Fuji Trip!

水豚先輩の週末旅日記

雨の常滑 やきもの散歩道

2016-08-23 22:27:51 | 東海地方




愛知県常滑。
知多半島の西側に位置するこの町は、空の玄関口があることでも有名です。
名鉄名古屋駅から「中部国際空港」行きの赤い列車に乗って約35分。

常滑は“瀬戸物”の呼び名でも定着する瀬戸市と並ぶ焼物の町。
その規模は国内最古で最大であるとか。
迷路のように入り組んだ路地を歩けば、土管の積まれた狭い坂。
高台から町を望めば、幾重にも見える煙突。

自動車も通れないような小さな路地は南北に広がって、陶器を販売する木造の商店が軒を連ねます。

初めて見るから珍しく、初めて見るのに懐かしいような不思議な昔町。

主要地域には「やきもの散歩道と」呼ばれる散策コースが用意されており、観光案内所等で無料でマップがもらえます。
散策コースは道が入り組み、高低差もあるので地図があっても迷いそう。
廻船問屋瀧田家、登窯、土管坂...いくつかのアイコンを目印になります。


雨がしとしと3月の平日に歩く常滑は、静かで趣のある場所でした。

 

 





瀧田家は江戸時代から廻船業を営んでいたという。
坂の途中に位置した見晴らしの良い場所に建つ瀧田家は市指定の文化財。

庭には水琴窟と、ちょっとリアルな蛙の置物がありました。






棚には招き猫と福助の姿も。
とても縁起が良いです。
 





歩いていると多くの坂道に出会います。
石垣のような荒々しい壁面が素敵な坂もありました。







旬の魚の定食が美味しい茶房 たんぽぽにて。






紅茶で少し休憩。
タンポポコーヒというのもありました。






瀧田家の目の前の坂はデンデン坂。
土管坂と並ぶ、常滑の代表的景観です。

焼酎瓶が整然と並んだ姿はタコの吸盤や、魚の目を彷彿とさせて、ちょっぴり身体が痒くなります。







登窯広場にあるモニュメント。
よく見るとひとつひとつがピラミッド状になっています。






昭和49年まで実際に使われていた登窯。
その後、国の重要文化財に指定され保存されています。

登窯の裏手にある小道では打ち捨てられた陶器。
落ち葉も相まって非日常的な光景が広がっていました。






煉瓦ひとつひとつが年月を物語っているようで、
それらの隙間から青々と茂り始める植物が顔を出しています。






屋根に落ちる雨音を聞きながら、登窯の内部を見学。
その名の通り、斜面に沿って勾配を上るように造られています。






美しく、等間隔に並ぶ煙突。
もくもくと煙を出していた頃に思いを馳せます。






陶器屋さんの2階からこちらの様子を伺っている招き猫を発見。
目が虚ろで少し怖いです。

立ち並ぶ陶器屋さんでは、招き猫や動物をかたどった置物も販売されているので、
お気に入りのひとつを見つけてお土産にするのもアリです。






トタンと陶器と常緑樹。
常滑の街角風景には欠かせない要素ではないでしょうか。






道ばたに落ちているのは山茶花でしょうか。
少しばかり儚げです。






工房の奥へと続く路。
人々が家と家の間を行き来するのでしょうか、屋根が設けられていてトンネルのようになっています。






駅前から陶磁器会館へと続く大通りは「とこなめ招き猫通り」と名付けられ、
地域のアーティストによる多彩な招き猫が鎮座しています。

坂を上りきる途中、 切通しの上に巨大招き猫・とこにゃんの姿が。

 




日本の数ある昔町の中でも、常滑には「不均一」という言葉が似合います。

蛇行して伸びる道、様々な方角を向いて建つ家々。建築の材質、色・・・・
昔と今が程よく混在し、その地域に特有の人の営みが消えずに残されれています。

そこに西洋とは違った雑多感、日本らしさがあるのではないでしょうか。

路地を曲がればまた違った景色に出会える。 
そんな楽しみが常滑にはあります。 



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