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学校の青空

2007年05月04日 21時06分05秒 | ベリーの感想文(本・映画)
学校の青空

河出書房新社

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天気     予報当たらず

 

角田光代 著 : 学校の青空
を、読みました。

 

作者が直木賞を取って有名になる前、児童向けの作品を
多く描いていたころの初期の作品です。


4つの物語が収められた短編集。


パーマネント・ピクニック
中学生の物語で、2年生の友則と主人公は小学校の友人ハルオの
自殺を機に、自分たちの置かれている現状から究極に逃げるための
手段を実行しようとします。

 

放課後のフランケンシュタイン
私立のお嬢様校の中等部での人間関係。
主人公は、自分のストレスのはけ口として、いじめを始めます。
強烈な陰険さで、友人を苛め抜くおぞましさを
淡々と描いています。

 

学校ごっこ
小学校4年生の女の子からの視点で描かれていて
担任にあてはめられたキャラクターを、それぞれ子供が
演じていると錯覚する主人公は、現実がごっこと少しづつ
ずれてゆくことに、戸惑いを感じて押し流されてゆきます。

 

夏の出口
高3の夏休みの女の子の物語
夏休みには仲良しの友達と島に行こう。
勉強ができるわけではなく、何かに打ち込む情熱もない
その情熱を持ちたいとも思わず、平凡であることに安らぎを
感じつつも、何事にも満足できない。
人生の転機を目前に、無気力さと未来への淡い期待感
を感じる主人公お話。

 

今では遠ーーーーーい過去になってしまった
ティーンエイジャーの時代。
作者は学校はサバイバルな場所だと語っていますが
私自身は、人間関係で駆け引きなどを考え付くほど
知能派ではなかったので、ここに描かれた子どもたちの
豊かな感性や、危うさにとても感心しました。
いじめをテーマに扱った、学校のフランケンシュタインは
読んでいて、とても不愉快になるシーンの連続で疲れましたが
これは逆に子どもに読ませて、愚かさを学ばせる教材に
しようかな?と思いました。