14番 即成院
東山区泉涌寺山内町28
正式名 光明山 即成院
別称
宗派 古義真言宗
本尊 阿弥陀如来
開基 橘俊綱
戒光寺のすぐ西隣の、即成院を訪れて泉涌寺を最後にしたい。
現世極楽・来世極楽の両方を即日実現していただけるお寺である。阿弥陀様が25の菩薩を従えてあの世にお連れ下さる。まだまだ死にたくない人は、今日ではなく後日にすべきだ。
即成院は平安初期に恵心僧都の源信が創建したとも言われるが、平安中期の歌人橘俊綱が創立者である。当初、「臥見堂」と記録にあり「迎接之体」が安置されていたと伝わる。その迎接之体こそが、阿弥陀如来が諸菩薩を連れて亡者を西方極楽に導く仏像群の事である。そのうち10体は創建当時のものでその他15体も含め重要文化財だ。
注目は、その仏さまたちが一年に一回、本堂から出てきて「お練り行列」をしてくれるのだ。25菩薩お練供養法要と言う当寺最重要行事である。(10月第3日曜辺りに開催)このように仏像のかぶり物をして動く仏が庶民の前に姿を現す趣向は全国各地で行われているようだ。京都府舞鶴市の松尾寺では「仏の舞」と言う重要無形文化財に指定されている行事が有名だ。こちらは阿弥陀如来・大日如来・釈迦如来の3大如来が勢ぞろいする。
なお、当寺は平家物語の英雄那須与一の墓がある。海上遠くの平家が掲げる扇の的に見事矢を打ち抜いた武将である。現在は、的を射る事から「恋の的を射る」恋愛成就のお守りが配られる。
京都の寺院のお守りや絵馬はなんでも有りの時代なのだ。
次は、東福寺の塔頭をいくつか訪ねる。