エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

タチアオイ

2014年06月04日 | ポエム
タチアオイ・・・。
場所にもよるのだろうが、花として少なくなっている。
そうした印象を、ぼくは持っている。



舗道と車道の狭間で咲いたりする。
生命力の強い花である。
咲く場所が都合悪かったりする。
あるいはまた、虫の付きやすいことだったりする。



そうした理由が、少なくなっている理由かもしれない。
けれど、とても奇麗な花である。
花序にそって、徐々に咲き続けるのも良い。







「明日からは雨かもしれぬタチアオイ」







夕刻、花弁をすかす夕陽の光や色合いが心和ませる。
とりわけ、黄昏のあでやかさは優れていると思うのだ。
あたかも、血管が透けるように花弁がうすうすとしているのも好もしい。
しかし、幹に付いている部位は厚く逞しい。



その生命への執着こそが自然の生業なのだ・・・そう思う。

タチアオイは今が見頃。
散歩の折には探すのも一興。



その色変化に蠱惑される事、請け合いである。



       荒 野人