路(ルウ) | |
吉田 修一 | |
文藝春秋 |
吉田修一 著 : 路(ルウ)
を、読みました。
多田春香は入社4年目、一流商社で働いていた。
台湾で新幹線が走ることになり、台湾出向となったが
台北には、春香の学生時代の切ない別れの思い出があった。
学生の頃一人旅で訪れた台湾で出会った青年エリック
そして、思わぬアクシデントで音信不通になってしまった二人。
その二人とは全く見ず知らずの、台湾人青年や
敗戦を機に、台湾を去ったかつての日本人青年など
それぞれの人生が、新幹線という一つの路につながってゆく。
春香とエリックの切ない恋を軸に
それぞれの人々の希望を鮮やかに浮かび上がらせた群像劇
台湾に行きたいって、一日一度は思っているベリーですが
そんなベリーの気持ちを察して(ぜってー察してねー!!)
天才吉田修一が書いた、長編小説。
あの台湾のむせ返るような空気感が
ページをめくる指先に伝わってきます。
どんな時代でも、どんな国の人でも、人は誰だって
必死でがむしゃらに生きているもんだけど
そんな人たちが、固い絆でつながってゆくこの物語は
感動で何度もウルウルしちゃいました。
両親が戦争体験者ということもあり、
戦争で御苦労された方が物語に登場すると
無条件に琴線に触れちゃうベリーです。
台湾の方々の愛を、この本を読むことで
多くの方々に感じてほしいと思った本でした。