演芸見ブんログ

寄席・野球観戦等に行った備忘録を残しています

07/07/08 上野広小路亭定席~桂文月 真打披露興行~

2007-07-08 | 芸協定席見ブんログ
春風亭昇吉…『子ほめ』

桂ち太郎…『饅頭こわい』

柳家小蝠…『片棒』

古今亭錦之輔…『ドキドキ同窓会』

松旭斎小天華…「マジック」

桂米福…『長短』

桂右團治…『熊の皮』

鏡味正二郎…「太神楽」

桂伸治…『皿屋敷』

《お仲入り》

【真打昇進披露口上】
遊之介・右團治・快治改め文月・伸治

東京丸・京平…「漫才」

三遊亭遊之介…『蝦蟇の油』

桂歌春…『青菜』

檜山うめ吉…「木更津甚句~春はうれしや~都々逸~三階節~粋なカラス/潮来出島(踊り)」

桂文月…『蒟蒻問答』


先月、広小路亭で7月の番組表を見た時、今年の真打3人がそれぞれ個別に披露目を行う事を知りましたが、たまたま日曜の今日が文月師匠の会。
今週も早朝寄席をパスして広小路亭に向かいました。
開演時には客席も8割方埋まり、披露興行は上々のスタートです

開口一番は先週と同じく昇吉さん。いいですねぇ!
何がいいって、先週も書きましたが声がデカイ
得てして紋切り型の多い前座さんの中にあって、既に言葉では表せない雰囲気を持っています。
学歴の話題が先行していると思いきや、やはり昇太師匠のお弟子さんだけに将来が楽しみな昇吉さんです

歳は下でも芸歴では先輩のち太郎さんも負けてはいられません。
饅頭を食べる仕草など、これからの成長を期待できる高座でした。

最近「あくび指南」ばかり聴いていた小蝠さんですが、今日は「片棒」の次男まで。
次男が考える弔いの中でも、お囃子の場面は普段笛を吹いている小蝠さんらしい一面を見ることができました。

来年の真打昇進が決定した錦之輔さん。マクラの最中に客席のオバちゃんが喋ってしまい、イライラした表情も見られましたが、錦之輔さんらしい創作で場内の笑いを誘発していました。

小天華先生は客席が近いこともあってか、種明かしが2つもありました。
通常の定席では無言マジックの先生ですが、この日は満員の客を前に饒舌でした。
喋る小天華先生も魅力ですね!

『長短』という噺は「あくび指南」と並んでイライラする内容で私はあまり好きではないのですが、米福師匠は顔と声を巧みに使い厭きることがありませんでした。

右團治師匠は男仕立ての高座ですが、おかみさんなどはやはり女性らしさを醸し出しています。それだけに亭主の情けなさが際立つわけで、女房と亭主の対比が楽しめる一席でした。

正二郎さんは本当に安心して見ていられます。隣にいた若い女性は感嘆の声と拍手が止みませんでした。

2階の楽屋は冷房が効いてないらしく、伸治師匠は高座に着くなり小休止。
それでも弟子の披露目が満員になって本当に嬉しそうです。
陰陽のマクラから「皿屋敷」に入りましたが、この時点で私の期待は噺の内容よりも“うすドロ”
実際にお菊の出る場面の“うすドロ”では、前に座っていたオバちゃんたちの体が一斉にビクッと動きました
伸治師匠も満足気で超陽気に演じ、超陽気な客席を沸かせました。

口上前のアナウンスでは、
『文月改め・・・快治改め桂文月・・・』
おいおい、小蝠さん…
口上は遊之介師匠が進行役で文月師匠を伸治師匠と右團治師匠が固めます。
ボクサーを目指していた文月師匠にちなんで、『パンチの効いた噺家に…』とか『落語界のチャンピオンを目指して…』という言葉がありました。

京丸・京平先生、最近は末広亭などで不発の場合が多い()のですが、今日はかなり爆笑でした!!

遊之介師匠は見世物小屋から蝦蟇。
名調子の口上の後、酔った香具師が子供を追い払うのですが、刀試しの場面では
「16枚が・・・何枚だっけな・・・」
すかさず客席のお子さんが、
『32枚!』
「そう、32枚!ありがと!」
追っ払ったハズの子供に助けられ、場内大爆笑でした

「さわぎ」に乗って歌春師匠が登場!
シルバーシート、映画館、薬屋のマクラに続いて、「太田蜀山人」という言葉が・・・
『青菜だ』
思わず座椅子の上に正座をしてしまいました。
全編に於いて笑いが絶えることのない噺で、歌春師匠の「青菜」を聴けただけでも来た甲斐がありました

うめ吉さんは初夏らしくあやめ柄の着物。その着物に合わせるように木更津甚句に春はうれしや。さらに踊りは潮来出島で彩りを添えました。

昨日まで国立の披露目が4日連続だった文月師匠。
『4日続いたので今日は軽い気持ちで来たら、満員なんで驚きました!』
文月師匠が主任の披露目は新宿・浅草・池袋・日本橋に続いて5回目。国立以外は見たことになり“準パーフェクト”???
新宿…「化け物使い」、浅草…「壷算」、池袋…「ねずみ」、日本橋…「死神」をトリで拝見し、それ以外に新宿では「ん廻し」「転失気」という演目でしたが、東京での披露目の最後は『蒟蒻問答』。
登場人物4人の演じ分けが上手く、最後の問答場面は場内も大きな笑いに包まれていました

5月5日の末広亭から始まった私の披露興行鑑賞も今日で大団円。
これからは真打の香盤としては一番下の3名ですが、ここからの道筋はご本人の努力次第です。
毎月定席に名前を連ねる真打になるのか?それとも2~3か月に1回の寄席出演になるのか?
『大看板』への道は、今日からスタートです


ガンバレ!文月師匠柳太郎師匠夢花師匠