『ジョーカー』の次にこれでしたが、、
こっちも全然負けていないというか
むしろこっちの方が映画の力を感じました。
実は昔懐かしい映画らしい映画だった『ジョーカー』と比べると
こちらは
イラン出身の新人監督の描く世界は新鮮で蠱惑的です。
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ヒロインのティーナを演じたエバ・メランデルさんが素晴らしい。一位です。俳優コンテスト一位です。
スウェーデンでは相当実力派として知られる女優さんのようですね。
技術力にも目を見張りますが
あの風格、威厳がものすごい。
で、それでいて可愛げもあるんです。
あのルックスで可愛いさを出せるんだからもう呆れちゃいます。。
特殊メイクで顔の多くが動かせないはずなのに、ミクロン単位で表情筋を操って、深い感情を伝えてくれます。
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音楽も良い。
可聴域ギリギリの低音がビリビリ鳴り、サスペンス感が増します。
ちょっとうるさいかなと思う場面もありましたが。。
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想像を超える世界に連れて行かれて
その魅力に囚われてしまう感じ。
社会性とかとは全く関係のない自分の中の箱を開けられてしまう感じ。
ミミズって美味しいのかもしれない(←ヤバイ状態…)。。
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どうかネタバレ踏む前に観に行ってくださいね。
ラスト&ネタバレは以下に。。
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2人はムーミン(ムーミンもトロールです)の仲間たちでしたね。
さらにヴォーレはジョーカーでした。
ヴォーレはずっと人間たちに虐げられてきて、ダークサイドに落ちてしまいました。
そう考えるとティーナ(レーヴァ)は少なくとも大人になってからは虐げられている感は少ない。
子供の頃は壮絶ないじめに遭ったでしょうし、自分がトロールであることを隠されていたことはショックだったと思います。
が、自分の特技を生かした仕事で活躍できて、上司や同僚からも頼りにされている。
お隣さんも優しい。
人への恨みがない(もしくは減った)彼女はダークサイドへは落ちることはなかったんですね。
ここがグッとくるポイント。
しかし、ラスト。
ヴォーレが船から逃走したあと、おそらく、いづらくなって職場を離れたティーナ。
職も失い、お隣さんとの交流もなくなり、人間的な社会性をなくしたティーナ。
自分の仲間たちがそうして生きているでろう、森の暮らしを始めていました。
そんなところに宅急便。
ヴォーレが産んだ有精卵。
愛おしそうにその子を見るティーナ。
映画はここで終わるけど、彼女はフィンランド行っちゃうんでしょうか。
それが彼女の幸せなのかもしれない。