アチャコちゃんの京都日誌

あちゃこが巡る京都の古刹巡礼

566 アチャコの京都日誌 新シリーズ京都100寺巡礼 ㉒ 石峰寺

2019-03-11 08:34:32 | 日記

22番 石峰寺

 

伏見区深草石峰寺山町26

山号  百丈山

宗派  黄檗宗

創建  千呆性侒

本尊  釈迦如来(創建時は薬師如来)

 黄檗宗 百丈山 石峰寺

 

海宝寺のある墨染駅から二駅京都方面に戻り、深草駅から東に数分坂を上ると唐風の山門にたどり着く。こちらも黄檗宗のお寺である。言うまでもなく、隠元隆埼が宇治の黄檗で創建した「禅宗」の一派である。仏教とはそもそもインド・中国渡来の宗教だが、黄檗宗は特に中国風が強い。本山萬福寺の住職は代々中国僧が勤めている。歴史が浅い事もあり黄檗宗寺院は少ない。因みに永平寺の曹洞宗寺院も少なく、京都の禅宗寺院のほとんどは建仁寺を総帥とする「臨済宗」である。石像寺は狭い境内に鬱蒼と木々が茂る。見どころは、若冲の墓と「五百羅漢の石像」だ。昨年夏の訪問時の体験をもとに書く。受付などないが無断で入るのも憚れるので、たまたま眼があった女性に300円の拝観料を払う。パンフレットと「地元信用金庫のうちわ」を渡される。うちわはやぶ蚊が多いので追い払う為の必需品らしい。その理由は数秒後に鮮烈に分かる。訪れる人の少ない寺の裏山にはここぞとばかり待ち受ける「やぶ蚊の集団」が襲うのだ。お陰で、慌ててしまい若冲の墓地を見逃す。御本尊は釈迦如来立像。昭和の放火焼失以前は薬師如来だった。元は五条大橋辺りに祀られていたものを開基千呆(せんがい)が、この深草の地に移したと言う。

さて、うちわを振りながら境内裏手の小山を登り、若冲晩年の10年をかけて1000体以上を作成したと言う五百羅漢を見に行く。羅漢さんは仏ではなく修行中の聖人だ。表情豊かな石仏は一つも同じ表情はなく見ていて飽きない。撮影禁止になっているのは、平成24年に写真家グループが勝手に石像に帽子をかぶせたりロウソクを灯したりした為の処置らしい。それ以前には、地蔵菩薩を破壊する輩が出るなどいつの時代にも無茶な奴らはいるものだ。なお、信行寺にある有名な若冲花卉天井画はこちらで画かれたものである。また、見逃した若冲の墓石は、親切にも寺の女性がわざわざ案内してくれた。晩年の若冲は、ここで絵画一枚を米一斗に代えて生活していたという。帰りに改めて礼を言うに行くと、蚊に刺された無残な私の足(こんな日に限って半ズボン)を見て、キンカンの大型瓶を差し出してくれた。人情と薬が身に染みた。

なお、若冲の伊藤家の菩提寺「宝蔵寺」は、中京区の繁華街新京極の寺町にある。いずれ紹介する事にする。

次は、宝塔寺へ

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