エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

秋の抒情

2009年09月12日 | 日記
秋は人を抒情的にさせる。
ぼくもその例外ではない。

食欲よりも芸術の秋が好ましいではないか。

   秋深しとなりは芋を食う人ぞ

こんな感じかな!

さて、ぼくはこんな佇(たたず)まいが好きである。



この葉影から漏れてくる光は、すっかり秋である。
茅屋の裏にある山の斜面だ。

一方東京ではアブチロンが花弁をぶら下げて咲いている。



鮮やかな花弁であり、その葉脈様の筋はまるで血管である。
艶めかしい花である。

裳裾(もすそ)・・・である。天平時代のスカート様の着衣の事だ。
年代の古い方は・・・提灯ブルマーを連想するかもしれない。
・・・年代が古いのは、実はぼくだったりして。

秋という季節は、人を幻術家に変身させてくれる。
巧みに季節の気配を悟らせてくれるのである。

ひとはその気配を察知すれば良い。
それで、芸術家になれてしまうのである。



ちょっとした色の変化。
それが清々しければ良いのである。


ぼくはそれだけで詩が生まれる。



          秋の抒情


     色が紡がれていくと
     秋が深まり
     少しだけ肌寒い季節の帳(とばり)の中で
     ぼくは少しだけあなたを抱くことができる

     色を紡ぐという生業がもしあるとするなら
     ぼくは躊躇うことなく
     その生業に憧れることだろう

     秋はしっとりとした気配を横溢させる
     あなたのなめらかな肌が
     色づくように
     ぼくは愛することができる

     秋の深まりは
     抒情を深めるきせつでもあるのだ

     色を紡ぐのは
     ニンフの仕業
     ぼくの心象風景は飛天で満たされる

     その中枢に
     あなたがいなければならないのだ
     あなたはニンフであり
     心象風景を舞う飛天であるのだ







この花でティアラを作ってあなたを飾ってみたいのだ。


今日から、遠出をいたします。
従って、火曜日まで更新ができないと存じます。
よろしくお願い申し上げます。





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                        荒野人



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