私のなかの彼女 | |
角田 光代 | |
新潮社 |
角田光代 著 : 私の中の彼女
を、読みました。
和歌は自分の祖母が酷い醜女だったと、
母から聞いて大きくなった。
そんな母とは、折り合いが悪く
大学進学を機に、離れて暮らしていた。
和歌が神のごとく尊敬するボーイフレンド
仙太郎は、大学時代からメディアにその名を知られた
クリエーター。
和歌は、仙太郎の背中だけを見つめ
彼からの賞賛を夢に見て
ひたすら書くと云う事に突き進むが・・・。
二人は、私とほぼ同じくらいの年齢で
二人の20代から40代に差し掛かるまでの
時間軸で物語は描かれていて
そんな友人いたよな~。と、錯覚してしまいそうな設定でした。
主人公和歌が書くことと向き合う中で
浮かび上がる祖母の存在。
同じ書くと云う事に、情熱を傾けた若き祖母が
主人公の中で、大きくなってゆくのですが
これほど命を削らないと、小説って書けないのだなと
改めて、小説家の先生方の大変さを感じました。