賑やかな名古屋港に面して建つ、名古屋港水族館は中京圏最大級の水族館。
関東の八景島、関西の海遊館と並ぶ、日本を代表する都市近郊大型水族館のひとつです。
愛知や静岡出身の知人に聞けば口を揃えて「名古屋港水族館はよい」というので、訪れてみました。
地下鉄名港線の終着点、名古屋港駅から徒歩5分。
水族館の施設は北館・南館の二棟から成っています。
南館が一般の水族館、北館がイルカやベルーガといった海獣中心の展示となっています。
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見学者はまずは入口のある北館を一巡してから連絡通路を伝って南館へと入ります。
到着するのは南館2階。
ここでは「南極への旅」をテーマに地域ごとの海の世界を再現しています。
まず目を引くのは黒潮大水槽。
シネスコープを彷彿とさせる横長の大水槽に多くの魚が泳ぎ、来場者を海の世界へと誘ってくれることでしょう。
この水槽では毎日、「マイワシのトルネード」というイベントが行われ、照明演出が行われる中で3万匹のマイワシが乱れ泳ぐ姿を眺めることができます。
これが非常に人気のようで、大水槽の目の前にはマイワシに対抗せんばかりの観客が押し寄せていました。
続く展示は「日本の海」。
トンネル水槽や深海コーナーを経て1階のサンゴ礁大水槽へ。
この大水槽は1階から3階までの3フロアにまたがっており、エスカレーターを順々に上がって変化を楽しむことができます。
このエリアは「赤道の海」、ウミガメたちが泳ぐ回遊水槽も魅力的。
3階はいよいよ「南極の海」。
オーストラリアの水辺を経て、ペンギン水槽へと至ります。
日本から南極へと繋がっていく構成は見事で、海の旅を楽しむことができます。
日本の海から深海への展示は照明が暗く、赤道の海の展示は外光を取り込んだ明るくなっており、
場所ごとに異なる雰囲気づくりがなされていました。
また、南館の特徴はその複雑な順路構成ではないでしょうか。
2階から始まる展示は、次第に1階へと下り、次は2階、3階と上がっていく構成。
また最終的に2階、1階へとエスカレーターを乗り継いで出口へと至ります。
都市型水族館ならではの迷路のような構成は、館内を巡っているうちに、
今自分がどこを歩いているのか、どの方角を向いているのかわからなくなってしまいます。
個人的には長い長い海の旅をしながら現実を忘れられるのでよいのでは?と思っています。
黒潮大水槽のマイワシトルネードが人気。
乱れ泳ぐイワシも芸術の域です。
「にじいろのさかな」ならぬ虹色の海老。
伊勢海老並みの巨大な姿にパステルカラーが不釣り合いでも少し可愛らしいです。
日本の海の展示では水槽の数も多く多種多様な生物に出会えます。
深海コーナーでは深海生物の標本がずらり。
青白い照明も相まって不思議な雰囲気が醸し出されています。
近年、深海生物の人気の高まりや、研究の発展もあり多くの水族館で展示が行われるようになりました。
でもまだ、深海のアイドル:メンダコの生態展示を行っている場所は少ないようです。
早川いくを著『へんないきもの』で見たことのあるカイロウドウケツ。
内部にはドウケツエビと呼ばれるエビのつがいが暮らしています。
赤道の海ではチンアナゴとニシキアナゴも優雅に暮らしています。
ゆらゆら、かわいらしいです。
外光の射し込む水槽が美しいです。
名前は忘れましたが、不思議な模様をまとった魚です。
様々な魚が飼育されているので、時折一目惚れしてしまうような魚に出会います。
ウミガメの赤ちゃんは意外と速く泳ぎます。
羽ばたくような泳ぎ方が可愛く、人気者でした。
南館の天井はガラスのビラミッド。
横浜八景島シーパラダイスと似ているような。
ここから外光を取り込むことで、水槽に変化を与えてくれています。