東京オリンピックを舞台にして行われた汚職事件。
高橋元理事が逮捕されて、その行方を注目していましたが・・どうも幕引きされそうです。
この事件が表に出た時期が、旧統一教会の問題と重なり、世のマスコミの報道が少なく、難しい事件だけに途中で切り上げてしまうのではと・・・悪い予感がしていました。
私は統一教会の問題より、こちらの五輪汚職の問題を世間に広く知らせ、国民が検察を後押しする形が出来れば・・・と願っていましたが、、、。
組織委員会の元理事・高橋浩之は元々電通の高い地位まで上り詰めた人。
大きなイベントは何度も経験し、その知識や仕事に必要な人たちとの繋がりも広く、オリンピックの理事としては適任者と言えば、、、最適任者でした。
しかし、電通時代とは立場が逆で、組織委員会では民間業者に仕事を与える方です。
長年にわたり仕事を貰う方で苦労し、それを成し遂げた人間だけに、仕事を貰う方の気持ちは手に取るように理解できる人でも有ります。
賄賂を受け取る方法は3通り。
1、直接自分が受け取る。
2、電通時代の後輩の会社(深見元社長)を通して受け取る。
3、大学の後輩の会社(松井元代表)を通して受け取る。
②と③は同じようなもので、①の相手はかなり社会的な地位も高く、相手からはバレないと思った人。
①の相手はAOKIホールディングスの青木前会長とADKホールディングスの植野前社長
②と③の相手はKADOKAWA角川元会長と大広の谷口執行役員とサン・アの関口元社長
いずれも大きな会社の人達ばかりで、社会的立場も高い人達で、一般の警察・検察ではなかなか手を出しにくい相手でもあり、東京地検の特捜が扱ったのは理解できます。
しかし、、、この人たちだけで捜査は終了して良いのでしょうか・・・
任意で森元首相などから事情聴取はしていると言われていますが、大物と言われる政治家だけでなく、皇族に縁のある竹田・日本オリンピック元会長・元東京オリンピック組織委員会副会長なども、キッチリと調べたのでしようか。
それなりに調べて何もなかったのなら、それで良いのですが、、、どうも弱い感じがぬぐえません。
マスコミの様に噂を元に色々と露骨に調べ廻る事は出来ない検察ですから、短い期間で相手の深い部分までは到達する事は出来ないでしょう。
もし、、、統一教会の問題が無ければ、、、
マスコミはこの「五輪汚職一色」になっていたはず。
そうすれば、全く予想もしない所がのリークなどもあり、今回とは違った結果が出て来ていたかもしれません。
能力の高い民間人が、一時的に公的な立場になり仕事をする場合はこれからも有ります。
その「能力の高い民間人」と言うのは、あくまでも民間企業である自分の勤める会社に大きな利益をもたらした人です。
そして、その手段として正攻法も有ればグレーな方法も使ってきた人たちです。
「やり手」が道を外せば、この五輪汚職の様なことが簡単に発生してしまいます。
この高橋元理事が作ったとされる単純な汚職の構造を見ても解る様に、形は違うが誰もが利益を上げているのだから、この事を自分から表に出すことは無いと思っていると見えます。
自分も民間時代にはそうしてやってきたのだから・・・。