこうした瞬間に生きているのなら
この時間はそんなに多くは残されていないことを覚えておいてほしい
そしてその最後のときを迎え、この貴重な時間が過ぎ去ってしまった後
またこれらの日々が愛おしく戻ってほしいと思うだろう
作者 不明”

✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎

前にネット上で見つけた詩。

これを読んで以降、
しんどいとき、自分に言い聞かせてる。

抱っこで寝かしつけるのはこれが最後かもしれない
歯を磨いてあげるのはこれが最後かもしれない
私を追いかけてやってくるのはこれが最後かもしれない
私の姿が見えなくて泣くのはこれが最後かもしれない
ご飯を食べさせてあげるのはこれが最後かもしれない
離乳食作るのもこれが最後かもしれない
……
……

まあ、大抵最後じゃないんだけど。(^_^;)
でも、いつかは最後が来るからね。
それに、人生はいつ何が起こるかわからないから。

逆にね、
じゃあこれが最後でいい?
って、自問してみると、
そうでもないのね。笑
それはそれで寂しいわけ。
ないものねだりよね〜。

ゴッチの日記 転載

2015-06-05 18:27:24 | 詩備忘録
いろいろ思う
(2015/03/07 23:04)

 誰かを腐すことって、とっても簡単。でも、自分が動いてみることって、とっても大変。

 音楽に政治的なメッセージが込められている必要なんてまったくない。どちらかというと、俺はそういう音楽は普段聴かないなぁ。笑。いやでも、そもそも政治的ってなんだろうって思う。いわゆる「政治的」な何からもっとも遠く離れようという試みも、それを意識している時点で政治的だ。そう考えれば、横目に入った時点でなんだって政治的で、つまり、スイッチが入るように政治的/非政治的だなんてラインは引きようもないことなんだと思う。

 お前の音楽はどうなんだって?

 俺の書く曲は全曲ラブソングだ。疑いようもない。意図があるとするならば、耳にしたひとに、ふと、立ち止まって欲しいということ。そういうフックを用意するのはとても好きだと思う。でも、こうしろ!なんていうメッセージを込めたことはない。誰かの背中を押すような気持ちを込めることはあるけれども。で、細部についてはここに書かない。書けもしない。MCで話せたりもしない。なぜなら、曲自体が雄弁だから。曲を聴いてもらえば、伝わると信じている。どんなに難しい言い回しを使おうとも、ちゃんと受け取ってくれるひとがいることを信じて、俺は書いている。そして、それを歌っている。

 3月7日。

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