映画感想(ネタバレもあったり)

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映画『コンフィデンスマンJP~ロマンス編~』(2019)ネタバレあり

2020-07-29 | ネタバレあり




財布返してあげて。。。。。

実は財布返してあげてたっていうなら、そのシーン見せて。。。。

幸せで善良な家族の財布、、、返してあげて。。。

あれが最初から心配で、、不快で。。


***


ペディグリーペット詐欺を仕掛けてきた女に対して


「なかなか良かったわぁ。修正する点はいくつかあるけど」
って言うなら
その修正点を挙げくれればいいのに。

ササッとセリフで喋ればいいだけの話。

そうすれば薄っぺらい映画だってことが冒頭で観客にバレずにすんだのに。


って思ってたけど
それをちゃんとバラしてくれてたわけねっ。

誠実っっっっっっっっっ!


***


で、カメラ目線で「コンフィデンスマンの世界へようこそ!」

で、タイトル。

ここはコンフィデンスマンの世界だから、
この世界の住人しか楽しめないし、
楽しくないならこの世界の住人じゃないってだけ。


***


ずっと人前に姿を見せなかった竹内結子が


長澤まさみたちの前に現れるとき
竹内結子なら10種類くらいの感情を無言で表現できるでしょうよ。

人から見られることに慣れてない人なわけでしょ。
スッと出てくんなよ。


しかも、最終的にそれを表現する技術がある人だったわけでしょ!


***


三浦春馬に背中の傷を見られて「綺麗だよ♡」って言われた時も


「綺麗なわけないじゃないっ!」って泣きながらブチ切れたりして欲しかったし、

怒り狂った竹内結子がジョニー・トーばりに銃を連射して欲しかった。。

弾当たらなくてもいいわけだから。


***


三浦春馬の悪役。


セクシーだし、かっこいいし、重みもあるし、セリフも達者だし、
ラストの小物感ももんんんのすごく良い。

はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ惜しい人を。。。

***


基本的にすべてがどうでもいい話。

それでも怒りが湧かないのは
ちゃんと「これはどうでもいい話なのです」というのが観客に徹頭徹尾伝わっているから。


そもそもゴールがはっきりしていない話なうえ
何度もそのゴールが移動するので
どうでもよくなる。


「金目的じゃない」って途中で言っちゃってるから
計画に採算が合わないこともどうでも良くなる。


ドキドキポイントがなくなっていく。
ただ今、画面に映っていることでドキドキする以外にやることがない。

今まであったこともどうでもいいし
この後どうなるかもどうでもいい。


誰かが死んだりする映画のトーンでもないことは十分に知らされているので
突然予期せぬ不幸が起きるかも!というドキドキもない。

***


めちゃくちゃ勝手な話なんだけど


勝手な話しますよってのがちゃんと表現されているから。

その意味では誠実と言えるかと。


**

どこまででも話が作れるので、いいコメディ映画シリーズになるのでは。

女性主役のコメディ映画シリーズなんて世界でもそうそうないんだから。

ぜひ頑張って。






ネタバレは以下に。
















ニュース番組で香港のデモを報じている。

「不当なリストラを行った会社に対する反発が発端となり、香港市民の怒りが爆発した形です。
その矛先は香港の女帝と呼ばれる人物に向けられています。
香港ではその冷徹非常な性格から氷姫と呼ばれているそうです。

テロップでは
「不当リストラに市民反発

ラン・リウ会長へ抗議デモ
ラン・リウ会長
○個人資産数千億円
○香港大財閥、射手座集団トップ
香港市民の呼び名
氷姫」

ラン・リウは裏社会と通じてる豪腕経営者であり、市民が敵視してデモするほどの〝悪〟。

佐藤隆太演じるデモの一員もカメラに向かって彼女の非情さについて叫んでいましたね。
しかも、その直後「こんなこと言ったら命狙われる!」みたいな感じで怯えますね。

それくらいにラン・リウは悪い人。



しかし、長澤まさみたちは悪者ランリウを利用しただけであって、
ラン・リウの被害者を救おうとしたり、
ラン・リウに反省を促したりしない。

長澤まさみたちは
赤星に対しては義賊だった(かもしれない)けど、
ラン・リウに対しては義賊ではない。



ラン・リウは長澤まさみたちのことも気づいてないはずだし
1ミリも何の影響も受けてない。
何も関与してない。

映画のスタート時には悪者だったラン・リウ(竹内結子ではなく)が
実は一切何の罰を受けなかったし、
心の変化なども当然なかったので、映画スタート時のままの悪者のまま。


香港市民に対する対応にも変化もなかったのにも関わらず
ラン・リウはラストシーンでカメラ目線でカッコよくキメさせちゃう。

かっこいいキャラになっちゃってる。

ラン・リウは映画の根幹となる悪役な訳です。

でも、なんと、、、、そのまま。。。
映画開始と1ミリも変化ナシ。。
放置。
利用。


そして長澤まさみたちは30億(から経費を差し引いた分)をゲット!

デモした香港市民がかわいそう。時節柄、ホントに無責任。。




なにこれ。。。


大量の1万円札をドミノにしたり、空中に飛ばしたりするのは良かった。
結局大金を得てもそれの使い道なんて考えてないし(部屋の中でパーティーするというショボさも良い)
そもそも先のこと考えない、ってのがとてもこの映画らしくて一貫していて良かったと思います。






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