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相棒CBR1000RR (SC59)でのツーリングや色々
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4社目の面接に行ってきた。

2018年10月31日 | 繊維業界の転職
4社目の面接に行ってきた。
率直な感想としては、とても良い会社だなと思った。過去面接受けたアパレルのメーカー側としてはトップクラスに印象が良い会社だった。
人材会社にも言われたが、3社目で印象悪かった昨日の会社との差が半端無い、、笑。

海外に自社工場を持ちながら、国内生産の比率も高い、ものづくりに真摯なOEMメーカーだ。
真摯というか、クレバーである。市場の変化に合わせて新規開拓も惜しまず、メーカー発信の施策も並行している。凄いなと思ったのが、SC向けから百貨店向けまで、あらゆる製品を手掛けている。テイストも価格帯もアイテムもバラバラ。
話を聞いていて、この会社は商社より強いな。。と思った。

生産背景にも絶対的な自信が感じられる。
これは面接前に期待していたことだったけど、期待以上だった。
海外自社工場、国内自社工場、各協力工場をフル活用しながら小ロットにも対応して客先ブランドからの信頼が厚いのだと思う。
信頼が無いと自信は生まれない。

面接官は40代、、?社長と生産管理の50代の方。
社長はかなりフランクな感じの方だった。通常イメージされるようなODMの過酷さは微塵も感じなかった。凄い。。あのような話し方が出来るのは、非常に頭の回転が早いからだと思われる。時折アパレル業界で見かける神がかって機転が利く人、という印象。
もう一名の生産管理の方は、ファッションアパレルの生産管理責任者らしい、温和で話好きな印象の方。

面接内容は、キャリアを追って気になった点を質問してもらう会話形式。とても話しやすかった。
時に共感しながら、お互い質問しながら、有意義な時間だった。
ポジション、業務内容、客先は完全に理解出来た。メーカー側の面接でこんなに理解出来たのは、やはり商社絡みの前職有りきだと感じた。2年前はこれほど理解出来なかった。

僕が持ってる?中国の生産背景も話した。
前職の製品以外に、どんな製品を作っていたか、説明。面接会社の自社工場に近い為、社名も出した。都合が合いそうなら商談出来るかなと。

生産管理が仕様書を書いて仕入れ先に投げる。
床に転がってた生地に貼られた仕様書をチラ見したけど、、若い子向けの会社にかなり近い仕様書だった。驚くほどに。ここに来てまさかのillustrator必須、、笑。
丁度若い子向けの仕様書をファイリングして持っていったのが良かった。ガチっとマッチングした感じだった。イラレは十分ですねと言ってもらえた。
持参した若い子向けの展示会カタログも一から作れますとアピールしてみた。

仕様書は手作業でもやってるらしいが、イラレで作る縫製指示書の価値を分かっておられる感じだった。なかなか珍しい気がした。イラレで書いた縫製仕様図は使い回しが効くので資産になるのである。
これは若い子向けで仕様書書いてた時と同じ考え方だった。

仕様書をやる理由は、客先から仕様書などは出ないからだ。ODMらしく、参考写真や口頭で依頼を受ける。社内デザイナーが捕捉してデザイン化、生産管理が仕様書を書く。絵型も生産管理が描けるのは少し意外だった。一般的なアパレル、メーカーだと、デザイナーが絵型・仕様書を書く。

もう一つ意外だったのは、製品サイズも生産管理が上手く設定されていること。
これは通常パタンナーの仕事であるが、過去の実績からサイズを抜いて設定する。
今度僕と同じ人材会社からパタンナーを採用予定らしい。難しいものはパタンナーがやるらしい。今までは、基本的に仕入れ先の工場か外注だったと思われる。
この辺りも得意だ。通常と違う、、?って前述したことは、若い子向けのやり方と同じである。
写りの悪い雑誌の切り抜きを渡されて、カーディガンなのかロンTeeなのか分からないような状態で、形からサイズ、仕様まで僕が決めていた。

さらに意外だったのは、グラフィックデザイナーが在籍していること。メーカーにはなかなかいないよね。ブランド側にいるか、外注が多い。
多分ODMで一から描き起こすと思われる。
若い子向けで、工場に出す実寸データを編集していたと言ったら驚かれた。
社内でグラフィッカーと連携出来ると思った。

求人理由も包み隠さず話してくれた。
来月退職者がいること、新規が増えていて業務量が増えたこと。
社長(営業)付きの生産管理ポジションである。
若干不安は有るが、何故だろう働く姿が想像出来る。やっぱり若い子向けの働き方に近い。
若い子向けでも、デザイナーであり営業の先輩と組んでODMから自社製品までやっていた。

最後に社内を案内してくれた。
これは大きい。前職の会社の採用受けたのも50%くらいは社内を案内してもらったことが理由だった。
そんなに広くは無いけど、若い子向けにいた時と近い感じ。物が多い。。笑。しかしこれが本来のアパレルメーカーらしい姿だと感じる。
営業、生産管理で15名くらいいただろうか。僕が前職で叶わなかった年の近そうな方もいた。
こちらが軽く挨拶すると、こんにちわ〜と挨拶してくれた。とても感じが良い。
業界の人間は沢山見てきたけど、感じが良く見えた。

今日の面接で思ったけど、面接中に笑顔が出るかどうか、これは自分の中でかなりの判断材料になっている。面接官だけでなく、自分も笑ったかどうか。これは実際に働いた時の様子が伺えるからである。
笑いが無い原因は、過度な負担があるからかなと思ってしまう。人間的に余裕があるかどうかという見方もある。面接1社目は笑顔が有った。2社目は無かった。3社目は1人無かった。4社目は有った。
3社目は昨日の記事に書いた通り、、笑。
2社目は管理職の面接官も現場で過度な残業が発生しているからだと見受けた。かなりお疲れだった。

今回の企業は面接前のイメージとかなり違った。
アパレルで社長面接するような小さな会社というと、必ずと言っていいほど社長が精神的に権力が有るというか、圧迫感が有る。2年前に面接受けたメーカーも、やや踏ん反り返った感じだったし、極端に言えば社員は社長に怯えているみたいな雰囲気も有った。僕がいた若い子向けの会社も、絵に描いたようなワンマンで管理職が付き人みたいな感じだった。
今回の会社も少なからずそんなイメージが有ったけど、全然違った。
社長が言っていたように自由を感じた。

社長の人柄が想像以上にフランクで話しやすい感じだった。小さな会社は社長を見ればどんな会社か分かると、昨日の記事に書いたけど、まさにそんな感じだった。

今回の会社の面接は1回だけ、採用か不採用の連絡が来る。
もう1社、最終面接の結果待ちが有る。
この2社は、面白いことに業界の立ち位置が真逆である、、笑。簡単に言えば、ブランド側なのか、メーカー側なのか。まさに2極のどちらにするのか?って感じ。。なんか採用前提に話してるけど、、笑。
しかし明日、採用・不採用通知が来てもおかしくない状況なので、来たら早めにジャッジしないといけない。考えておく必要が有る。
アパレル業界人として、究極の選択である。
今まではずっとブランド側だった。前職でメーカー側もかじって、今回の就活もブランド側を優先してきた。

しかしながら今回のメーカーは人材会社のお勧めだ。前職もそのお勧めに進んだ結果、良い会社だった。
メーカーで応募したのは今回の会社1社だけである。他は国内大手商社を筆頭に全て辞退した。それくらいメーカーは避けたのだけど、、今回の会社はやや風向きが異なる。悩む。

メーカーだと、今回以上の会社とは出会えないような気がする。自社工場持っているメーカーなんて、他にも2社くらいは見かけたけど、なかなか無い。協力工場でリスクまみれになって作ってるとこがほとんどである。そのリスクの重さは前職で嫌というほど経験した。
海外100%か国内100%ってとこも多い。
今回の会社は6:4くらいだという。売り上げでは国内が勝っているとも。こんな比率も珍しい。なかなか無いんじゃないかと思う。僕の担当予定では無いが、僕が好きな国内生産ブランドも作っている。

ブランド側1社の懸念は、売り上げである。
店舗数も多いが、SPAアパレルの競合他社と比較したら1/3なのである。かなり厳しいのではないかと見ている。
売り場の館内で他社と比較しても、かなり低い。セレクト小売各社と比較しても3倍から7倍くらい
違う。
最終面接で、売り上げが低いことに関して悲観も混じるような話し方をされたことが響いている。話では、今市場で強いセレクト小売を比較されていた。
しかしながら、社風が良い。ファッションアパレル本来の丁寧なモノづくりをしている点は魅力である。

今回の会社の年商は若い子向けのアパレル最盛期くらいだと思われる。社員数から見て悪くない。
中小企業かと言えば、零細にはなるが、お金の心配は感じない。社長が現場に出ていること、新しい施策にチャレンジする姿勢を見ると、懸念は感じなかった。

キャリアアップで考えると、通常は明らかにメーカー側なのだが、どちらもどちら也にキャリアアップがある為、比較すると差が無い。。

ちょっと考えようと思う。
2社のうちどちらかにシフト出来るかも想像するが、悪くない。











3社目の面接に行ってきた件。

2018年10月29日 | 繊維業界の転職
3社目の面接に行ってきた。
うーん、なんというか、会社の印象があまりよくなかった。

ブランド事業部と生産課の管理職が1人ずつ面接官官だった。事業部の方はお洒落なイケてる感じの40代くらいの方。生産課の方は、ファッションアパレルとは言い難い、というかアパレルらしくない感じの50代くらいの方。
割と形式張った質問内容である。
先に受けた2社と違い、会話タイプじゃないので、かなり話しにくかった。
自己紹介、志望動機、転職理由、キャリアプランなどなど、、
生産課の方がつまらなそうに聞いてた。相打ちも無し、話が派生することも無し。
ポーカーフェイスで視線が合わない。
最後、これ店頭で買ったけどいいすね!みたいなこと言ってみたけど終始笑顔は出なかった。
この人とはあまり仕事したくないなと感じた。

事業部の方は興味から出た質問、会話っぽい話をしてくれた。この人なら一緒に働きたいなと感じたが、多分プロデューサー的な方なので、僕の実務に近いのはもう1人の方かなと。
なんかなぁ、、事業部の方が生産課の方に、ねぇ、どうすか?みたいなサイン送っても、反応悪い感じだったし、何なんだ一体。。笑。

親会社の傘下であることは、まだ慣れてない雰囲気だ。トップダウンであれこれ決められて無いぽいが、なんか親会社を良く思ってない感じが出てた。親会社から社長が出向で来ているらしく、色々と言われてるように感じた。
その話の時かなり負のオーラが出ていた。溜め息出てたし、さらに不機嫌に見えた。

決済関係で協力はしてもらってるが、特に仕入れ先について指定されたりは無いらしい。
完全な直接貿易は無いと言われてたので、輸入代行、LC代行はしてもらってる感じなのかな。。
生産課の人があんまり話さないので、いまいちどうやって作ってるか見えない。

企画生産募集で、生産寄りな僕の応募には、そんなに悪く思ってなさそうだった。えっ、デザインしてなかったの?みたいな話は無かった。
むしろ生産管理としては、十分だと。
多分、若い子向け同様に業務範囲が広い。一応担当は決めるけど、それだけにならない、臨機応変に、みたいな話が有った。
事業部の方から一押しが欲しいと言われた。
多分、今後の事、ブランドが好きかどうかマッチングなんかを見ていた。

若い子向けの仕様書、カタログ、前職の管理書類、カタログ見てもらったけど、、
事業部の方は少し会話が弾んだ。
生産課の方は無言。なんか言ってくれ。。
御社のメイン商材かじってるんだし、突っ込んでくれよ。。
2社目の面接の時は、製品写真だけでかなり色々反応してくれて、実務になぞった質問を返してくれた。

ネットで大量に見かける別注は担当者がいるかと聞いたら、生産課の面接官がやってるらしい。手に負えないから求人を出している、の一言。いや、それ俺が採用されたらやることになるんじゃないのって、、
客先とは誰が会って、どんなことが難しいとか、話してくれてもいいんじゃないだろうか。
それが聞きたいから質問してるのに。

まだ質問したかったが、時間も正確に終わらせたいようで終了。
短い。30分である。ちなみに他社は少なくても50分である。大体1時間か、ややオーバーが多い。
店を見に行ってどうだったか、ブランドをどう思うか。準備したのに話す機会が無かった。
いや形式張ってんだから、それ聞いてよ、、笑。
店見に行ってあれこれ考えた意味無し。

ブランド自体がライセンスで、実際ライセンスホルダーからかなり制限が有るっぽかった。自由には出来ないと。
だからあの品揃え、テイストなのかと、ちょっと納得してしまった。
前職はライセンスホルダーが、パリコレ出てるメゾンだ。今回の企業とかなりの違いがあると感じた。要するに、本国がダサいのに、ライセンシーのデザイン監修を厳しくしている。それでライセンシーがカッコ良くブランド発信出来るわけが無い。
カッコいいコーディネートで、別注アウターを依頼している客先ブランドを指して、なんであんな風にやらないんですか?くらいのこと言おうかと思ってたけど、皆まで言うな、、本国が、、みたいな感じ。。

面接が短いのは、一次面接に付随するTAPテストのせいなんかな。。SPIよりちょっと簡単な?数学、国語、性格判定テスト。
こっちは1時間みっちり使った。
アパレルの中途採用で筆記試験をやるとこはほとんど無い。商社ですら稀。
しかし多分、親会社の総合商社にやるように言われていると思われる。

国語
指定の熟語の関係性から、同じ組み合わせを選ぶ。
例文から正しい解釈など選ぶ。

数学
勘定。
三角形、体積、角度、立方体の図形系。
グラフからの質問。

数学かな、、?
円卓に5人座る条件提示から、質問。
新幹線の3列席に9名座る条件提示から、質問。
5人から選抜、条件指定、質問。

、、ちょっと!
みちことよしことのりことはるお!
好きなように座れ!まじで!
この問題は、練習してないと難しい。。笑。
途中難しいやつはスルーした。

事前にちょっとネットで調べたので、初見では無いんだけど、数学はなかなか難しかった笑。
一般常識レベルなのかな。。SPIよりは確実に難易度は低い。

TAP自体は大学卒業レベルらしく、三角関数やら連立方程式、、あれ、連立方程式って中学生?
証明問題など有るそうだが、そこまでは難しくなかった。

ちなみに事前にネット見た時、連立方程式は出来なかった笑。

面接時間が短いことがネックだった。
話した内容が少なくて、あまりポジションの想像が出来ない。働く姿が想像出来なかった。

というか、生産課の面接官、一緒に働きたいと思えなかった。
前職の面接官で出てきた後の上司とえらい違いだ。前職の上司は、こんなもの作ってるんだとか見せてくれたり、社内案内までしてくれた。

生産管理の管理職って、2年前の就活も含めいろんな人を見てきたけど、言い方悪いけど、面白いくらいにキャラクターが一貫している。
穏やかで話好きな人が多い。
これはファッションアパレルでも実用衣料でも関係無かった。
なので、今回の面接官を見る限り、全く異質に感じてしまった。

あと、短い面接だからか、粗探しのような質問の仕方がいまいち感じ良くなかった。
事業部長の方は、キャリアを理解しながら質問されていたので、その限りではないが、生産課の方は機械的な質問である。。感情が読み取れない、話しづらい。

1社目の面接ともかなり違った。
1社目の面接は、本当に話しやすかった。深く突っ込んだところまで話せたと思う。

ブランド好きです!みたいな話は全くしなかったので、多分落ちると思う。
通ったとしても、辞退しようと思う。
面接後に人材会社に、面接内容や今後の意向について、フィードバックの電話をする。
生産課の面接官と働くのは難しいと、やんわりした言い回しで、はっきり言った。

今回の面接ではっきりしたことは、やはり中途半端な企業調べ、気持ちで応募するのはダメだ。
店頭見て、製品がカッコ良くないとか、何かしら不穏な空気、ライセンスホルダー、または親会社の圧を感じていた。
求人票ではっきりしないなら製品見る。これは応募前にやるべきだ。

もう一つは、職種も半端にずらさない方がいいこと。前職と比べたら企画生産なんてブレブレである。2年前、ファッションアパレル相手に全く武器にならなかった若い子向けの企画生産キャリアを全面押しはキツイ。
生産管理キャリアは武器になるが、デザインがやりたいわけでは無かった。企業側としてはデザインに強かろうが、生産管理に強かろうがあまりはっきりしてなかったが、正直ミスマッチに近い。

今回の募集はマネジメント候補とも書いてあった。おそらく、生産課の面接官の下で、企画人員のマネジメントと思われるが、、それもはっきりしなかったな。。てかそんな僕より若いような20代が多い組織に見えないけど笑。

旗艦ブランドの方は、店で聞いたら20代のデザイナーがいるって聞いたけど、今回のブランドは平均年齢39である。

どの会社も、何が穴だから求人しているって、言ってくれたけどなぁ。先の面接2社は、今何が大変で、どんなポジションが必要なのか、分かりやすく話してくれた。

これ以上書いても愚痴になるので止めようと思う。。笑。
明日も面接である。
応募から速攻で決まった4社目の面接。小さめの会社なので、いきなり社長面接である。。笑。
それには色々思うこともあるが、社長を見たら会社の雰囲気が確実に分かる。社長に聞けば業務内容が完全に分かる。そういったメリットがある。
あとオフィスが狭いと、現場の様子や社員が見れる。
帰りに国立競技場の様子も見てこようと思う。
















アパレル業界のメーカー側を検討してみる。

2018年10月29日 | 繊維業界の転職
アパレルの商社、メーカーを大まかに書くと、下記のようになる。

総合商社(繊維事業部)
繊維専門商社
OEMメーカー(年商100億以上)
OEMメーカー(年商100億以下)

やはり会社規模としては総合商社が大きい。
繊維、紡績関連から創業して、繊維を専門にしながら多角化した商社、鉄鋼関係などから派生した繊維事業部が続く商社など様々である。
特徴としては多角経営によるグローバル化のメリットやインフラ背景への投資により、スケールメリットを生かした生産が可能である。

普通のOEMメーカーになると、100億以上の規模が有れば、商社から分社したメーカーなどが有る。商社の1事業部のようなもので、大手客先との繋がりが深い。小規模な繊維専門商社も存在する。
ばっくりだけども100億以下だと、会社も小さい。社員数10名前後とか、社長含め5名以下なんてとこもある。
OEMメーカーは繊維商社や総合商社出身の創業者が多い。商社出身者はブランド側に行かない。基本的に4大卒で営業、生産管理畑だからだ。古巣で知り得た仕入先、客先をスライドしてメーカーを作る。

OEMであれば、超少数、それこそ社長1人でも出来る。極端に言えば、原料面の背景を抑えれば、客先の出す仕様書・パターンを仕入先にスルーすればいい。
しかし企画デザイン、さらには生産MDまで外注されるODMをやるためには、生産、ものづくりに詳しい営業や、デザイナーが必要になる。規模に応じて、生産管理を兼ねる社長や、営業のアシスト役として生産管理も募集する。

営業・デザイナー・生産管理、基本はこの3種で客先ODMを行う。パタンナーは社内で客先を横断していると思われる。
対アパレル
営業→生産管理・デザイナー
デザイナー→デザイナー
生産管理→生産管理

対小売
営業→バイヤー・MD
デザイナー→バイヤー
生産管理→品管

右が客先である。大まかに、こんな感じでやり取りをしている。
メーカー仕入の通常のアパレルブランド、生産部隊を持つSPA小売の場合は、生産部隊が相手なので話がしやすい。ロットや物性、企画の実現性について、生産背景への一定の理解があるからだ。
ブランド側から仕様書やパターンまでちゃん出る場合もある。
OEMとODMの区分けが曖昧である。
形はメーカー側の製品見本参考だけど、パターン支給しますね、みたいな。

小売の場合、生産部隊がいないブランドは、バイヤーや企画、ディレクター、プロデューサーみたいな人間とのやり取りになる。完全にODMだ。
ブランド側は、絵型すら作らない。
生産背景への理解は皆無である。ありえないロットや仕様構成、下代希望が飛び出る。
極端なことを言えば、そこら辺の割とセレブな主婦が、街中で適当に入った服屋であれこれと自分の主観のみで要望を出し続けるような感覚である。
または、とあるミュージシャンがライブ会場でこんな服売りてー!てなって、これ作って、みたいな。後でボケボケの参考写真がラインで送られてくる。ライブ2週間後だからよろしく、みたいな。

参考になる製品見本や、メーカーが作った絵型、企画書を元に、口頭で内容が決まる。企画書やサンプルは、バイヤーの手により社内プレゼンにかけられ、それに通った場合は量産発注が出る。

基本的にOEMは少なくなったと感じる。
なぜか。生産部隊、デザイナー、パタンナー、生産管理がいるアパレルブランドであれば、海外メーカーへ直接発注した方が安上がりになるのが1つ。もう1つは、人員削減で人は減って、生産部隊1人当たりの担当数が増えた。全ての型数を毎回仕様書からパターンまでやるのは効率が悪い。手に負えない場合もある。そんな時、アイテム名と素材指定で企画からメーカーに提案させた方が早い。
メーカー生産部隊の求人を見てると、ほぼ9割くらいはODMと書いてある。メーカーは生産能力と同じか、それ以上に企画能力を売りにしている。それが需要なんだろう。だから、メーカーだからといってスーツなんて着てると相手にされない。若い子向けの時も、スーツ着たメーカーとは上手くいった試しがない。前職でも、メーカーは必ず私服だった。原料メーカーも含めて。

ODMの知人から聞いた話では、某量販のバイヤーが普段から海外コレクションを見たり、社内研修があって非常に詳しいと言っていたことがある。デザイン提案するのが大変だったと聞いた。知らないことも話に出る他、コレクションから量販の安価な洋服に結び付けるのが難しいと。。
バイヤーはそんな感じなのかと参考になった。しかし低価格品なのち海外コレクションブランドを参考にするのはよく分からない笑。

今度面接を受ける会社もODMだ。企画能力、生産背景に強みのある中小企業である。客先は小売系ブランドだ。効率化にも力が入っているようで、話を色々聞いてみたい。
ニットやプリント系に強いそうで、これも気になる。ニットは興味が有るが、あまり経験が無い。
ニットというのは生地を裁断して、各パーツをミシン糸で縫製する布帛やカットソーと全然違う。
原料は糸だ。ある程度形になったパーツの編み目を揃えてリンキングミシンで接合、形にする。

布帛、カットソーなら生地を1巻、1反50m前後で用意するが、ニットは糸をkg単位で用意する。
編み目の数-ゲージや編み目のサイズ-度目、仕上げの縮絨、風合いによって使用料がかなり変わる。実績が無いと、見積りが難しい。
糸のロットが複雑で、よく分からない。紡績からカウントしないと概念を理解出来ないらしく、ニットメーカーのサイトなど見て勉強中である。
kg単位で用尺を出す工程は、工場で出すと思われる。
ニットは非常に伸びる。また、成型パーツは基本的に直線で構成される。一般のブランド付きパタンナーはニット特性を完全に含めたパターンを作れない。参考パターン、または細かいサイズ指示で製品サンプルを繰り返し、量産に繋げる。

布帛なら、生地幅とパターンの型入れ-マーキングからパタンナーが1着あたりの用尺を出せる。量産で生地がいくら必要なのかはっきりと出る。
生地生産ロットは大体2000-3000mくらい。
国内生地屋から在庫を買うなら1反30-50mから買える。
パタンナーは縫い代付きのパターンを作れる。工場はパターン通りに裁断して縫製すれば良い。たまに生地の厚みで寸法が足りなくなる場合など、工場のパタンナーが手を加える。

糸も生地もいかにロットを潰すかが、メーカーの腕の見せ所である。2社5型のアイテムで潰したり、在庫して追加発注に備える必要もあるかもしれない。または廃棄した方が、損失が少ない場合もある。そういった完成品、売り物になっていない原料、仕掛品の管理も重要である。
小売は製品枚数のみ、ブランド側は、一歩入り込んである程度の量産ロットまで、やり取りをするが、最後のツケはメーカーが処理をしなければならない。

今度面接を受けるのでメーカー側も検討している次第である。



アパレルの貿易関連業務をかじった経験について。

2018年10月28日 | 繊維業界の転職
アパレル業界では基本的に海外生産である。
海外から製品を輸出して日本で輸入しなければならない。その貿易をハンドリングする人間、輸入手続きをする乙仲が必ず必要になる。
僕が関わった初めての貿易関連業務は、若い子向けのメンズカジュアルをやっていた時である。

当時メインで多くの型数を発注していた工場が有った。ブランド創業から付き合いのある公司で、韓国人の総経理がいた。その総経理は40代の男性で、元々は韓国で日本向けに製品を輸出する実姉の仕事を手伝っていた。韓国には製品市場という場所があり、世界各国からバイヤーが訪れて買い付けをする。SKU5枚ずつ、合計20枚とか超小ロットで買える。値段は詳しくないが、カットソーなら中国で同等の物を作るより1割-2割高くらいの感覚だったと記憶している。一から作る場合は必ず最低ロットとして在庫生地を使ったとしても100〜300枚は作らないといけない為、多少割高でも現地買い付けにアドバンテージが有った。
スタイル、量が多くなる場合は、韓国からEMSやDHLで日本に送ってもらう。
中国の総経理は、物流会社上がりで運送に詳しい。家族ぐるみでそんな仕事をやっていた。
しかし、日本の顧客と付き合いが長くなると、一から作ってスケールメリットを活かしたいという話になった。韓国市場の製品は中国で安く生産して在庫している。韓国でも作れるが、人件費の面から中国の方が割安だった。そこで中国で公司を作り、縫製工場と取り引きを始めたのが始まりだった。

その公司の輸出は必ずAIRだった。もちろんSHIPの方が安くなるが、リードタイムが全然異なる。AIRなら夕方出荷→深夜にフライト→▲→午前に佐川が集荷→夕方か翌朝到着。
翌日か、翌々日には客先であるこちらの事務所まで到着する。
SHIPの場合、海上だけで4日くらいかかり、到着まで1週間はかかる。さらに乙仲とのやり取り、輸入経費はこちら持ちである。
店頭の売れを見て1ヶ月で製品を作るような流れで物流に1週間もかけられない状況だった。

▲の部分で、中国か韓国系の会社を挟んでおり、輸出した製品価格をアンダーバリューして税関を通していたと思われる。実際は$10.00の単価を$2.00にするとか。または、安くLCLで相乗り出来るコンテナ手配が出来たとか。。裏技を使っていたことは明らかで、はっきりしない。
本来日本に輸入する時に払う関税は、日本側の負担である。しかし、1社かませることで、税金やチャージの支払いを全て中国側の操作で完結させてからデリバリー。こちらはドアツードアで非常に簡単だ。窓口経由で色々話たが、それより安く出来る運送経路は無かった。

ある日、社長が古巣で付き合いのあったメーカー社長がやってきた。そのメーカーの紹介で古巣が連れ立って使っていた安い中国メーカーの話が出る。
メーカー社長は中国で作ったデニム製品を見て、なんぼや?と聞く。¥3,000くらいですねと答える。こんなん$19.00か20.00で出来るで?と言う社長。。笑。$1.00が¥100以下の頃である。ほんとかな?と。
しばらくして安い中国メーカーとの取り引きを始めた。社長と先輩が中国に行って発注して帰ってきた。無地Tシャツで$6.00代、デニムは$15.00。やはりとんでもなく安かった。
インボイス上は他メーカーの半額である。

しばらくすると、もじこもん?ってところから電話がかかってきた。御社の名前が入った貨物が有りますと。
素人丸出しなのだが、企画部内の誰一人どこから電話がかかってきたのかすら分からなかった。
調べると、北九州の下関にある門司港の物流関係の会社だと分かった。そして、例の安いメーカーが出荷したと言うので、その荷物じゃないかと。
20代半ばのメンツが集まって、ホワイトボードに安いメーカーはこんな経路で出荷して船で運ばれたんじゃないかと、話し合った。

メーカーは工場に行って、現地フォワーダーに連絡、集荷して港まで出荷

フォワーダーが適当な船会社に連絡。
適当なコンテナにLCL、他社貨物に混載で詰め込む。

適当な船に乗せて出航。

船会社が提携している保税地区の倉庫へ。

デバン、コンテナの貨物を取り出し、各貨物のコンサイニーに連絡。

もじこもん、門司港〜という倉庫から電話がかかってきた。

ここまで分かったので、乙仲に連絡して輸入通関とデリバリーの依頼をすれば、貨物が到着する算段である。
よく覚えてないのだけど、乙仲をネットで探したと思う。今考えると対して差は出ないのだけど、相見積もとった。
その時に、関税を立て替えてもらえる、もらえないが問題になった。
メーカーとしては、輸入当月に製品が売れたら翌月には回収出来る。それで関税費用も支払いたい考えだ。

倉庫のもじこもんは乙仲も出来るが、関税の立て替えはしないと言う。送金後でなければ、デリバリーしない。
結局、関税立て替えOKな乙仲を見つけた。

ここで関税だけでなく、チャージの支払いが必要だと分かった。船会社から届いた明細を見ると、よく分からない3文字や2文字の英語、単価がずらりと並んでいた。日本サイドの船会社に電話で1つずつ具体的な内容を聞いた。すると、、工場に集荷に行った陸運送費から、輸出書類作成経費、コンテナ使用料、コンテナヤードハンドリング費用などなどの現地チャージだ。合計7万円くらい。運送料も込みだったかな。。忘れた。
さらに日本側でのコンテナ関連、使用料その他もいくらか。これは日本到着後のチャージ。

社長に聞くと、FOB なので現地チャージは中国側が払うべきだの一点張り。。
調べると、船の欄干を越えてから日本側費用負担となるFOBでも、現地チャージについてはどちらが払うか前もって取り決める必要があると分かった。
社長は現地で発注した時に、よしFOBだな!しか話してないわけだ。
何してんだあんたは、、笑。

結局、社長と中国メーカーで話した。
やはり中国は払うつもりが全く無い。かなりもめた。。
全て乙仲が立て替えてくれるというわけで、最終的に全て払った。
現地チャージ含めた運送料
日本側チャージ
乙仲には、翌月、輸入通関費用約3万円、下関からの運送費、関税、地方税、消費税を支払う。

この物流にかかった経費は、およそ製品単価の20%である。製品単価¥1,500なら原価¥1,800くらいになった。そもそも元が他の半額くらいに安いので、社長もまぁこのくらいだな!と。。

ちなみに前職で、商社の輸入代行では、17%で計算していた。基本は1コンテナを自社製品のみで満載するFCLである。計算より1-2%くらい割安に上がることが多かったので、16%くらいなのかなと。。

後で分かったことだけど、そもそも船のハンドリングをするフォワーダーは日本側で指定すべきである。揚げ地も下関ではなく、東京か横浜で安い船が有れば良い。下関から陸路で運ぶより安くなるかもしれない。船が出たら乙仲に輸出書類、輸入用内容説明、到着した辺りでチャージ費用の提出が必要である。
SHIPに関して何の取り決めも指定もしなかった為、中国側で全て適当にセッティングされて、、からのホワイトボードである。
なんとも、史上最悪な物流体験だった。

その後1年間、安いメーカーからの輸入量が劇的に増えた。そうなると、他の現地メーカーの発注量が減る。メインの韓国人総経理が日本にやってきた。なんでこんな少ないんだと。半分以下だ。キレまくって帰国した結果、そのメーカーのハンドリングがかなりやりにくくなった。今まで当たり前に出来たことが出来ないと言う。さらに見積もりも3割り増しだ。
もう1社、国内OEMメーカーで社長が現地工場管理している会社。発注がゼロになった。しかも、サンプルだけ作らせてからの発注ゼロだ。こちらも社長が日本に飛んできた。冷静に社長と話してはいたが。。その後聞いたら、工場のキャパを確保していた為、実質2億近い損失が出たと言う。。新規サンプル依頼も門前払い。
今考えると下請法に引っかかるんじゃないかな。。なぜか先輩が1人で現地に謝りに行った。
そのメーカーは、その時を境にマルイ系ブランドの顧客にシフトして、売り上げが倍増した。

乙仲とのやり取りが増えて、ある提案をされた。
中国現地に優秀なエージェントがいるので、一度彼と話してみてはどうかと。
話してみると、40代くらいの日本語が堪能な中国人だった。現地チャージの支払いとか、ちょっと御社損してますよと。
彼は上海エクスプレスというクーリエ会社とも契約していた。営業代理人として、メーカーと日本の顧客を結ぶブローカーみたいなことをやっており、使ってみないかと提案された。
これが普通のOCSみたいなAIRなんだけど、LCLコンテナSHIPに比べて非常に安かった。
FCLで1トン以上の物量からしたら、は?って感じかもしれないが、100kg〜200kgで、kgあたり¥290-¥300くらいだったと記憶している。
これは当時契約していたクーリエのOCS、流通王より安かった。
リードタイムも通常AIRとほとんど変わらないのに、SHIPより安い。
クーリエ同様に工場の軒先から日本の空港到着までは一貫して、一定料金でやってくれる。大手クーリエみたいにドアツードアではなく、日本側で乙仲会社が輸入通関とデリバリーをする。
毎回物量を計算して出荷日予定をメーカーと取り決めを連絡した。
インボイス価格と関税率から割と正確に、関税含めて輸入経費を算出できることもメーカーとしては利点だった。乙仲企業を通すのでアンダーバリューは出来ない。
クーリエで過去に製品をアンダーバリューして入れたことが有るけど、脱税調査で引っかかる。社長からもやめろと言われ続けた。

OCSで同じことも出来なくないだろうが、毎回値段交渉が必要だし、結局コスト高だったような覚えがある。

最近分かったことだけど、輸入に関してAEOという制度がある。国際物流の円滑化、セキュリティ確保の為にAEO認定事業者の税関手続きを緩和するものである。
通常は海外から貨物が到着後、検査、輸入申請、税金支払い後に輸入許可、デリバリー可能になる。
AEO認定事業者が輸入者、乙仲の場合は、到着前に輸入申請したら即輸入許可が出る。そして税金は翌月払い出来る。デバンしたら即デリバリー可能だ。
もしかしたら、関税を立て替えてくれた乙仲はAEO認定事業者だったかもしれない。
そして、前職の親会社の名刺にはAEO認定事業者とロゴ入りで印字されていた。商社はだいたい認定事業者らしい。

最後に書いたAEO含め勉強中である。
貿易はあらゆる業者が関わっており、知らないと土俵に立つのも難しいことがあると前職で知った。前職では貿易関連は完全に親会社がやっていたが、専門用語や流れを知っている前提で話をされるので、ところどころ理解が必要だった。
しかしながら、商社っていうのは業務範囲の切り分けがはっきりしており、人に任せられる環境である。知らなくてもいいことは大枠だけ掴めば詳しく知らなくてよい感じがあった。任せる人と上手くやり取り出来るかが重要だった。
もちろん僕みたいな経験の浅い人間からすると。その大枠が専門的に見えたのだが。。笑。








久々に店頭で服を買ってみて思うこと。

2018年10月27日 | 繊維業界の転職
最近就活用の面接服を探して買ったり、採用後の私服通勤を考えて秋冬服を少し買ってみたりしている。
ちゃんとした服屋で服を買うのは2年ぶりだ。2年間はビジネス服で、Yシャツにスラックスだったので、ほとんど服を買わなかった。ファッションからも離れ気味で、店にすら行かなかった。
それが久々に服屋に行く機会を得た。服を買うだけでなく、企業研究でいろんな売り場を見たりもしている。
世の中では服はネットで買うものって風潮が強くなっているが、僕はあんまりそうなっていない。
2年間で体重が増えたのが原因か、、笑。試着をしないと買えない。10kgは増えており、Mが着れなくなった。ぴったりでL。Tシャツ、シャツ、スウェットはほとんどXLである。アウターはXLだと袖や着丈が長過ぎたりするので、特に着ないと買えない。

下に何を着るか想定して店に行く必要がある。なぜかと言うと、アウターのサイズ表記って外側のサイズなのだ。ポリエステルの裏地が付いた薄いコートなら、ある程度想定は出来るけど、中綿が入ったり、厚いニットだったりすると、着た時のサイズ感は試着しないと分からない。
ZOZOスーツ計測のオーダーメイドスーツで、出来上がった製品サイズがおかしいという話題は、同じ原因である。ZOZOスーツで計測するのは、ヌードサイズであり製品サイズではない。着た時に着心地が良いサイズは、パタンナーが作る製品サイズである。細かく言えば、その製品サイズは外側のサイズであり、着心地は想定でしかない。内側のサイズは試着しないと分からない。そもそもZOZOスーツの計測が狂ってるらしいが、、笑。いずれヌード→製品サイズをAIで完璧につくれるようになって、初めてZOZOが成功すると思う。

話はそれたけど、最近買ったものはTシャツでも店で試着した。店で試着する利点は、今後同じ店で同じものを買う場合には買いやすくなる。スニーカーをサイズ指定で買えるようになるのと同じだ。せっかく買っても、やっぱり小さかったな、、とか、裾まくれば着れるかな、、ってのは嫌だ。せっかく買ったのに、いずれ着なくなってしまう。

あと欲しい服がある時にネットで選ぶのってかなり面倒くさいと感じた。例えばZOZOでウールのテーラードジャケットを探すと、とんでもない数が出てくる。5万の商品の隣に1万の製品が並んだりしてカオスだ。色や値段で絞ることになる。そうすると、値段の中間値が見つからなかったり、欲しい製品に辿り着かない。
これちょっと襟の形が好きじゃないけど、生地はどんな感じかな、、とか考え始めると、さらにどツボにハマる。結局、店まわった方が早いとなる。店をまわってみると、ウールで考えたけど綿でもいいかなとか、予算下げてもこんな良いものがあるんだと色々と検討しやすい。

欲しい物の検討や試着といった部分で、店舗の優位性は変わらないなと感じた次第である。

しかし、店をまわっても欲しいものが無ければ意味が無い。ネットの方が目にする数は多い。
だから僕が理想とするネットの情報は、どんな製品を扱っているのか、分かりやすく速やかにアクセス出来ること。ブランドや店は、ブランドコンセプトやイメージビジュアルよりも製品写真を載せて欲しいと感じる。店だったら、今入荷している製品の写真をインスタみたいに並べるとか。
このブランドや店は、こんなテイストだから、、から入ると分かりづらい。。製品が並んだ絵を見れば好みか好みじゃないか一目で分かる。
むしろ製品写真しか載ってないサイトのブランドも有ったりするので、それは好印象である。

それにしてもジーンズで言えばウエスト31でぴったりだったのが、今では33、または34である。。笑。ストレッチが無ければシルエットも重要である。ボトムはイージーパンツ以外、ネットでは買えない。









1997年に好きだったセレクトショップについて。

2018年10月27日 | 繊維業界の転職
今回は、僕が高校生の時に好きだったブランドについて書いてみようと思う。
1997年に原宿のとんちゃん通りにNO 44という店がオープンした。読み方はナンバーよんじゅうよんである。その後、2階には0044 A.C.Cというメンズ店もオープン。アトリエクリエイションコンセプトの略だったと記憶している。
僕は当時中学3年だった。洋服にどハマりした頃だ。世の中ではヴィンテージやらミリタリーやらが流行ってたと思う。まだウインドウズは95で、ジョブズがappleに復帰した頃。インターネットも普及してない。携帯電話はPHSかな、これまた普及していない。ファッション雑誌を読み漁り、地図を握りしめて山手線に乗った。
NO 44はヨーロッパ系のミリタリー古着のインポート、リメイクを中心としたセレクトショップである。レディースは分からないが、メンズの方では、Tシャツとかシンプルなカットソー関係は自社生産品だったと思う。

高校生になる前、原宿に一人で買い物に行くようになったのもこの頃である。JR原宿駅から竹下通りを抜けて歩いた。途中、シカゴの路上店や、アポロといった古着屋にも寄り道していたような。。
NO 44の店内は薄暗く、戦時中の作戦基地みたいな雰囲気。無造作にステンシルがあしらわれた板が立てかけてあったり、壁は全てミリタリークロス風の布が貼られていた。床は古い木板を敷き詰めたような感じで、デカいレザーが敷いてあったり。ヨーロッパの城から持ってきたみたいなヴィンテージの革張りチェアが店内の真ん中にどーんと置いてあった。
革張りチェアの後ろに70cm四方くらいのテーブルが有って、ニット系のアイテムが並んでた。左右2箇所にラックが有って、レジ前のラックにはミリタリーやレザーアウターがずらりと並ぶ。反対のラックにはシャツとかカーディガン、Tシャツなんかがかかっていた。

初めて行った時はびっくりしたよね。何だこれ!超かっけー!笑。雰囲気にやられて、狭い中人も沢山いたから、あんまり長居出来なかった。そして高い。。笑。カットソーは¥7,800〜¥12,800、シャツで¥12,800〜¥15,800、アウターで¥50,000〜くらいだったかな。。中学生には全然手が出ない。
バイトするまではお年玉を握りしめて、カットソーやシャツ、パンツを何度か買ったくらいか。アウターは買えなかった。

当時は何の知識も無いから繊維業で社会人になってから分かるのだけど、カットソーに強いブランドだった。全て自社企画の日本製。レーヨン入りでクタクタ感を演出したカーディガンとか、裾切りっぱなしでヘインズの完コピしたTシャツなんかは非常に良く出来ていた。インポートの古着と見分けが付かない感じだった。

ヘッドポーターのビルの外階段からアクセスする地下に、ルージュというセレクトショップもオープンした。主にインポートの音源、スニーカー、雑貨類、ミリタリー古着を少し、扱う。その店もよく行ったなぁ。

00年代に入ると、だんだんモード色が強くなった。隣のスニーカー屋が退店して、増床した辺りかな。ちょっとよく分からない形のカットソーとか、あんまり普段着れないよね、、みたいな商品が増えた。

僕が社会人になった05年になると、インポートの古着が減った。アウターや雑貨にも自社生産品が増えた。自社ブランドは0000という名前だっけ。
初任給でアウターを買った覚えがある。
自社生産品とインポートの値段の格差が大きくなったような気がする。

08年頃、僕は原宿付近の会社に勤め初めて、帰りに寄ることもあった。だいぶ雰囲気が変わった。雑貨で合成皮革のベルトが有った。¥2,800くらいかな。買って1週間くらいで表面から割れて使えなくなった。
名古屋に帰省した時に、パルコの別館?で0044がオープンしていた。レディースはまぁまぁデザインが良かったと記憶している。ダークでセレブな雰囲気に勢いがあったような気がする。

10年頃かな。とんちゃん通りの店2階にあったメンズのACCが閉店した。1階のレディースはまだ続いてたかな。しばらくして、新宿ルミネに店が出来た。もう13年前の重厚なミリタリー、ヴィンテージの面影はどこにも無くなった。インポートはごく一部。フルアイテム自社生産製品に変わった。デザインは土臭いミリタリーテイストを添えたモード。だから店の明るさの割に暗い色が多かった。そして韓国製や中国製が増えた。生地は薄く、縫製も汚なかった。それで値段はそこそこ。高くて芋っぽいハレみたいな感じだ。一部のカットソーは日本製で当時のクオリティーを保っていたけど、それも段々と無くなり、安価なダサいプリントTeeが増えた。

しばらくしてルミネの店も無くなり、とんちゃん通りに残っていたレディースの店も無くなった。
調べたら2014年に全店閉鎖したらしい。

00年代前半に0044 parisが出来て、07年〜10年くらいに、パリコレに出展している。メンズの会社にいた時にはパリコレにも目を通していたので、並びで見た覚えがある。随分と癖の有るシンプルな雰囲気だったような。多分、会社の代表が70年代ギャルソンのパリコレ進出を見てきた50代だったんだろう。なんというか、アンダーカバーと比べてもコンセプトが見えにくい、滑ってる感がたまらない感じだった。

00年代に店頭にモード色が増えたのはパリ企画の影響だったんじゃないかな。
10年くらいかな、ルミネで変わり果てたブランドを見た時、つい聞いたよね。デザイナー、、というか、企画の人達辞めたんですか?って。ほらアジア製も増えたし、、。店員が何を言ってたか覚えてない、、笑。明確な返答は無かったような。

企画っていうか、、バイヤーだよね。セレクトショップとして、店を編集していた人間が辞めたんだと思う。そして会社的に、デザインを重視してミリタリー色が消えた。利益率を優先してアジア製が増えた。優秀なカットソーの仕入れ先は残ったけど、パタンナーやデザイナーも入れ替わったのかもしれない。
おそらくワンマンなオーナー会社だ。現場はかなり振り回されたと思われる。

かつて憧れたブランド、店を10年以上見続けたのは0044だけである。めちゃくちゃ流行ってた時から、誰にも見向きもされなくなるまでを見てきた。この経験から言えることは、アパレルブランドは変えてはいけないものがあることだ。
0044で言えば、重厚なラグジュアリーミリタリーテイストは絶対に残すべきだった。

00年代初期は裏原ブームだった。古着屋の並ぶとんちゃん通りから一本奥ではストリート一色だった。当時、裏原を作っていた世代は青春時代に渋カジを通っており古着は大好きだったが、市場には蛍光色でピカピカの白Tee、ダボダボのデニム、キラキラのスニーカーしか無かった。
この時古着は辛い時期だったと思う。

しかし00年代に、マニアック社が手がけるLGB、ルグランブルーがミリタリーロックテイストで、爆発的に人気を得ている。切りっぱなしでぼろぼろのパラシュートジャケットや、宇宙服みたいなディテールとカッティングのブルゾン、ハードなコーティングや汚し加工のデニムなんかが人気だった。ラルクのハイドや、マドンナ、レニークラビッツなど多くの有名アーティストが着用したブランド。2018年の今は、というか10年代は段々と落ち目だと思うけど、、。0044がLGBと並ぶチャンスは十分有ったんじゃないかと思う。少なくともLGBと並べるくらいの物を作る土台は有ったはずである。市場と向き合わず、パリコレの夢を追いかけた感は否めない。

20年以上前、セレクトショップって当時は見たことない物で溢れている場所だった。セレクトショップって呼ぶこと自体がお洒落だったし、買い物してたらもっとお洒落だ。これって百貨店と同じだなと感じる。百貨店も今から50年以上前の60年代は、そこで服を買うことが最先端だった。
あれから百貨店は成功体験から抜けられず、卸業者に注文は付けるが、自分達は何も変わらなかった。そして今若い人は百貨店に行かない。売ってる製品は高価でダサい。
セレクトショップはというと、インポートや卸も残しながら自社PBに力を注いで、売り場優先でSPA化を進めた。路面店から駅ビル、ファッションビル、SC、百貨店、あらゆるテナントに向けて貪欲に新規業態を広げている。
百貨店や卸業者、大手SPAアパレルは取り残された形だ。市場ではどこもセレクト小売が圧巻している。
セレクトショップのSPA化という意味では、0044も同じだったかもしれないが、市場が見えてなかった。彼らは分かりやすいプロダクトアウトである。百貨店と同じだ。

ただ個人的なことを言うと、やっぱりこだわりを持ったセレクトショップって今でも魅力的だと思う。
駅ビルに入ってるセレクト小売見ても、なんだかなぁ、、って思ってしまう。これさっき隣の店で見たよねって笑。本店、旗艦店行くと全然違う。そういう意味では、BEAMSってやっぱり凄いと思う。セレクト各社はSPAのやり方、販路の広げ方で売り上げに差が出ており、売り上げで言えばビームスはやや苦戦している。でもセレクトショップの良さ、いつ見ても他とは違う新鮮な売り場、発信をしているのはビームスだけだと思う。

話はそれたけど、0044の件があって、その後を埋めるべくハマったブランドが有った。実はそのブランドも全く同じような経路を辿り、見切りを付けた。それから、ブランドというものに興味が無くなった。業界への理解も深まり、ブランドに関わらず何が良いのか、何を着たいのかを考えるようになった。そうすると、デニムはリーバイスじゃなくてもいいとか、ユニクロ無印の低価格アパレルで良いものを探してみたりとか、古着もいいよねとか、かなり自由になれた。

今の時代は、テイストだけでなく価格も含めて自分に有った服を選ぶ必要があるなとつくづく感じる。背伸びしてもね、お金だけかけてもなかなか良いことない。








とある大手小売アパレルで退職強要された元同僚の話。

2018年10月26日 | 繊維業界の転職
僕は繊維業界に入って今年で14年目になる。
大して有名なブランドも製品もやってないけど、あらゆるブランドに目を通した経験も有り、それなりに生産部隊の経験も長い。人づてに色々と企業の裏側を見聞きすることも多い。
この会社は凄いな、かっこいいなと思うことも有れば、あの会社は無いわ、、ってこともある。多くは無いけど。そんな事例を1つ書いてみようと思う。

とある大手小売企業である。
飲食やアパレル、インテリアなど業態が幅広く、どれも世間からの評価は高い。
僕が以前勤めていた会社から距離が近く、個人的に好きな店も有るので昼休憩時間とかによく足を運んだ。
若い子向けのアパレルにいた時である。
当時20代半ばのA君がその企業に販売員として転職した。やっぱり20代〜40代まで幅広く、根強く流行していて憧れのブランドだ。本人の強い希望があったのだと思う。
神奈川の店舗に配属になって、朝が早いと聞いていた。

3ヶ月くらい経った時、A君が事務所に遊びにきた。5年以上勤めていた為、社員とも仲が良く、ちょくちょくそんな感じで来て飲みに行くこともあった。
しかし、3ヶ月ぶりにA君を見てやや言葉を失う。
明らかに痩せていて、目が虚ろだ。
話を聴くと、いつからか社内異動があった。彼の異動先は、本社だったか忘れたけど、商品を各店舗に配給する為の管理部門みたいな部署だった。今まで販売員として好きなブランドの服を着て、売り場で活躍していたが、今は狭い部屋で40代の女性1名と2人で日々パソコンに向かう仕事をしていると聞いた。一瞬理解が出来なかった。
なぜそんなことになっているのか。
慣れないパソコン操作、気性の激しい40代女性。当然モチベーションは地に落ちていた。
給与も低かった。渋谷系メンズの営業時代と比べても数万円下がった。聞くと中小企業の新入社員レベル。彼のスキルには到底見合わない金額だ。彼は高卒で働いている。22で社会人になる4大卒と比べたら、4年もキャリアが長い。これはメンズの会社でもアドバンテージが有った。

絶句した。。
毎日辞めたいと思っていると言う。
彼は若い割には長い販売員経験と端正なルックスを活かして狭い門をくぐり抜け、憧れのブランドに採用された。そのブランドは採用率が低い。ちょっと信じがたいが、別のOBで、数年かけてチャレンジを繰り返し採用された人もいた。
せっかく手にした切符を捨てたくないという思いがひしひしと伝わってきた。売り場に戻る日を夢見て耐える日々だという。

彼はルックスも良く、スタイルも良い。最初はゴリゴリの渋谷系のスタイルだったが、社内でワーク、ストリート系に造詣が深い社員に触発されて、大きく変わった。茶髪のロン毛から黒髪で2ブロックショート・ヒゲに。白Teeにブルーデニムが似合う。とても同じ人間とは思えないくらい、かっこよくなった。
チャラチャラしていたのは最初だけで、年齢に見合わないほど敬語や気遣いが出来る好青年だ。どちらかといえば硬派で男からも印象が良いタイプ。
僕は最初期に一度衝突したこともあるが、その後の関係性は良かった。彼と仕事をするのは楽しかった。

そんな彼が、見る影も無く痩せて落ち込んでいる姿を見た時、小売大手企業に怒りを覚えた。
話を聞くと彼がいるのは退職強要部屋としか思えない。明らかに悪意極まるパワハラである。
世の中では支持を集めて、業界ではリーダーシップをとる有力企業だ。経営陣がラフな格好してメディアに出たり、有力バイヤーが東コレにも関わったりしている。その影では、販売員の扱いがひどい、給与が低過ぎる。A君のような若いやる気のある人間を潰すようなことをしている。
本当に酷い話だ。

しばらくして、彼はようやく転職を決意した。
販売員の長い経験を活かし、代理販売員会社に採用されたらしい。当時レディースの有名ブランドで活躍していた。自分より若い社員のマネジメントも任されているらしく、給与は渋谷系メンズ営業の時よりはるかに跳ね上がったという。
それを聞いて本当に安心した。
現況を話す彼は、体型も元に戻り自信に満ちて頼もしく見えた。
それから僕はメンズの会社を退職して、会社自体も無くなって彼とは会ってない。
順調にキャリアを積んでいるのではないかな。

小売企業の販売員というのは、最も重要な資産だと思う。しかし、実際に高待遇されているのは、一部の経営陣と企画、MD、バイヤーである。SPA化すると、生産部隊よりもそれらの旗艦組織の力が強いとも聞く。感性や数字を扱う彼らが高待遇なのは構わないが、販売員の負担が大きいことに見て見ぬふりをしている気がしてならない。
彼らはコストではない。資産である。会社やブランドを代表して顧客に接して、会社の業績に直結する重要な仕事をしている。
企業評価サイトで小売各社の評価見ても、必ず販売員や中途の本社勤務から、組織の歪さ、キャリアアップが見えない、給与が低いという言葉が並ぶ。
僕が書いた事案は稀なのか、日常茶飯事なのか、実態は分からない。僕は大手小売に勤めた経験が無いから。しかし、少なくとも僕がA君の件を通じて感じた怒りはこの先消えることは無いと思う。






企業研究で店を見に行ったら商品がダサかった件。

2018年10月26日 | 繊維業界の転職
今度面接受ける企業のブランドについて調べている。なんとなくぼかして書くと、カジュアルアパレルメーカーで、担当予定ブランドは結構老舗でニッチなライセンスブランド。
メーカーが手がける旗艦カジュアルウェアは本当に素晴らしい。店に行ったら、1時間半くらい店員と話してしまったくらい。さすがのブランド力と商品力だと思った。だけど、問題は担当予定ブランドだ。店見に行ってみたら、思ってた以上にダサい。。笑。
ある程度想像はしてたけど、想像以上に観光地の土産屋みたいな風情だ。ぶっちゃけ一気にやる気が無くなった。

店を見てどう思いましたか?って質問されると思うけど、マジでダサいっすね!!って言いかねない。。笑。必死に褒める言葉を探している。
面接は行くよ。人材会社のメンツがあるから。とりあえず。。
でも相当面接官の人柄が良いとか無いと、もう株が上がることは無いと思う。
失敗した。書類応募する前に店とか見に行けば良かった。

ちなみに2店舗見たけど店員も良くなかった。
派遣なのかな。。109のギャル服売ってるみたいな店員。WE○Oやライトオンにいるような店員。
商品に付いてるメリットタグのことさえ、答えられなかった。生産国、ブランド背景にも疎い。
販売員教育とか、商品説明会とかちゃんとやってないんじゃないだろうか。
先日先に面接受けたファッションアパレルは、まぁ価格帯も全然違うけども、凄く良かった。10店舗まわって7人くらい話した店員全て、笑顔も良いしプロだと感じた。
今回の企業も、旗艦ブランドの店員は凄く良かった。ファンを増やせる人だなって感じ。
でも担当予定ブランド、、笑。

あれじゃ駄目だって。。このご時世、なんであんな店出していられるのか。
多分、親会社の存在がでかいと思う。どの程度親が介入してるのか知らないけど、超大手の傘下だ。数年前、会社が吹き飛ぶくらいのとんでもない巨額損失出したのに廃業しなかった。危機感が無いのだ。あの損失で吹き飛ばないのはユニクロ、無印くらいである。普通の、中小アパレルに耐えられる額じゃなかった。
さらに、いわゆる成功体験を持つ会社だ。
ただ作れば儲かった時代を経験している。
業界は違えど、シャープや東芝みたいなもんである。

商品の質も良くなかった。まず上代が低い。つまり原価が低い。Tシャツなんて現地仕入れ額で$5.00切るんじゃないだろうか。
プリントは型ズレしてるし、縫製も悪い。用尺削ってるようにも見えた。素材も、僕がいた若い子向けのアパレルで使ってたような、パサパサした安っぽい生地が多かった。
近年売れてるアウターだけは良かった。コストバランスが優れている。着た感じも悪くない。

想像にはなるけど、親会社が仕入れ計画や予算策定・発注許可、原価率などを管理しているのではないだろうか。老舗の味を売りにしてる割には、それを求めて買いにくる顧客に合わない品質バランスである。サイトのブランド説明はいかに本国のブランドに実績と伝統が有るか讃えてるが、現在の国内の売り場、製品と結びつかない。

ネットで検索すると、大体の人はライセンシーである今回の会社を知らない。質問サイトで偽物ですか?なんて聞いてる人もいる。ライセンスホルダーの海外メーカーから何着も並行輸入してる人もいた。

やっぱり、老舗な企業は何かしら闇を抱えてると感じる。それは製品や店を見るとはっきり分かる。惰性でやってるのか、本気でMD、企画、販売やってるのか、すぐに分かる。

分かりやすい例で言うと、百貨店とセレクト小売ブランドである。百貨店は自分達で売る気が無い。百貨店卸ファッションブランドも、本当にカッコいいとか、好きで買い付けや洋服作りをやっているかというと疑問だらけだ。揃って売り場も客も見えていない。
逆に、セレクト小売は常に売り場を鍛え続けている。wwdかなんかでUAの経営陣も言っていた。何がユーザーに支持されるのか自らが実践してファッションに打ち込んでいる。

ライセンスの成功体験で言えば、やっぱり三陽商会である。バーバリーが無くなった今、取り返しが付かないほど凋落している。
なぜ本国よりも優秀なものづくりが出来るのに、200名以上のリストラになるのか。
これ以上アパレル転職現場に人材流出させるのは辞めてほしい。僕は凄く迷惑している。。笑。
ブラックレーベルを見るといつも思うが、客がいない。あのバーバリーじゃない大柄チェック柄、そもそも誰が買うのか。自社ブランドを長年鍛えて続けてきた競合たるトゥモローやアバハウス、巧みな業態変換で派生してきたセレクト小売には絶対に勝てないと思う。

翻って今回の企業。
売れてるアウターの流行が終わった時、事業部は生き残れないのではないか。メインブランドでは無いので会社が傾くことは無いだろうが。
仮に安定して売れたとして、海外ライセンスホルダーがジャパン社作って切り捨てられる可能性もある。もしかしたら小売業界でちやほやされてる現状を見て、今でもうずうずしているんじゃないだろうか。

まぁうまいこと話して面接はなんとかしようと思う。今後の参考くらいにはなるだろう。
あと旗艦ブランドは興味あるから、出来たら話を広げてみようかな。















就活の動きが早い件。

2018年10月25日 | 繊維業界の転職
ふむ、、昨日新しく4社まとめて書類応募したところ、早速1社が面接してくれることになった。早い。。
若い子向けのメンズにいた時のご近所のOEMメーカーだ。僕はあまり直接的にやり取りしてないけど、先輩デザイナーが秋冬のニット製品を作るべく足しげく徒歩で通っていた。
場所が懐かし過ぎる。。笑。2年ぶりか。
そう2020年東京オリンピック会場となる新国立競技場のお膝元の街である。
1年くらい前にその辺りの原料メーカーと話した時に、明治通りは拡張工事でだいぶ変わったと聞いた。多分駅周辺もかなり手が入ったのではないかな。。とてもオリンピック会場の最寄り駅とは思えない規模の中間駅だったし。

2年前の実績から考えると、ブランドアパレルや大手アパレルよりも、メーカー企業に書類が通りやすい。なぜか。海外生産経験が長いからである。僕の希望に反して、明らかにメーカー寄りなのだ。
2年前は、商社出身の社長の小さなメーカーで採用通知が有った。日本製にも強く、有力ブランドのODMをやっていた。自社製品の展開もしており、ブランドアパレル展開出来るレベルのものづくりをしていた。その会社は残念ながら面接官と合わなかった為辞退した。

今回の会社は社風が凄く良いらしい。
最近同じ人材会社経由で1人採用されており、その時の取材の評価が高かったそうである。
メンズにいた時の取引はあまり覚えてないけど、どちらかというと良い印象だったような気がする。忍耐強くこちらの希望に合わせてくれたような。。

OEMメーカーでありながら、残業が少なめだという。定番品をやっているのか、自社工場による安定生産の恩恵だと想像する。ただの協力工場であれば、どんな会社でも必ず苦労の元になる。それはたとえ商社でもユニクロでも例外では無い。何か作るたびにコスト交渉、契約業務が発生するし、スケジュールは混載コンテナ状態である。これは残業や急な海外出張が発生する原因である。
その違いは相当でかい。
現地に日本人はいるのだろうか。いたらさらに安定する。

久々に以前9年間働いた場所に行けるのと、期待するメーカーの面接でちょっと楽しみであるが、、面接が2日連続なのである。。笑。当初同じ日でバッティングしたので、ずらしてもらった。

メーカーなので、前職のODM経験を推してみようと思う。ブランドアパレルのシステムから発注書を入手したり、要望に合わせた確認業務、物性検査から品管と洗濯表示のやり取りをした経験が活かせそうである。
面接する企業に合わせて、あれやこれやとキャリアの一部を武器にしている。
若い子向けアパレルが全面押しだったり、前職の商社的な生産が一番だと言ったり、色々である。
2年前はこの振り幅が無く、難儀した。
そんなことをしてると、自分は何がやりたいのか、どの会社が適正なのか探っていける気がする。

先日応募したアパレル企業を色々調べてみたら
やっぱりかなり業績ヤバい、、という感じ。
18年2月の決算説明会の資料見たら、真っ赤っか。。笑。△だらけである。素人でもヤバくね?って思うレベルだ。超一等地の不動産資産も売りまくっており、赤字を誤魔化しているとか。。
売り上げだけ見たら、本業では既にセレクト系小売SPA数社に追い抜かされている。10年前は、ダブルマーク以上に差が付いていた筈だけど。。
ここ数年で小売が想像以上に売り上げが上がっている。UAって数年前に上場した時1000億くらいだったと思うけど、今年1500億超えてる。
僕UA好きじゃないからなんであんなに良いのか、よく分からない。セレクト系ならベイクルーズの方が好きだ。
ちなみにセレクト系では、ビームスが一人負けしているように見えるけど気のせいだろうか。。

僕は100人以下の中小企業しか経験が無いのでよく分からないのが、近年で数百人の人員カットをしておきながら、なぜ求人を出しているのか。
単純に希望退職で辞めていったからか。。
でもブランド廃止しても人員整理で異動調整とか、、出来ないのかなぁ。カットと調整を同時にやるのは難しいのかもしれない。
カットしてみたら、実は再編成後に穴が空いていた、みたいな感じなのだろうか。

ふむ。とりあえず3社は待ちだし、直近の面接を自分のペースで準備である。
店は見たので、週末は休めそうだ。








就活の進捗。新しい企業に応募。

2018年10月24日 | 繊維業界の転職
就活がもう少しで2ヶ月経とうとしている。
先日受けた最終面接の結果は、今週末になりそうである。人材会社の話では、どうも企業側でまだ1次面接をする予定があるらしく、選考が長引きそうだという見立てらしい。
もう1社1次面接を受けた会社は、今日見送りの連絡が来て落ちた。理由は、扱う商材の生産がクイックで、僕の前職の一般的なアパレルの計画生産と離れているとのこと。面接ではメンズで近いところをやってたとフォローしたけど、やはり前職との比較になってしまった。

来週にもう1社面接予定が有り、今はその準備をしている。前職の書類は、1社の最終面接用に用意したのが使える。絵型とか書いていこうと思う。

有り難いことにやはり2年前と比べて、応募させてもらえる、紹介してもらえる求人案件が多く、また何社か紹介してもらった。全体的に求職者の売り手市場って感じを実感している。本当に思っていた以上に選べている現状がある。有り難い。

最終面接結果待ちも有るけど、4社まとめて応募した。どの会社もかなりまともだ。
1社は大手アパレル。2年間で100人単位の従業員数の変化が有ったり、業績は厳しそうだけど、やはり大手である。面接でどんな企業か聞いてみたいと感じた。世間では色々言われてるが、企業評価サイトを見ると、想像以上に評価が高い。

2社目、若い子向けのメンズにいた時に少し取引のあったOEMメーカー。穏やかな社風と聞いて応募した。そして海外に自社工場を持っており、市場で売れてる顧客がいて安定して見える。避けていたメーカー側でも、自社工場があるなら検討したかったので、丁度良い案件。

3社目、小売SPAの大手アパレル。業績が厳しいとは聞くけど、ブランド力が高く、個人的な見立てでは売り場も強い。そして、別の人材会社に聞いたところ、生産部隊に商社出身のベテランがいる。業務内容も、前職で商社とやっていたことに近いように見えた。

4社目、非常に評価の高いライセンスブランド主体のアパレルメーカー。なぜか大手アパレルの傘下だけど、魅力的なメーカーに見える。
担当予定ブランドが、古着屋出身デザイナーブランドというのが決め手。これが魅力的だった。

確率的に、2社面接いけたら嬉しい感じ。

これ以外に紹介してもらった企業が有るんだけど、、笑。申し訳無いけど辞退した。

とある新興系レディースアパレル。
渋谷系メンズアパレル出身の僕からすると、未だに有るんだな、、って感じてしまうパーリーピーポー系ブランド。
ネットで検索したら思わず笑ってしまうくらいのバブリー感。社長同じ歳だよ僕と。。
悪いこと言うつもり無いから、書くと、、沖縄出身、裸一貫上京してアパレルメーカーを起業、年商100億規模にした凄い会社だ。
渋谷系?有名雑誌のモデルが奥さんでデザイナーである。後咲き渋谷系アパレルというのか、、レディースに詳しく無いのでジャンルは不明。しかしF1層、20歳から34歳の女性に圧倒的に支持されてるらしい。サイトを見ると、なるほど、かつて十代で(90年代〜00年代前半)渋谷109に通った世代が親となり、ネット通販で買っているように見えた。子供連れで来店する顧客の様子なんかも写真が有って微笑ましい光景である。
一見すると派手でパリピだけど、こういうアパレルっていいよね。かつての109ブランドは30代通勤アパレルに勤しんでるというし、どんどん普通になってしまったように思える。やっぱり人と違うものとか、ちょっと冒険してるブランドが必要な人達が絶対いると思う。
最初マジか笑ってなったけど、普通のアパレルでは出来ないやり方で顧客に向き合う良い会社なんじゃないかと感じた。
しかし内装1億って凄いな。。僕がいたメンズアパレルでは最盛期に事務所内装3000万だったけど、、笑。売り上げで見たら50倍くらい違うので、やはり桁が違う。
しかし、、僕が働きたいかは別である。
というか、絶対に合わない。
この年と生え際で茶髪にしたら、完全にハゲてしまう。。笑。パーリーナイトも腰やってしまう。
色々調べたりするのがちょっと面白かった。勉強になった。
アドバイザーさん、たまにこういった求人を混ぜ込んでこられるので大好きです。

最終面接結果が悪ければ、今回の応募が次の主体となるかもしれない。
面接の感覚を取り戻したので、出来る限り多くの面接に行って会社を見聞きしたいと思う。