マシュマロ’sエンディングノート

~At the end of a marshmallow-like life~

退院後にはじめて外出した母の話

2019-12-19 | 母のこと
入院中、ほとんどの時間をベッドで過ごした母。
退院後、様子を見ていましたが、本日やっと退院後初の外出をさせました。

入院していた間の母
母の病状は、極度の貧血でした。
貧血の原因は、確実とは言えませんが、胃のポリープからの出血だろうとのことで、内視鏡による切除をしました。

入院中は、貧血による転倒が考えられたため、ポリープを切除するまでは、ずっと導尿カテーテルと紙おむつを着けられていて、一人でトイレに行くことができない状態。
しかし、トイレに行かないとなると、立ち上がって歩くという動作がほとんどなくなってしまいます。
一応、リハビリはしてくれていたのですが、母はもともと日中に調子が悪い人なので、昼間にリハビリをしましょうと言ったところで、起きられずに中止になった日が、何日もあったことが予想されます。

トイレは一人で行ってはいけない状態な上に、リハビリもしないとなると、当然足腰が弱っているだろうとの予想はしていましたが、案の定、退院後はこちらの予想以上に歩くことが困難になっていました。

とはいえ、家の中では、家具や壁に手をつきながら、なんとか移動できるので、トイレまでならなんとかひとりで行き来できるようにはなりました。
ただし、調子が悪いときは私のフォローを必要とします。

退院2日後で外出してみた
退院当日と翌日は、とにかく見るからに危なっかしい足取りで家の中を歩いていましたが、昨日の夕方くらいに少しですが歩みがスムーズになっている様子が伺えました。
この状態であれば、もしかしたら外出も可能かもしれない。

ということで、本日母の体調や機嫌を見ながら、買い物へ一緒に行くよう誘ってみたところ、母も乗ってきたので、少し遠くのショッピングモールまで行ってみました。
ショッピングモールを選んだ理由は、車椅子を借りることができるから。
近所のスーパーでも、借りることは可能なのですが、入院していた母がリフレッシュするには、少し面白くない風景になってしまうので、モールの方がいろいろなお店を見ることができ、リフレッシュしやすいとも思いましたしね。

ただ、どこかでお茶をする余裕はありませんでした。

車椅子を押しながらの買い物って難しい
我が家は、6階にあるのですが、エレベーターまでが遠いです。
そのかわり非常階段のすぐそばなのですが、今の母には使えないので、何かあったら結構大変だな、と思っています。

まあ、そんな場所にあるので、エレベーターまで歩くことが、退院後の母にとってはかなりハードです。
エレベーターに着くなり、大きなため息をつくほど。
とりあえず、1階エントランスまでは連れていき、駐車場の車をエントランス前に着けて、母を乗せて、いざ買い物へ。

エントランスまで下りることすら大変だったので、モールに着いてからは車いすを借りるつもりで、モールのエレベーターに近い3階駐車場スペースへ車を停めました(車椅子マークのスペースではないスペース)
駐車した場所から、なんとかエレベーターホールまでは、母も私につかまりながら歩けたのですが、エレベーターホールに肝心の無料レンタル車椅子が、ない!

仕方がないので、インフォメーションがある場所まで母を歩かせて、なんとか車椅子を借り、モール内のスーパーへ向かいました。

さて、車椅子を押しながらの買い物は、生まれて初めてです。
しかも、以前もブログに書いたことがありますが、母は見るからに“デブ体形”なので、結構重たい(苦笑)
ちょっとしたターンや、カーブを曲がることが難儀な状態。
しかも、使って初めて気が付く、

 車椅子には買い物かごを置くスペースがない

という問題。

ふと、日ごろ見かける車椅子ユーザーの方は、どうやって買い物なさっていただろうか?
と、記憶をたどってみましたが、思い出せません。
どう考えても、母の膝にかごを置く以外のアイデアは浮かびませんでした。
スーパーなどに置いているベビーカーには、かごを置ける仕様のモノもありますが、車椅子はそこまで考えられてはいないのですね。

母の膝にかごを乗せているので、あまり店内をウロウロする余裕が、私にもありません。
すれ違う人に、車椅子を当ててしまわないように神経も使っていたのですが、人ではなくて野菜を陳列していたコンテナの角に、車輪を当ててしまいました。
そんな感じだったので、買う予定だったモノだけをかごに入れて、早々とレジで計算して貰ったのですが、気が利く店員の方だったので、計算済みの商品が入ったかごを、サッカー台(荷物整理台)まで持って行ってくれました。

退院後初の外出は、母も私も体力と神経を使う結果となりました。

車椅子を押しながら買い物していて気が付いたこと
以前、仕事で車椅子ユーザーのフォローをしたことはあったのですが、日常生活の中で車椅子を押しながら行動したのは、私も初めてですし、母も病院以外で車椅子に乗って行動するのは初めてです。
使いながら、気が付いたことがあったので、もしも母が車椅子生活になった場合も考えて、綴っておきます。

 ・スーパーなどの買い物かごを置く(または固定する)仕様になっていない
 ・杖や長傘を収納する仕様になっていない
 ・標準仕様の車椅子は母の体重(重たい)だと動かしにくい?
 ・思った以上に車輪が大きい
 ・車輪が大きいので小回りがきかない
 ・多目的トイレは車椅子と介助者が一緒に入るとかなり狭い場合がある
 ・押して介助する人は荷物をたくさん持てない
 ・レジとレジの間が狭い店だと待機列への並び方が難しい
 ・車椅子ユーザー単独での買い物は常に横向きでレジの支払いをしなければいけない?
 ・車椅子ユーザー単独だとATMの操作時に操作盤が遠そう
 ・小さいお店は通路も狭いので車椅子だと最初から入ることを躊躇してしまう

思いつくのは、以上のようなことでした。
座りごこちなどは、貸し出し用なので今回は無視。

押していて、一番感じるのは幅が思った以上に広いということ。
まあ、大人が使用するわけですから、それなりの大きさがあって当たり前ですが、その大きさがあるがゆえに、入り辛い場所がかなりあります。
特に入れないなあ、と思ったのは、カルディ。
お店のコンセプトが統一されているので、どの店舗へ行っても同じだと思うのですが、商品陳列棚の間隔が狭いし、微妙な角度で棚が設置されていますよね。
私は、カルディで取り扱っている商品が好きなので、もしも自分が車椅子ユーザーになったら、ネットショップで購入することになるだろうな、などと考えていました。

それから、母の体重が重たいこともあったのですが、小回りがきかないので、通路などで人とすれ違うときに、端に寄ることが難しいです。
なるべく端に寄せて押しているつもりなのですが、コントロールできないときもあり、そういう時はすれ違う方を待たせてしまったりしました。
ごく普通に歩いているときは、こちらの動きに自由がきくため、無意識に端に寄っていたのだな、と気が付きました。

そして、強く感じたことが、押して介助する人は、あまり荷物を持たない方がいい、ということでした。
もともと、私は荷物が少ない方だと思うのですが、今回は小さめの斜め掛けショルダーに財布やマイバッグを入れていて、買い物のあとは、清算済み商品を入れたマイバッグを車椅子の取っ手にかけ、ショルダーを斜め掛けしていました。
買い物のあと、和菓子屋で団子と大福を購入したのですが、どうも財布を出したり、お釣りや商品を受け取る動作が、面倒でなりませんでした。

日ごろも、実を言うといろいろと面倒だな、と思うことが多々あったのですが、車椅子を押すという行為が加わっただけで、さらに面倒に感じるようになりました。
ここからわかるのは、私自身はもっと持ち歩くモノを減らし動作をシンプルにすべきだ、ということ。
財布が出しにくいのは、財布以外のモノが邪魔になっているから。
お金を出したり、お釣りを受け取るのが面倒なのは、現金で支払いをしているから。
商品の受け取りを面倒に感じるのは、他の持ち物が多いから。

これらを解決するためには、まず日ごろ持ち歩いているモノを減らすこと。
念のために持ち歩いているモノが、結構あるのかもしれないので、それを見直そうと思いました。
そして、いよいよキャッシュレス決済に積極的になるときが来たかと思いました。
今回は、たまたま母が和菓子を食べたがったので、和菓子屋で現金購入しましたが、今後は私が持っているキャッシュレス決済方法が使えるお店限定で、買い物をするように徹底しようと思いました。
そして何より、買い物では一度にたくさんのモノを買わない(買いだめしない)こと。
必要であっても、次に回せる買い物は購入を先延ばしにした方が、荷物が増えすぎなくていいと思いました。


今回、母を外に連れ出すことが第一の目的だったので車椅子を借りて買い物をしましたが、今後は少しずつ散歩に連れ出して、車椅子を使わずに済む体調に戻るようフォローしていこうと思っています。
あとは、母本人がどこまで頑張れるか、ですね。
少しでも、やる気が出るように、日ごろからいろいろ働きかけていかないといけないですね。