演芸見ブんログ

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07/07/29 講談武者修行 SEASON 3

2007-07-29 | 講談協会
神田すず…『孝行娘おてい 般若の面』

田辺一凜…『南総里見八犬伝 信乃と額蔵』

神田春陽…『左甚五郎 蟹』

一龍斎貞橘…『一心太助一代記 太助の結婚』

《お仲入り》

神田春陽…『清水次郎長外伝 荒神山・吉良の仁吉(完)』


今日は先週同様、末広亭に1日いる予定でしたが、25日の『八王子若手演芸会』で拝見した田辺一凜さんが勉強会に出演とあって、急遽予定変更!
雷鳴轟く雨の中、初めて足を踏み入れる《本牧亭》の前では、前座の神田すずさんが木戸番でした。
瀟洒な小料理屋という趣き・・・実際小料理屋さんなんですが、こじんまりしていて良い感じです。

午後3時ちょうどに開演。開口一番はすずさん。
漁師の娘に生まれたおていが、家庭の窮地を救うべく奉公(子守番)に出るのですが、奉公先の主人がお茶目な善人で、そのお茶目さが裏目に出ておていが東奔西走する物語。
すずさんは、まだまだ読み方にぎこちなさはあるものの、勧善懲悪を地で行くような内容に心がほのぼのとしました。

お待ちかねの一凜さん。今日は八犬伝から犬塚信乃戌孝と犬川荘助義任が初めて出会う場面。
作者は曲亭馬琴ですが、この「馬琴」という名前をどうしても呼び捨てにできず、「曲亭馬琴さん」と言って笑いを誘っていました。
私が子供の頃、坂本九さんが案内役の『新八犬伝』が大ブームになりましたが、登場人物の名前が懐かしく久しぶりに「八犬伝」を読んでみたくなりました。
ところで一凜さんの講釈姿、いいです!
私はどちらかというと女流講談の“女”を出すのが苦手で、そのために神田きらりさん、神田ひまわりさん、神田阿久鯉さんといった方々の講釈を評価してしまうのですが、一凜さんも筋がビシっと通った口調で好感が持てます。
今後のさらなる活躍に期待します!!

一凜さんが終わったところで中座し末広亭に行こうかとも思いましたが、せっかくなのでその後も見てから新宿に向かうことにしました。

続いて登場は神田春陽さん。今日は2席務めるそうでその1席目。
福々しい容姿に落語家のような喋り方。内容は左甚五郎と来れば、面白くないハズがない。
餅を盗もうとして餅屋に捕まった子供を助け、甚五郎ならではの英知で店も大繁盛という楽しい一席でした。

続いて一龍斎貞橘さん。こちらは役者さんのような優男で若い女性に人気が出そうな風貌です。
大久保彦左衛門に仕えていた一心太助が、家宝の皿を割って打ち首になるところだった女中の身代わりになり、果てはその女中と結婚するまでの内容です。
太助の威勢の良さと気風の良さがよく表れていて、こちらも楽しく聴かせていただきました。

お仲入り後に春陽さんの2席目がトリ。
先程とはうって変わって、清水の次郎長の中から「吉良の仁吉」や「神戸の長吉」が登場する侠客物。
大政や小政、森の石松などと共に次郎長一家には無くてはならない存在の物語を、じっくりと聴き入ってしまいました。

終演後は雷雨も上がり、心地良い空の下で一凜さんにご挨拶
生粋の近鉄ファンである一凜さんと“猛牛の想い出話”はできませんでしたが、リンク(ブックマーク)をお願いしたところ快諾して下さいました
一凜さん、ありがとうございます

講談師 田辺一凜のホームページ
コメント
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