汚染稲わら 関東以西拡大も 宮城が供給基地、3割県外提供(産経新聞) - goo ニュース
高濃度の放射性セシウムが検出された稲わらを肉用牛にえさとして与えていた農家の拡大が止まらない。供給元のなかでも宮城県は、良質な稲わらの産地として知られ、東北、関東、近畿、九州地方といった県外に供給してきた。昨秋は長雨で稲わらが乾かなかったことから、原発事故後に収穫された稲わらも多く使われたことが、問題を拡大させている。飼料業者は「宮城の汚染稲わらを購入していた農家は関東以西にも広がる可能性が高い」とみている。
宮城県の飼料用稲わらの生産量は年間6万8500トンと東北一で、全国でもトップクラスだ。同県の飼料業者によると、うち約3割が県外に提供されたとみられる。
全国各地に稲わらを供給する宮城県北部の飼料業者の男性によると、例年は春に収穫する「春わら」は2割程度だが、昨秋は天候が悪かったことから稲を乾燥しきれず、秋に収穫する「秋わら」の割合が減った。「今季は汚染された可能性がある春わらが3割を超えた」と指摘する。
九州地方では供給量の少ない春わらはあまり使わないが「近畿では宮城産の春わらをよく使っている。今年も供給した可能性が高い」という。
宮城県は日本海側のコメ生産地と違って秋・冬の日照時間が長いことから稲が乾燥しやすく、適度な湿気があるため、「柔らかく良質な稲わらが取れる」(同県大崎市の飼料業者)。肉用牛の生産量が九州などの畜産県と比べて少ないため、県外に稲わらを供給する余裕もある。
ただ、宮城県畜産課によると、稲わら供給業者の大半は県に飼料業者として届けていない。倉庫を持たず、知人を介して県外に稲わらを売る個人農家も多く、担当者は「全容把握には稲わらを購入した全国の畜産農家側の調査を待つしかない」という。
購入した農家から稲わら代金の返却を求められる業者も出てきた。同県大崎市の飼料業者は「通達には、使用を自粛すべき飼料に『牧草等』とあっただけで稲わらは明記されていなかった。国への損害賠償請求も検討している」と話している。(荒船清太)
【用語解説】稲わら 牛の肉を変色させずに柔らかくする効果があり、ほかの飼料と合わせてえさにしている。通常はコメ収穫後の秋に乾燥させて収穫するが、雨や雪で乾燥しきれず、春に収穫がずれ込むこともある。口蹄(こうてい)疫の感染源として輸入わらが疑われたことから、近年、国産化の動きが進んでいる。
このままだと肉牛の放射性物質汚染はどこまで拡大するのか分かりません。
これだけ不安感が拡大すると、牛肉はオーストラリア産でも買おうかという気になりますね。