最近の国内の鉄道新造車両は殆どが純新車に。VVVF制御走行システムやWN駆動装置、純電気ブレーキ装置、空気バネ台車等が量産化で、かなりコストダウンしたことが背景か。
これとは対照的に、今から約半世紀前は地方中小電鉄での新車と言えば、ごく一部の例外を除けば、イコライザー台車や自動空気ブレーキ、吊り掛け駆動装置などを上手い具合に流用して、冷房装置搭載の車体だけ新造するのが、むしろ一般的だったと記憶しています。
また名鉄や近鉄、東武鉄道など大手私鉄でも、特に通勤型や一般型はこうした車体更新車両を新造車扱いしていたものでした。
さて、当時の国鉄はどうだったのか?
既にファンからも忘れ去られたものとしては、身延線向けに造られた62系と仙石線向けに造られた72系(600番代?)がそうですね。
62系は走行システムはすべて在来車両から流用し、車体だけを113系並みにした感じでした。勿論、非冷房。在来の旧性能車とも併結は可能でしたが、編成中に挟んでの使用は出来ませんでした。車体はスカ色だったかな。
72系は同様に103系並みの高運転台構造且つ片側両開き式の4扉で、車体はウグイス色だったかと思います。
しかしながら乗り心地が悪くて不評。程なく新性能車の115系や103系初期型に交代しています。いずれも活躍期間は約10年だったらしい。
72系はその後、車体をそのままに103系に改造されて冷房車化。川越線や八高線南部に活躍の場を移しました。JR東日本発足後には209系やE231系に交代して、割合早めに廃車されています。
今となっては、余り考えられないような新造車両でしたよ。
その頃、近鉄名古屋線では初代1000系や初代1300系という吊り掛け駆動の新造車両が確かにいましたね。但し、いずれもブレーキ装置(HSC型)を新調されたためか、当時のWN駆動車両(1600系や1810系等)との併結運用は可能でした。こちらは私自身も名古屋〜四日市の急行にて乗り合わせた覚えがあります。
名鉄では7300系や3780系、2代目3300系とか6750系が好例。ブレーキ装置も流用されたため、SR車や6000系との併結は出来ませんでしたね。むしろ800系とか3800系などオンボロ電車のAL車等と併結していました。
東武鉄道でも5050系や5070系は、旧性能な7800系の走行機器を流用した冷房通勤車でした。ブレーキ装置はHSC型になったものの、8000系との併結運用は殆ど行われていませんでしたね。
名鉄では画像の2代目5000系も、そのような車体更新車両ですが、流用した走行機器はどれも、かなりの良品!! まだまだ廃車を考えるには余りにも勿体ない!!
これからも十分に末長く活躍出来そうですね。うん。
