「王は、そばに立っていた近衛兵たちに言った。『近寄って、主の祭司たちを殺せ。彼らはダビデにくみし、ダビデが逃げているのを知りながら、それを私の耳に入れなかったからだ。』しかし王の家来たちは、主の祭司たちに手を下して討ちかかろうとはしなかった。」(Ⅰサムエル22:17新改訳)
サウルはダビデを憎むあまり、正常な判断力を失い、次第に狂った命令を下すようになった。主に仕える祭司を殺すなどということは、イスラエルでは決してありえず、その証拠に、近衛兵たちはたとえ王命でも動こうとしなかった。
▼そこで王はエドム人ドエグに祭司たちをみな殺せと命じた。なんと恐ろしいことであろうか。ドエグ(臆病者との意味)は祭司たち八五人を殺し、その町に住む人々を大人から乳飲み子まですべて殺し、家畜にいたるまで剣にかけた。▼イスラエルの兄弟民族でありながら、エドム人は神への敬虔さがなく、逆らい続けたが、不思議なものである。幼子イエスを殺そうとしたヘロデ大王もエドム人、使徒ヤコブを殺し、続いてペテロも殺そうとしたヘロデ王もエドム人であった。