Fuji Trip!

水豚先輩の週末旅日記

沼津深海魚水族館

2016-02-17 00:10:58 | 東海地方




沼津港の魚市場の向い側、「港八十三番地」と呼ばれるエリアに立つ「沼津港深海魚水族館・シーラカンスミュージアム」。

日本では唯一の深海魚に特化した水族館になっています。
なぜこの地に深海水族館なのかというと、ここ駿河湾は日本一深い湾であるからだそうです。

東名高速道路をはじめとして、静岡県内の観光案内ラックにはよくダイオウグソクムシが表紙を飾るパンフレットが置いてあり、いつかは行ってみたいと思っていました。

この水族館の名物といえば冷凍シーラカンスとメンダコの展示。
ふつうの水族館にいるような有名な水生生物がいない分、コアでレアな生物が多いことが魅力です。
公式HPにある「ヘンテコなのも、神秘的なのも、たくさんいます。」という文句がすべてを物語るように、「なんだこれは」と思わず凝視してしまうような生き物たちに出会えます。



館内は2階建てで、1階は深海生物を中心とした水槽展示、2階は副題の「シーラカンスミュージアム」となっています。
通常の水族館と比較してしまうと、規模の小ささは否めませんが、展示構成や展示生物に工夫があり、ありきたり感はありません。

特に、入り口の明かりが射し込む導入部から徐々に進むにつれて暗くなっていき、展示される生き物も浅い海から深い海へと移行。
暗い館内では照明効果により生き物がより印象的に浮かび上がります。



2階は「シーラカンスミュージアム」。
始めは手作り感MAXのシーラカンス神社やハリネズミの展示など若干のカオス空間となっています。
続いて生物の進化研究室の展示は木造船内を模したような作りで、化石やパネルでの展示が中心。
本当に博物館のようで、水族館の面影なしと思ってしまいますが、これはこの水族館の目玉となる冷凍シーラカンス展示の序章に過ぎなかったのです。

冷凍シーラカンスは室内の中央にある大きな冷凍展示ケースの中に2匹ほど展示されています。
特撮やSF映画に出てきそうな頑丈な冷凍ケースに入ったシーラカンスは白目を剥いたような姿でラスボス感たっぷり。
剥製ではなく、冷凍個体とは世界でも珍しいもの。
シーラカンスの貴重さにピンと来ない方は、従業員の解説が平日1回と、土日は2回催されているので、そちらを聞くと理解が深まるかもしれません。

冷凍シーラカンス展示を取り巻くのは生き物の骨格に着色を施した「透明骨格標本」展示と、照明を極力落とし、明かりで魅せる「深海の世界」。
後者は水槽の展示なので、生きた深海生物を見ることができます。

そう、この水族館のもうひとつの目玉であるメンダコさんは残念ながらお休みの日でした。
メンダコは不定休だそうで、公式HPで出勤情報は確認できるようです。



こぢんまりとした小さな水族館ですが、展示生物は珍しいものばかり。
本物は見たこともないような、異種・珍種の生き物たちは一度見たら記憶に残ること間違いありません。
例えるなら、印象派の水族館です。






 



「キホウボウ」
喜望峰みたいな名前ですね。






「ミドリフサアンコウ」
餌をじっと待つ青い目が印象的です。








「チンアナゴ」
おそらく浅い海の展示でしょう。









ダイオウグソクムシのホルマリン漬けが無造作に置いてあります。
蓋には「悪魔のささやき」が。









生態展示と共に標本も展示もあります。
博物館ならそのまま展示するところですが、あえて深海色の薄暗い照明が映えます。









「ヤマトトックリウミグモ」
地蜘蛛のようですが、名前を見ると忍者のようにも思えてきます。









「タカアシガニ」
多くの水族館で飼育されている人気者です。
あまり動きません。









2階はシーラカンスミュージアム。
あまり可愛くない水先案内魚が喋ります。










「シーラカンス神社」
一瞬、面食らいます。御神体がなんとも手作り感。









「生物の進化研究室」
シーラカンスを始めとした考古学資料展示です。









化石などの展示は本格的で、水族館にいることを忘れてしまいそうです。











「冷凍シーラカンス」
凍っている生きた化石は世界でも希少です。
冷凍ケースの中には2匹が展示されています。












シーラカンスを3つの角度から。










「透明骨格標本」
様々な魚の骨格が色づけされて展示されています。









深海に浮かび上がる魚。
2階の「深海生物の世界」は近年リニューアルされたようで幻想的です。









「イガグリガニ」
全身の刺が毬栗のようで非常にワイルドです。
前衛芸術のよう。









1階の「悪魔のささやき」の内容がこちら。
ダンゴムシの仲間では世界一の大きさを誇るのがダイオウグソクムシ。

ダンゴムシを標準スケールで考えると非常に大きいです。










大きいから気持ち悪がられるのか、足が多いから気持ち悪がられるのか。
でもよく細部を見てみると、非常にかっこよいです。

近年人気が出てきている理由もわかるような気がします。






訪問日:2016.01.04



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。