エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

映画を見ました・・・桜田門外の変

2010年10月30日 | 日記
「桜田門外の変」を見ました。
映画としては比較的長い作品です。

大沢たかお主演です。
その他、助演の見事な演技に魅了されました。



安政7年3月3日の出来事である。



大沢たかおは井伊直弼の襲撃実行部隊の指揮を執る「関 鉄之助」を演じる。
同士が次々と傷つくけれど、井伊の首を取る瞬間を確認後、現場を離れる。
それからの人生の苦悩を見事に演じきった。

大老・井伊直弼に伊武雅刀。
水戸藩主・徳川斉昭に北大路欣也。

井伊の武骨。
斉昭の時代に揺れる心根。

どちらも見事に演じたのである。



ぼくは、この桜田門を季節ごとに訪ねる。
石垣、お堀の水、松、白砂・・・それらの全てが揃っているのである。

ここから歩いて日比谷公園に向かうのが常である。

映画としては少しばかり冗長に過ぎたのかもしれないけれど、時代考証は出来ているのではないかと思った。
大名の登城時の共揃えの員数を井伊の武骨に重ね合わせた時代交渉は見事である。

初めて知ったのであるけれど、登城時には小走りで進むのであるらしい。
籠の担ぎ手は大変であったろうと実感できたのである。

当日は季節外れの大雪で視界は悪く、護衛の供侍たちは雨合羽を羽織り、刀の柄に袋をかけていたので、襲撃側には有利な状況だった。
江戸幕府が開かれて以来、江戸市中で大名駕籠を襲うなどという発想そのものがなく、彦根藩側の油断を誘ったのである。
襲撃者たちは『武鑑』を手にして大名駕籠見物を装い、直弼の駕籠を待っていたという。

最後は、護る者のいなくなった駕籠に次々に刀が突き立てられた。
さらに有村次左衛門が荒々しく扉を開け放ち、虫の息となっていた直弼の髷を掴んで駕籠から引きずり出した。
直弼は無意識に地面を這おうとしたが、有村が発した薬丸自顕流の「猿叫」(「キエーッ」という気合い)とともに、振り下ろされた薩摩刀によって胴体から切断された首は、あたかも鞠のように雪の上を飛んだという。
襲撃開始から直弼殺害まで、わずか数分の出来事だったという。

こうした無謀な襲撃によって時代の歯車は確かに一回りした。
若き志士たちの爆発に爽やかな自己犠牲を見る事が出来た映画である。

若者の潔(いさぎよ)さにぼくは落涙した。
18名の志士に哀悼の誠を捧げたい。




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                     荒野人


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