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母~オモニ |
姜 尚中 | |
集英社 |
姜尚中 著 : 母~オモニ~
を、読みました。
姜尚中の両親、特に母の一生を綴った自叙伝。
貧しい一家の口減らしに、16歳という幼さで
一人海を渡り、日本にお嫁にやってきたオモニは
時代背景と、経済状態に恵まれず
文字の読み書きができない一生を送った。
その壮絶な一生は、激しく切ないものだった。
今では輝かんばかりに発展した韓国も
たった40年ほど前は、信じがたいほどの貧困に苦しんでいたんですね。
戦前、日本にわたってきた多くの朝鮮民族の方々の
大変なご苦労を寝っ転がって読んだので、
大変心苦しかったです・・・。
日韓のみならず、世界が平和にって
そんなに簡単でも美しくもないのかもしれないけれど。
でも、平凡な市民同士が
いがみ合って生きてゆかなくてもいい
社会になったらいいな。
私には、そう祈るしかできないな。
そんなことを感じた本でした。