通勤路の花壇に、ニョキニョキと、アスパラガスのような緑の茎が生え、蕾がつくと数日後には真っ赤な彼岸花が、咲いた。
空気は透き通って、空は高い。
秋だなあ!!
まだ9月になって2週間くらいなのに、すっかり秋。
8月の蝉時雨はパタッと止み、リーリーと、
虫の声。
どこかで、小さな羽を震わせたり、足を震わせたりしながら、伴侶を呼んでいると思うと愛おしい。
昔、埼玉に彼岸花を見に母をドライブに連れて行った。どこまでも彼岸花が続く、名所。
春はバラを観に古河庭園に行った。
「別れる男に、花の名を一つは教えておきなさい。花は毎年必ず咲きます。」 ー川端康成『掌の小説』
誰かと見た花の記憶は毎年色鮮やかだ。