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Mrs.ベリーのVeryな一日

☆ミセス・ベリーのSmileダイアリー☆エレガントな女性目指してセルフプロデュース中(^v^)

曽根崎心中

2012年03月04日 19時29分05秒 | ベリーの感想文(本・映画)
曾根崎心中
角田 光代,近松 門左衛門
リトル・モア

角田光代 著 : 曽根崎心中
を、読みました。



著者初の時代小説!!という触れ込みでしたが、
じつは、短編で源氏物語やっているんですよね。
しかし、マルマル一冊の長編はこれが初めて。

御存じ人形浄瑠璃の名作古典“曽根崎心中”
堂島新地の遊女 お初と、醤油屋の手代 徳兵衛の
実際に起こった心中事件を、300年の時を経て
天才角田光代が小説化!
幼いころ、堂島新地よりももっと各上の花街である
島原に売られながらも、訳あって格下の堂島新地に
売られることとなった初。
幼女時代の下働きの禿(かむろ)の頃には
思いもしなかった激しい思いが初を苦しめる。
まさにそれこそが恋なのだと初は知る。



浅田次郎の、輪違屋糸里のときも思ったんですが、
二十歳にも満たない、遊女たちのなんと大人な事。
沢山の男たちを毎夜迎え、日々借金を返仕切る日を夢に見て
泣きも嘆きもせず、郭の中で生きてゆく姿を見ていると、
中年の私の何と幼稚な事かと、自分で呆れてしまいます。
いえ、遊女に憧れているのではありませんよ。
しかし、苦労が身になるように、生きてゆかねばならんのだなと、
健気で、賢く、そして誰より美しいヒロインたちを見て
感動せずにはいられないベリーでした。