ビーンの不定期日記

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 「思いつき
   いかげん日記」

物言わぬは…

2010-11-27 16:58:33 | 日記
男とは、強い人間(或はサラリーマン)とは、弱音を吐かず、愚痴は言わず、一人耐え忍ばなければいけない。 そう思ってきました。

しかし不満の掃け口先を間違えてしまうと、私のように人生の道を踏み外してしまいます。

いま瀬戸内寂聴さんの「あおぞら説法」(光文社)を読んでいます。

その中から抜粋します。


阪神大震災の被災者の中で、特に孤独な老人の自殺者が多いことに触れて-

「貧乏では死なない。病気でもなかなか死なない。

しかし、寂しさで死ぬ(自殺する)ことはあるんです。〈中略〉

これは皆さんも覚えておいてくださいね。

悲しい目に遭った人、つらい目に遭った人、今もずうっと苦しんでいる人、

そういう人たちは本当は話を人に聞いてもらいたいのです。

けれども、だれにでもはそれを言えないでしょう。

だから、安心な人に言いたいわけです。

そして、人間は悲しいこと苦しいことを口に出して言いますと、胸がすうっとするんですよ。

昔から-たとえば兼好法師は

“物言わぬは、腹ふくるるわざ”

と言っておりますが、そのとおりなのね。

人間というのは、黙ってひとりで悲しさや苦しさにたえているということは、とてもつらいんです。」