個性で勝負するのが地酒メーカーの生きる道―浪花酒造有限会社【浪速のユニーク商法28】(戦略経営者) - goo ニュース
大雪に見舞われた日本列島もようやく春の訪れを迎え、いよいよ花見シーズンの到来となった。
お花見のマストアイテムといえば、やっぱり日本酒――。全国新酒鑑評会で3年連続金賞を受賞した「大吟醸浪花正宗」の蔵元である浪花酒造は、大阪府阪南市で江戸時代から290年間酒造り一筋に打ち込んできた。浪花正宗は2008年に開催された北海道洞爺湖サミットに提供され、各国首脳をうならせた銘酒でもある。
浪花酒造10代目の成子和弘社長(51)は「サミットといえば、普通ワインで乾杯ですが、日本で開催するなら日本酒で出迎えるのが流儀。そんな思いから外務省のサミット担当者に、うちのお酒を使うよう直談判しました」と当時を振り返る。そんな成子社長はワインと密接な関係を持っているのだ。
100万円の日本酒があってもいい
成子社長は広島大学発酵科を卒業後、大手ワインメーカーに就職した。ここでの経験が浪花酒造の商品開発に大きく影響を与えている。成子社長は「1本、何十万何百万円もするワインがいくらでもあるのに、何で日本酒の最高級品はたったの1万円やねん! 造る手間はワインの何十倍もかかってるのに……。だったら1本100万円の日本酒があってもええんちゃう?」と語り、5年前1本3万円の純米大吟醸酒「究極の技」を発売した。
酒米の王様、山田錦を究極の19%まで磨いて仕込んだ「究極の技」の反響は大きく、販売を開始してすぐに完売。そのうわさは海を越え、ロンドンの王室御用達百貨店ハロッズからも引き合いがあり、店頭価格7万円にもかかわらず「日本一の高級酒」として年間数十本を販売する人気ブランドになっている。伝統の技を継承するために若手の社員を抜てき。先代の杜氏が引退するのを機会に徹底的に技を盗ませたという。「技術や知識も大事ですが、一番はやる気です。その意欲が匠の技を短期間で修得することを可能にします」と成子社長は語る。
商品に“箔”をつける
この3万円の商品を作ってから、国内の百貨店での試飲販売会では1本1万円の商品が安く感じられるという効果を呼び、1万円の商品が今までの倍売れるようになったそうだ。
「2016年に迎える創業300周年を記念して1本300万円の日本酒を売り出そうと計画しています。ワインセラーのような日本酒セラー付きとか、300年前のお米で造るとか、月で栽培したお米で仕込むとかいろいろ考えています。これからの商品は、味はもちろん、それ以上にストーリー性が大事。消費するのが楽しくなるようなものが求められています」と成子社長は商品に“箔”をつけることを常に考えている。
浪花正宗は国内の鑑評会だけでなく、モンドセレクション、ロンドン酒類コンクールなど国際大会でも金賞を受賞している。さらに小柴教授のノーベル賞受賞祝賀会の鏡開きに使われたり、2010年には大阪府と上海市の交流会で橋下徹知事(現大阪市長)が「大阪府を代表する地酒」と紹介するなど、貫禄を増している。
イギリスをはじめシンガポール、中国、韓国、香港、オランダなど世界各国にも輸出され、世界的な銘柄となっている。
「『ここがよそと違うんや!』という個性で勝負していくのが地酒メーカーの生きる道」と成子社長。今年の花見は、ひと味違う浪花正宗で一杯やりたい。
生き残っていくためには、人とは違う特徴を出すことが必要なのでしょうね。
知恵と工夫が生き残るコツ。
とはいってもなかなか難しいものですね。
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大雪に見舞われた日本列島もようやく春の訪れを迎え、いよいよ花見シーズンの到来となった。
お花見のマストアイテムといえば、やっぱり日本酒――。全国新酒鑑評会で3年連続金賞を受賞した「大吟醸浪花正宗」の蔵元である浪花酒造は、大阪府阪南市で江戸時代から290年間酒造り一筋に打ち込んできた。浪花正宗は2008年に開催された北海道洞爺湖サミットに提供され、各国首脳をうならせた銘酒でもある。
浪花酒造10代目の成子和弘社長(51)は「サミットといえば、普通ワインで乾杯ですが、日本で開催するなら日本酒で出迎えるのが流儀。そんな思いから外務省のサミット担当者に、うちのお酒を使うよう直談判しました」と当時を振り返る。そんな成子社長はワインと密接な関係を持っているのだ。
100万円の日本酒があってもいい
成子社長は広島大学発酵科を卒業後、大手ワインメーカーに就職した。ここでの経験が浪花酒造の商品開発に大きく影響を与えている。成子社長は「1本、何十万何百万円もするワインがいくらでもあるのに、何で日本酒の最高級品はたったの1万円やねん! 造る手間はワインの何十倍もかかってるのに……。だったら1本100万円の日本酒があってもええんちゃう?」と語り、5年前1本3万円の純米大吟醸酒「究極の技」を発売した。
酒米の王様、山田錦を究極の19%まで磨いて仕込んだ「究極の技」の反響は大きく、販売を開始してすぐに完売。そのうわさは海を越え、ロンドンの王室御用達百貨店ハロッズからも引き合いがあり、店頭価格7万円にもかかわらず「日本一の高級酒」として年間数十本を販売する人気ブランドになっている。伝統の技を継承するために若手の社員を抜てき。先代の杜氏が引退するのを機会に徹底的に技を盗ませたという。「技術や知識も大事ですが、一番はやる気です。その意欲が匠の技を短期間で修得することを可能にします」と成子社長は語る。
商品に“箔”をつける
この3万円の商品を作ってから、国内の百貨店での試飲販売会では1本1万円の商品が安く感じられるという効果を呼び、1万円の商品が今までの倍売れるようになったそうだ。
「2016年に迎える創業300周年を記念して1本300万円の日本酒を売り出そうと計画しています。ワインセラーのような日本酒セラー付きとか、300年前のお米で造るとか、月で栽培したお米で仕込むとかいろいろ考えています。これからの商品は、味はもちろん、それ以上にストーリー性が大事。消費するのが楽しくなるようなものが求められています」と成子社長は商品に“箔”をつけることを常に考えている。
浪花正宗は国内の鑑評会だけでなく、モンドセレクション、ロンドン酒類コンクールなど国際大会でも金賞を受賞している。さらに小柴教授のノーベル賞受賞祝賀会の鏡開きに使われたり、2010年には大阪府と上海市の交流会で橋下徹知事(現大阪市長)が「大阪府を代表する地酒」と紹介するなど、貫禄を増している。
イギリスをはじめシンガポール、中国、韓国、香港、オランダなど世界各国にも輸出され、世界的な銘柄となっている。
「『ここがよそと違うんや!』という個性で勝負していくのが地酒メーカーの生きる道」と成子社長。今年の花見は、ひと味違う浪花正宗で一杯やりたい。
生き残っていくためには、人とは違う特徴を出すことが必要なのでしょうね。
知恵と工夫が生き残るコツ。
とはいってもなかなか難しいものですね。
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