安井金毘羅 櫛祭
さて、明日月曜日は櫛祭である。安井の金毘羅さんの境内に、久志塚(櫛塚)が建立されたのが昭和36年なので祭の歴史も50年余りで京都ではかなり浅い。京都には、針供養・箸供養・だるま供養・筆供養など、日常品への感謝を表す行事も多い。
しかし曜日を限定する祭は珍しい。主催の京都美容組合文化部の都合だ。説明するまでもなく、月曜日は散髪屋、パーマ屋さんのお休みだからだ。櫛(くし)、なので9月4日だった。運営の都合上9月第四週月曜日が定例となった。安井金比羅神社で行われるが、見所は時代行列である。古墳時代から現代まで主に女性の髪型を紹介する時代行列である。時代祭でも平安から維新までなのに、ここは日本史全部を網羅する行列だ。東大路から祇園新橋辺りから祇園会館まで練り歩く。殿(しんがり)は、舞芸子の「現代の日本髪」が勤める。何れも鬘ではなく地毛らしい。
安井金毘羅神社は言うまでもなく崇徳天皇をお祭りしている神社だ。菅原道真と並ぶ本邦最大の怨霊である崇徳院は、今でも強烈な霊力を持っているとされる。近くの崇徳天皇陵は祇園花街の隣接地にあるが、今でも人通りは少なく心なしかうす暗く、携帯の電波も滞りがちである。