しげる牧師のブログ

聖書のことばから、エッセイを書いています。
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朝の露 <実を結ぶ者に>

2025-01-10 | テトス書
「私たちの仲間も、実を結ばない者にならないように、差し迫った必要に備えて、良いわざに励むように教えられなければなりません。」(テトス3:14新改訳)

パウロはギリシアの東岸にある町、ニコポリスからテトスに手紙を送り、冬が来る前に自分の所に来るよう望んだ。たぶん同じ頃書かれたⅡテモテでは、外套(がいとう)を持って来てくれるよう頼んでいる(Ⅱテモテ4:13)。使徒はすでに晩年に入り、健康上からも冬の移動は無理だったのだろう。▼伝道生涯も終りに近づいた使徒は、まもなくローマの官憲(かんけん)に逮捕され、そこで入牢、裁判の結果、死刑を宣告され、殉教(じゅんきょう)していくことになる。しかし幸いなことにアポロや律法学者ゼナス(テトス3:13)など、パウロの宣教チームに協力して働きを進める人々が起こされていることがわかる。▼異邦人への福音は、今やローマ帝国内に燎原(りょうげん)の火のように広がって行きつつあった。その勢いはたとえパウロがいなくなっても止まらない。彼はそれを見てどんなに嬉しかったことか。晩年を迎え、愛するイエスのもとに召されようとしている使徒パウロだが、その働きの実は豊かに結ばれつつあった。しかもそれから二千年後、福音は極東アジアの島国・日本まで届いた。その結果結ばれた実が私たち日本のキリスト教会である。▼やがて子羊イエスを中心に、天の大祝会がもたれるとき、私たちもパウロや初代の信仰者たちと共に、天地宇宙が張り裂けんばかりに喜びの声を上げるにちがいない。