「暑さ寒さも彼岸まで」今日は彼岸の入りだ。
京都は各寺院で彼岸会の催し物が行われる。お盆以来の重要行事である。彼岸とは、言うまでもなく、向こう側(彼岸)の事で、現世もしくは俗世間(此岸)に対して、「涅槃」のことである。この七日間は、涅槃に至る為、つまり悟を得るために必要な6つの徳(六波羅密)の、修業に当てる。そして彼岸の中日は、先祖を供養するという事である。
ちょうど真西に太陽が沈むこの頃が一番「彼岸」(涅槃)までの距離が近いとされる。まさに「悲願」でもある。
付き物は、ぼた餅、おはぎである。どちらも同じもので、秋は萩の時期なので、おはぎ。春は、牡丹の時期なので?ぼた餅。
そんな事だ。
筆者は、「おかみそり」(出家)を済ましているので、仏教徒である。しかし悟りとは程遠い日々を送っている。この時期だけでも、門徒らしく振る舞う事にする。
知恩院では、今日から27日まで「彼岸会」とし先祖の回向を受けている。
知恩院はご存知、法然上人が開いた「浄土宗」の総本山である。政争・内部闘争に明け暮れ、貴族のみの宗教と化した比叡山延暦寺で修行した法然は、南無阿弥陀仏を唱える事のみを教え、迫害されつつ仏教を庶民の宗教に発展させた。その教えは、弟子親鸞に受け継がれ「他力本願」の本願に至った。いわば日本仏教界の革命児であった。
その教えの根本は、父からの教えだ。
「恨みをはらすのに恨みをもってするならば、人の世に恨みのなくなるときはない。恨みを超えた広い心を持って、すべての人が救われる仏の道を求めよ」
父が敵の夜襲により殺害された時の遺言である。
トランプ大統領や金委員長に教えたいものだ。