鶴を折りながら。
こうなっていくことは、あの日にわかっていたはずだった。
だけど、その影響は思ったよりもずっと早く、様々なところで出始めている。
かけがえのない命が失われてゆく。
不本意に奪われていく。
ひそかに、でも確実に。
ニュースにもならないまま。
私は、自分の大切な人を守りたい。
でも、相手もモノじゃない。
一緒に住んでいる彼も、
山形に住んでいる母も、
千葉に住んでいる弟も、
福島に住んでいる弟も、
東北に住んでいる友人たちも。
それぞれに生活があり、生き方があり、価値観がある。
私に出来ることは、注意喚起だけだ。
その上で、当人たちがどんな選択をしていくのかに関しては、
私には見守ることしかできない。
長く生きられればいいってもんじゃない。
そんなことはわかっている。とうの昔から。
だけど、みな、人生の幕を閉じるには早すぎる。
一度きりの人生、まだまだこれから、
経験しなきゃもったいないことがたくさんあるように思うのです。
もちろん、すぐに死んじゃうって決まったわけじゃないし、
相応に生きられたら、それがいちばん。
けれど、残酷にも現実は悲惨な状況だから。
せめて、できる範囲のことはしてほしい。
自分の納得のいく人生を生きるために。
後悔しないために。
ナースさんの回復を祈って。
ご家族が、私たちが、
目を覚ますのを待ってます。ずっと。
だから、どうか。
どうか、祈りよ、届いて。