前回の日記の続きです
前々回、ロシアの経済学者セルゲイ・グラジエフ氏のエッセイを翻訳したんですが、あまりにも難解になってしまったので
要は「何を言っているのか?」という事を中心に考察し、参考になるべきものを学んでみたいと思っています
ロシアでは、2014年の西側、アメリカによる経済制裁以降、国内企業に資金需要がたくさん生じました
つまり、お金を借りたい企業が増えたわけです
ですが、ロシアの大手銀行はいずれも、国内企業に積極融資をすることができませんでした
その理由は、ロシア中央銀行による政策金利が「高すぎた」からです
日本で言えば公定歩合ですが、中央銀行の政策金利が高いと、民間銀行も金利が高くなります
そこで入ってきたのが「外資の投資会社」や「西側の大手銀行」だったわけで、安い金利でロシア企業に融資を始めたわけです
本来なら積極的にロシア企業を助けるべきロシアの大手銀行が、中央銀行の顔色をうかがい、積極的融資を渋ったことにより
外資に資本吸収されたり、利益を吸い取られる企業が続出したわけです
昔ロシアに沢山いた石油オリガルヒが、石油企業の資本金を独占してロシアの石油の利権を独占していたように
外資による「ロシア買い」が加速していったわけですね
外資に吸収されてしまった企業は、その利益を海外に持って行き、ロシアに一切税金を払わなくなり、ロシアに利益を残さなくなるわけです
その典型例が、グラジエフによるとルサール(ロシア・アルミニウム)だったわけです
それが高じていくとどうなるかというと、ルサールは安い労働力のある海外拠点を作り
アルミニウムの原材料であるボーキサイトだけをそこに送って、現地でアルミ生産して儲ける、という事をし始めるわけです
結局、ロシアは原材料だけを安く買いたたかれ、国内産業は空洞化するわけで、これは日本の構図とまったく同じなわけです
海外にはタックス・ヘイブンという、極端に税金の安い国があり、そこに本社機能だけを置けば、税金を払わなくて済むわけです
そういうロシア系の財閥をオリガルヒというわけですが、そのオリガルヒにも、受難の季節がやってきた、とグラジエフは指摘しています
ドルで持ち出したはずのオリガルヒの海外資産が、今回の西側の経済制裁によって「資産凍結」の憂き目にあってしまうかもしれない
という皮肉な結果となってしまいました(笑)
グラジエフはこの現象を、「長期的に見てロシアには僥倖(良い出来事)」と、とらえているようです
この点、日本にも大変参考になるところがあるのではないでしょうか?
海外に拠点を移してしまった大手企業の資産を、国内回帰させることこそが、日本経済復活のカギなのですからね
もう一つ、述べておきたいことは、やはり「ドルの需要が減っている」、ということについてです
アメリカはこれまで莫大な財政赤字を計上してきましたが、それでもインフレを起こすことはありませんでした
政府の予算を増やし、国債を乱発するという事は、つまりドルをたくさん発行してきた、ということです
ドルがインフレを起こさなかったのは、とどのつまり、「ドルを必要とする国がたくさんあった」という事なのです
しかし、今度ばかりは事情が変わりました。。。ロシアがドルを扱うことを拒否し、多くの商品(コモディティー)の買い付けに
ロシアルーブルが使われるようになった。。。
つまりドルのシェアが落ちて、ドル需要が減ったわけで、これが恐らくアメリカのインフレを招いている根本原因であろうと思います
金の需要が高まっている背景も、「西側諸国がルーブルを手に入れるには金と交換するしかない」からです
日本はどうなのか?と言いますとね、これはものすごくまずいことになっているように感じます
日本円は基本的にドルと連動し、ドルなしでは通貨の価値が決められないほど密接につながっていますので
これまで1200兆円を超える国債を発行してきた日本は、つまり、通貨を発行しすぎた。。。という事なのかもしれません
実体経済に比べて、通貨の発行量を多くしすぎた。。。経済を活性化することが最優先であったのに、それができなかった
このことを考えると、日本もまた、当面の間インフレに悩まされることはほぼ確実であろうと思います
今日はこれまでとします
前々回、ロシアの経済学者セルゲイ・グラジエフ氏のエッセイを翻訳したんですが、あまりにも難解になってしまったので
要は「何を言っているのか?」という事を中心に考察し、参考になるべきものを学んでみたいと思っています
ロシアでは、2014年の西側、アメリカによる経済制裁以降、国内企業に資金需要がたくさん生じました
つまり、お金を借りたい企業が増えたわけです
ですが、ロシアの大手銀行はいずれも、国内企業に積極融資をすることができませんでした
その理由は、ロシア中央銀行による政策金利が「高すぎた」からです
日本で言えば公定歩合ですが、中央銀行の政策金利が高いと、民間銀行も金利が高くなります
そこで入ってきたのが「外資の投資会社」や「西側の大手銀行」だったわけで、安い金利でロシア企業に融資を始めたわけです
本来なら積極的にロシア企業を助けるべきロシアの大手銀行が、中央銀行の顔色をうかがい、積極的融資を渋ったことにより
外資に資本吸収されたり、利益を吸い取られる企業が続出したわけです
昔ロシアに沢山いた石油オリガルヒが、石油企業の資本金を独占してロシアの石油の利権を独占していたように
外資による「ロシア買い」が加速していったわけですね
外資に吸収されてしまった企業は、その利益を海外に持って行き、ロシアに一切税金を払わなくなり、ロシアに利益を残さなくなるわけです
その典型例が、グラジエフによるとルサール(ロシア・アルミニウム)だったわけです
それが高じていくとどうなるかというと、ルサールは安い労働力のある海外拠点を作り
アルミニウムの原材料であるボーキサイトだけをそこに送って、現地でアルミ生産して儲ける、という事をし始めるわけです
結局、ロシアは原材料だけを安く買いたたかれ、国内産業は空洞化するわけで、これは日本の構図とまったく同じなわけです
海外にはタックス・ヘイブンという、極端に税金の安い国があり、そこに本社機能だけを置けば、税金を払わなくて済むわけです
そういうロシア系の財閥をオリガルヒというわけですが、そのオリガルヒにも、受難の季節がやってきた、とグラジエフは指摘しています
ドルで持ち出したはずのオリガルヒの海外資産が、今回の西側の経済制裁によって「資産凍結」の憂き目にあってしまうかもしれない
という皮肉な結果となってしまいました(笑)
グラジエフはこの現象を、「長期的に見てロシアには僥倖(良い出来事)」と、とらえているようです
この点、日本にも大変参考になるところがあるのではないでしょうか?
海外に拠点を移してしまった大手企業の資産を、国内回帰させることこそが、日本経済復活のカギなのですからね
もう一つ、述べておきたいことは、やはり「ドルの需要が減っている」、ということについてです
アメリカはこれまで莫大な財政赤字を計上してきましたが、それでもインフレを起こすことはありませんでした
政府の予算を増やし、国債を乱発するという事は、つまりドルをたくさん発行してきた、ということです
ドルがインフレを起こさなかったのは、とどのつまり、「ドルを必要とする国がたくさんあった」という事なのです
しかし、今度ばかりは事情が変わりました。。。ロシアがドルを扱うことを拒否し、多くの商品(コモディティー)の買い付けに
ロシアルーブルが使われるようになった。。。
つまりドルのシェアが落ちて、ドル需要が減ったわけで、これが恐らくアメリカのインフレを招いている根本原因であろうと思います
金の需要が高まっている背景も、「西側諸国がルーブルを手に入れるには金と交換するしかない」からです
日本はどうなのか?と言いますとね、これはものすごくまずいことになっているように感じます
日本円は基本的にドルと連動し、ドルなしでは通貨の価値が決められないほど密接につながっていますので
これまで1200兆円を超える国債を発行してきた日本は、つまり、通貨を発行しすぎた。。。という事なのかもしれません
実体経済に比べて、通貨の発行量を多くしすぎた。。。経済を活性化することが最優先であったのに、それができなかった
このことを考えると、日本もまた、当面の間インフレに悩まされることはほぼ確実であろうと思います
今日はこれまでとします
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