コンビニへ行くと、婆さんがプリペイドカードを使っての会計にもたついていた。俺もよく分からんので、それは仕方がないとのんびり会計を待っているとコンビニの店員のオバちゃんが俺にむちゃくちゃ謝ってくるのであった。そうなるとなんか、俺が怒っているようになってしまって嫌だなぁ、と思っていると、案の定、婆さんが軽くパニックのようになりはじめて、プリペイドカードをどこにしまったから分からん、みたいな感じになってアタフタし始めた。それを見て、コンビニ店員は増々俺に謝るのだった。俺はまったく急いでないし、怒ってもいないのに、どうしてこんなにも謝られているのか全く理解できなかった。「大丈夫ですよ」とにこやかに受け答えをしても、「申し訳ありません」と土下座でもしそうな声色で謝られてしまうのだ。うーむ。参った。
しばらくして、婆さんはなんとかプリペイドカードを発見して、会計を済ませた。こんな婆さんがプリペイドカードを自発的に使うなんてことはないだろうから、概ね、コンビニ店員が便利だとすすめたのであろう。なんか、大丈夫だよ!婆さん!!と声をかけたい気持ちだったけれども、言葉にならなかったので柔らかい顔をしておいた。
会計は俺の番になった。レジには婆さんがあんなにまでして買ったパンがおかれていた。店員さんはそれに気づいて、婆さんを追いかけて行った。レジにはポツネンと俺だけが残ったのであった。9月5日。
*****
ハプニングは時に人を選ぶ、と思う。